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604国のために戦うか 日本人は最低の13%

世界数十カ国の大学・研究機関の研究グループが参加し、共通の調査票で各国国民の意識を調べ相互に比較する「世界価値観調査」が1981年から行われている。各国ごとに全国の18歳以上の男女1000~2000サンプル程度の回収を基本とした個人単位の意識調査である。(PRESIDENT Online)
この調査のうち注目されるのが、「もし戦争が起こったら国のために戦うか」という設問。日本語での設問文の全文は「もう二度と戦争はあってほしくないというのがわれわれすべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか」であり、他国での調査票も同様とされている。
結果を分析してみよう。調査対象79国中「はい(国のために戦う)」の比率が高い方からベスト10を挙げる。①ベトナム96.4%、②ヨルダン93.8%、③キルギス92.7%、④バングラデシュ89.8%、⑤中国88.6%、⑥ノルウェー87.6%、⑦インドネシア86.4%、⑧パキスタン85.9%、⑨チュニジア85.5%、⑩ジョージア85.3%。
では低い方はどうか。②リトアニア32.8%、③スペイン33.5%、④マケドニア36.2%、⑤イタリア37.4%、⑥スロバキア38.1%、⑦チリ38.9%、⑧ポルトガル40.3%、⑨オーストリア40.7%、ニュージーランド40.9%。
この極端な差はなんだ。さて低い方の第1位を敢えて外しておいた。国のために戦う意識がもっとも低い国はどこか。感のいい人ならば分かるだろうか。わが日本が最低第1位。そしてその数値はなんと!たったの13.2%。2番目に低いリトアニアが32.8%であり、段違いであることがわかる。約20ポイントも違い、ベトナムに比べれば83ポイントの差である。
「いいえ(国のために戦わない)」の数値も調査で見てとれる。「はい」が多い国では「いいえ」は少なく、「はい」が少ない国では「いいえ」が多くなる。「わからない」を選択した者もいるから、「はい」と「いいえ」の計で100%にはならない。
 主な国での「いいえ」の数値はこうなっている。ベトナム3.8%、中国10.2%、イタリア45.0%、そして日本は48.6%。
 各国を100人の村に例えると、国家が侵略される事態になったとした場合、ベトナムでは96人が銃を取り、逃げ出すのは4人だけ。中国では89人が銃を取るが、10人が忌避する。これらに対しイタリアでは戦う37人に対し、後ろを向く者の方が45人と多い。ではわが日本はとなるが、戦うはわずか13人で、その7倍近い49人は国のことなど知ったことではない。戦うという者は「お前はバカか、さっさと降参しようぜ」と袋叩きに遭うかもしれない。ただしその後にウクライナで起きているように敵軍によって、見境なく虐殺になるかもしれないのだが。
 そのウクライナでは「はい」56.9%、「いいえ」25.5%。対するロシアは「はい」68.2%、「いいえ」22.0%。ほぼ拮抗している。
これに対し日本と中国では、「はい」は中国88.6%で日本が13.2%だから、中国が75.4ポイントも高い。志願兵の集まりに極度の差が出そうである。これに総人口の差をかけ合わせればどういう数値の差になるか。

なぜ日本の「はい」の比率が世界中でかけ離れて低いのか。教条的な平和主義者は非戦憲法教育の成果であると胸を張るだろうが、非戦を唱えていれば侵略の格好の餌食になるだけであることをプーチンが実証して見せた。ノルウェーのビョルン・ベルゲという人の研究『世界から消えた50の国』(原書房)によると、1840年から1975年の間に50もの国家が消滅したという。わが日本がその墓標に連ならないためにはどうするべきか。またそれは可能なのか。参院選での各政党、候補の考えを確認したいと思っている。

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