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722江沢民氏の散骨 どでかい船で大々的に

 共産党独裁が続く中国の2代前の国家主席であった江沢民氏の遺体が火葬の後、散骨されました。その映像を見ました。北京から骨つぼに納められて上海に空輸され長江(揚子江)の河口で散骨されました。散骨は当人の希望だったとのことです。
わが国では漁船をチャーターするとか、小型のヨット型クルーズ船が定番です。遺骨を海に葬る行為が目立たないようということでしょう。  
 

後方が散骨に用いられた巨船

江沢民氏の場合はどうだったか。国営報道が大々的に散骨を予告していますから、目立つもなにもあったものではありません。用意されたのも超巨大船。たった一人のお骨の散骨にしては何とも大げさですが、これも映像を流して国威発揚に役立てようということでしょうか。
 頃合いの場所に着き、さて散骨ですが、この巨船の甲板に投下用スロープが設置されていて、遺族が花弁といっしょにお骨をすべり落します。風にあおられつつ10メートルほど下の水面に落下していきます。そのお骨が、なんと火葬場で収骨した骨そのものではないですか。粉上になっていないのです。風に舞うことがないとの判断でしょうか。

遺骨を花びらにくるむ

 焼骨の比重を知りませんが、水面上を漂う小さな骨片もあったのではないでしょうか。
 中国の漁業者や近隣住民の声はどうなのでしょう。この水域が漁場ではないのでかまわないということでしょうか。それとも偉い人のことなので黙認ということでしょうか。
 一般的散骨では焼骨を粉上に砕き、さらに風で舞い散らないように水溶性の袋に入れるなどしてしずしずと水中に投じます。公共の水面を使わせてもらっていることからの配慮でしょう。
 
 ところで江沢民氏の遺体はなぜ散骨されたか。映像を見せてくれた人は「中国では政権が代われば墓が暴かれ、遺骨が鞭打たれる歴史の繰り返し。彼は共産党独裁体制崩壊後を見越して自らの遺骨を残さない選択をしたのだ」と解説してくれました。
 では防腐処理をして生前の姿で保存されている毛沢東氏の遺体の行く末はどうなるのか。死者を辱めるのが中国史の習いとはいえ、気になりますね。

【写真は新華社日本語版から】


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