724民主政治の武器は言論 多額政治資金は必要ない
千葉選出の衆院議員が辞職しました。薗浦健太郎氏。辞任理由は政治資金集めのパーティーで得た収入の過小記載。この種のパーティーの盛況ぶりが写真に出て政治家の人気ぶりのバロメーターになるけれど、その仕掛けを知れば納得です。
用意された会場の常識的収容数が千人とすると、用意する料理は10分の1の百人分、他方販売するパーティー券は10倍の1万人。多少誇張すればこういうことです。行っても仕方がないと思う購入者が過半ですから、カネだけ払って欠席する、早く行ってさっさと帰る。あるいは他の用を済ませてから義理立てで遅れて顔を出す。かくして会場はザワザワだけどパンクしない。
ボッタクリの仕掛けで得た利益が政治資金となる仕掛けです。
彼が政治家でなければあくどいビジネスとして警察や消費者庁が目をつけるでしょうし、税務当局が乗り込んでくるでしょう。課税額が大きく見込めますから。
ところが政治活動ということですべてが許される(と思っている)。せめて収支は正確に政治資金として総務省に報告してくださいね。しかるにそれさえも金額をごまかしていた。もはや民主主義社会の代議員とは言い難い。それで検察庁が乗り出したところあっさりと辞職。ほかに調査されるとうよほど困ることがあったのではないかと余計に疑惑が膨らみます。
ただし議員辞職したのは潔い。ここは褒めましょう。ゴタゴタ屁理屈をこねて議員というカネの成る身分にしがみつく者が多い中、人間性に救いがあります。
ここまで言うと「よほど政治家に恨みがあるのか」と思われそうです。そんなことはありません。政治家になれば中傷はごく日常的。言動を歪めて拡散されることも再三でしょう。にもかかわらず国家国民の福利のために身を粉にして働く。ボクは民主主義社会を支えるのはそうした犠牲精神に満ちた政治家だと思っています。それだけに“カネ”ごときで実績を棒に振ってほしくない。
ボクの疑問は簡単です。健全な民主主義社会の代議員活動に多額資金が必要なはずがない。民主主義の武器は言論です。国民を説得して国を導く。しゃべるには口があればよく、書くにはペンと紙、もしくはパソコンかスマホがあれば十分です。
材料を勉強する費用は必要ですが、そのために文書交通費という月100万円の国家からの支給があります。給料を国が負担する公設秘書が3人いて、気心知った者を手足として使えます。文献、書籍で調べる場合、議員は国会図書館の司書や蔵書を無償で活用できます。これだけあるのにまだ不足とはどういうことか。
こそこそ(でもないか)政治資金集めパーティーをする必要はないのです。制度的に支給される資金で政治活動をしてもらう。カネ勘定で大事な時間を無駄にしてもらいたくない。国民は政治家に期待するのはそういうことではないでしょうか。
ボクの地元でも恥ずかしい議員がいました。あろうことかカジノ関連で中国から賄賂をもらっていた疑惑で裁判中の秋元司衆院議員。参院選の票買収で服役中の河井克行衆院議員はボクの出身県が選挙区。ボクの郷里の鶏卵業者から賄賂を受け取った吉川貴盛という農水大臣(衆院議員)もいました。講演会会計処理で問題になった寺田稔衆院議員も出身県選出です。この人は大臣を病めたけれどまだ議員の身分にしがみついている。日本国の国民代表としてふさわしいのでしょうか。
恥ずかしいというよりも、国是である民主主義は大丈夫かという落胆が広がります。
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