退院エントリ(虚血性心疾患)

前兆

筋肉痛がないのに歯が痛くなる。
痛さにも目に余るものがあるので主治医に虫歯になっている場所はありませんかと質問しても該当する箇所がない。

頭を支えている後頭部の筋肉や靭帯に痛みが出る。
腕に過剰な負荷を掛けているのかと気にして体のお手入れに激しく支出したが効果が芳しくなく、そのうち全身に疲労がたまるような状況へ変化したので腰を中心に回復を促進する方向に転換した。
常用しているシップも連続使用による薬害を防ぐために二種類を取り換えつつ箱で何個も消費している。

実はこれらが狭心症の前兆でしたとさ。

過去から自転車に乗っていて不整脈と洞徐脈を指摘されていたため、安静時に強く心臓が飛び跳ねるような動きをすることを自覚していた。
ああ、不整脈ですよねと軽視していた。

朝から仕事を始めていくといきなり早い動きに追従できなくなる(動悸がきつくて動きづらくなる(だがそれでも体は動く) )
寒冷期で体が温まらない頃には顕著に出ていました。

実はこれが危険な不整脈(心房細動)への兆候でしたとさ。

そしてこれらを過去に起きていたのにこれは何か?と内科を受診しなかったことでもう一つの病(心筋梗塞を起こした痕)を抱えていくことになってました。

D-day

通常営業を終わり、通勤経路で発作が起こる。
一発で意識を持っていかれる程の激しい動作から数秒後に意識が戻る。(自力で心房細動を止めた!)
悪い汗と一緒に何が起きたのかよくわからない。
これはいかんと降車してから椅子に座って回復を待つ。
最初に脳卒中を疑う。
自分の名前が言える。現在位置を把握している。四肢の感覚には異常がない。手足の操作に支障はない。立位を維持できる(だがよろける)。

たまたま傾斜地なので頭部を上にして寝る。

心臓と下腹部に重みがある。

経過時間の測定を開始。血液中酸素濃度と心拍数を把握。

「なんだこれよくわからん?」

二度目の発作が来る。
また意識が飛ぶ。そして数秒後に意識を回復する。
**失禁してます。**

「これは重症や」
と判断して歩道に寝る。
経過時間の測定を開始。血液中酸素濃度と心拍数を把握。
時間を費やしても全く回復するような素振りがない。

更に時間を費やしていると通報されてしまい警邏が到着。
そのまま救急搬送されていくことに。

いつ倒れても構わないように所持品の中に公的身分証明書と健康保険証とかかりつけの主治医(一次ね)の診察券とクレジットカードを入れておいた。
救急搬送時に本人確認と身分証明書の提出を済ませて自宅の電話番号を伝える。

これは脳に関わる?と思ったなら発語もしなくていいから素早く携帯の非常通報を活性化しよう。
しゃべらなくても衛星が現在位置を通話先へ告知してくれるので何とかなる。
けど、いたずらと思われるのも本意ではないので救急です、助けて...逆探知をお願いしますくらいは言った方がいいかな。

救急搬送

本人確認からバイタルを取って、聴音をします。
聴音する時には浅い呼吸でお願いします。

失禁していたのでまず立位での負荷を掛けて心拍数を測定。
静脈下注入などの処置はせず、落ち着いてきたのでとりあえず帰宅するかで決着。

それでも心臓と下腹部の重みは取れていない。

明暗

帰宅後にとりあえずごはんをもぐもぐ。そのあと安静にしていて、もう少し摂食するかどうかで悩んで食べようとカップラーメンを仕掛ける。

三度目の発作isBack!
どろーんと意識が飛んでいく。そしてすぐ戻す。(強いねあなた...)

続けて四度目の発作が。
**失禁してます。**
本気で殺しに来てますねコレ。

これで観念して、救急車の出前を頼むことに。
汚物処理を自力で済ませて、とりあえず必要そうなものを鞄に詰めて自力で救急車の中へ。

(もし、これで懲りずに自宅で寝ていたら7度目の発作で永眠してました。)

この門を潜る者、すべての望みを捨てよ。

同じ病院へ出戻り。担当医師の名札をみてまた同じかと分かり、

「すみません、先生。また戻ってきてしまいました。」と声掛けをする。

また発作をやらかした以上は救急外来で施せる処置がないのでそのまま搬送機の移し替えから病棟入り。

また失禁するとよろしくないのでおむつに換装して次に備える。
本当に危ない(急性期)患者に心電図とAEDがセットでついてくることから冗談ではないと悟る。

6度目の発作(まだ抵抗できたの?すごい。)

医師も飛んでくる。迷うことなく搬送機に移し替えられる。
**あれどこ行くの?またICU送りか?**        正解。

ICU送りにされるとどうなるか?
患者に対する看護師の人数が増える。
一般病棟とは異なりHEPAフィルタで清浄な雰囲気を維持される。
心電図計の格式が上がる。
携帯禁止(フライトモード可)
テレビ無償(テレビカードは要らないよ、でも地上のみ)
立位禁止。
排泄は尿瓶とオムツ。

そして明暗を分けた七度目の発作が未明に起こる。
完全に熟睡していて、発作を起こしたことが自覚できていない。
起きたらAEDパッドが装着されていてAEDの支援を受けて心房細動を止めた。(AEDを一発使うと6万円掛かります。)

AEDの保有が家庭として必要なのかと調べてみると、公共の場所に設置されているAEDに搬送を容易にするための鞄が追従する程度で業務用と家庭用の区別をされておらず、だいたい20万円くらいすることから心房細動を起こす不安を抱えている人が在宅で生活を維持するためにAEDを購入することはない。

この場合にはICD(AED機能付きのAED)を体内に埋め込んで対処を行うことになる。

7度目の発作を受けて処置が始まる。
まずヘパリン。
点滴で受けるヘパリンを投与されるときにはゆっくり入れてもらわないと背中を中心にして焦燥するような感覚に包まれる。
看護師との声を掛け合うことで投与する速度を速くならないように調節しましょう。

血流量を確保したいので生理食塩水の投与は欠かせません。そのため片手はずっと生理食塩水用と静脈下注入用のドレーンがぶら下がります。

お食事も医療...
まず摂取カロリーがすごく少ないことから空腹感から逃れることはできなくなります。
1800Kcalで縛りが掛かるとそれなりに体重が落ちます。宿便の分を勘案してもそれ以上に体重が落ちるので、退院してから減量を申し付けられた場合は過去と同じ量を摂食することは許されなくなります。

血流を妨げないように、コレステロール値を管理したいので減塩、カフェイン抜き、過食の禁止がお題目になります。

心臓に何かの疾患があると見立てる。
可搬式CT、MRI、アンギオ(心臓冠動脈造影CT)を一通りやります。
診断の結果は虚血性心疾患と断定、血管の狭窄部分を改善するためにステント(コバルト合金製)を挿入して血流の改善を目論む。

手術までに検査を行いつつ24時間体制で心電図の測定が行われます。
適切な薬剤の投入を施したので発作の再来はありませんでしたが、心房細動を起こそうと企画された時期は24時間体制で稼働していた心電図からは多数見つけられております。

手術はアンギオと同じ手順。

手首から送管して狭窄部分を風船で拡幅出来たら、当該区画にステントを留置して終了。所要時間は2時間。手技の施工中は起きている必要はなく、熟睡しても構わないです。

全ての検査で視覚を利用する機会はありません。特にMRIでは閉塞した空間に留置されることから暗所恐怖症になりかねませんので、耳栓とアイマスクの装着を強くお勧めします。

手術から一週間で退院してもいいですかと主治医へお伺いして退院が決定。
退院後、二週間経過を以てやる気も回復できたので退院へ。
本当は退院してから素早く復職を目論みました。でもやる気が戻らないのと身体の回復が思いのほか芳しくないので見送った次第です。

最後の一週間はさぼりだろ!許せん!とか自分の物差しで言い放てられる人には一言あります。

「危篤迄行ってから同じ文句を言え。
死ぬ恐怖を知らないお前にはまだ早い。
他人が死にかけるのも嘲笑の種にするお前には敬意がないと認める。」


入院を支えるために大切なこと

差し入れでごはんや果物などを入れてはいけません。
検疫と栄養管理は病院の管理下にあります。
よろしくないことを仕掛けていることが発覚次第強制退院もあります。

入院中はとても暇なのでスマートフォンとタブレット、現金を調達するために銀行のキャッシュカードを入院時には携行しています。
入院期間が確定しないので給与口座を直接操作できるアプリや必要な乱数表示器を差し入れてください。
貴重品の管理は患者本人の責任で履行されますが盗難があるとは考えていません。
入院見舞いであればWebMoney,Googleplay,iTunes等の汎用性の高いプリペイドカードが喜ばれると思われます。

万が一の急変に備えて、入院時に持ち込んだスマートフォンなどのロックを全て解除しておくように申し伝えましょう。暗証番号等が分からない時、遺体を用いてロックを解除できるのは指紋認証のみです。顔認証では認識できなくてパスコードを要求されるでしょう。

対して自分が入院した時には特にお金にまつわる暗証番号を紙媒体に残しておくことを求められます。世の中にある数ある役務の中でお金のやり取りがある役務だけは必ず止める必要があるからです。すべてのパスワードをひとつの鍵アプリに預けてあるから安心ではなくて、貴殿以外の第三者が死後処理を行うときにICT(情報通信技術)に関わる読み書きの能力を兼ね備えているといえる保証がありません。
ご面倒でも健在であるときから遺書から全ての役務を停止するための手順をスクリーンショットでも差し支えないので紙媒体またはPDFで残していく必要があります。

もちろんお家PC(Windows/Mac)のパスコードも含まれている必要がありますが生体認証を必要としている場合は口頭で伝える必要があります。
全ての備えは致命的な発作が起きてからでは間に合いません。

退院エントリとしてはここで打ち切ります。
改めて全部をてにをはを揃えて表出できれば幸いです。
コミケ3日目でお待ちしております。

ご清読ありがとうございました。


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