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736DQNって何? 学んで習得しない者

 谷本真由美さんの『日本人は世界のニュースを知らない』から。732回に続いて取り上げる。本にこういう節があった。
「欧州人、・・・は読み書きできないヤバいDQNだらけ」。ここでボクには初出のDQN。恥を忍んでもっとも身近な人に聞いてみた。「聞いたことない。知らない」。よかった。ボクだけではなかった。
 ネットで調べる。非常識で言動が知識や知能が乏しき人を指す侮蔑語であるとWikipediaにあった。谷本さんが使っているのは「大人であるのに字をまともに読めないとか、算数の九九ができない人のこと」
 日本では重度の知的障害者のことだろうとなりそうですが、欧州、つまり最先進国が集中する地域でけっこうな比率でいるのですって。もちろん知的障害者ではない普通人にです。
 経済開発協力機構(OECD)の調査結果です。大人であるのに読めない、計算できない者がなぜいるのか。結論を言えば基礎教育をしっかり学ばなかった。驚いたのは日本でも少なくないということ。日本でも①16から24歳層で10%弱、②55から64歳層で20%弱。年配層で比率がより高いのは基礎教育学が昔は普及していなかったため。
 でもヨーロッパ諸国では数字が違います。若い層の①についてみると、イタリア、イギリスでは30%に達します。年配層の②ではスペイン55%、イタリア、フランスでは50%に跳ね上がります。 
 ちなみにフランスの国家統計によると高校卒業率はフランスでは72.5%、ポルトガルは37.6%ですって。高い国もありリトアニアは93.3%の高率ですが、日本の97.4%にはかないません。
 日本ではほとんどの人が読み書き、計算が当たり前にできる。「こうした現状が国による施策、先生方の熱心な指導、そして家庭での教育の努力が実ったものであることを意識している国民が少ない」ことを谷本さんは嘆いています。
 そうしたことを踏まえて「日本の大学進学率は世界の最高水準」と述べています。この点については、逆の「日本の大学進学率は他国に比べて低い」との節が流布しているのが気になります。基礎教育がしっかり効果を発揮していない国で学問体系を習得する場である大学進学率が高いことがありうるのだろうか。入学者に基礎数学の手ほどきをしなければならない国内大学が少なくありません。大学進学率よりも前に、10%近くいる読み書きや計算が怪しい大人の基礎教育やり直しに教育予算を充当すべきでしょう。憲法26条1項「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」
 権利と義務は表裏一体が世間の常識。教育を受ける権利と裏腹なのはしっかり学び習得して身につけること。例えば奨学金の給付を受けたのに単位を取れなったという者です。「翌年度以降は給付しない」ではまったく不十分。初年度に遡って支給を取消し、さらに履行義務違反分の利息をつけてj返させる必要があります。債務不履行の責任は社会の基本ルールです。


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