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558「テロに屈しない」を貫くには

テロを許してはならない。人類の共通理解であろう。少なくとも民主主義社会では。ではテロとはどのように定義されているのか。
外務省の分かりやすい(子ども向け)説明では次のようになっている。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/q_a/imi.html
(キッズ外務省)ちょっと知りたい言葉の意味!|外務省 (mofa.go.jp)

― 「テロ」とは、自分たちの考えを認めさせるために、ものをこわしたり、人々を傷つけたり殺したりして人々を 怖がらせることです。2001年9月11日にアメリカのニューヨークで起きたテロでは、武器を持ったテロリストが飛行機を乗っ取り、乗客を乗せたまま世界貿易センタービルなどに突入しました。このテロで、日本人を含む約3000人もの人が亡くなりました。また、2013年1月16日には、アルジェリアにある日系企業のガスプラント製造施設が武器を持ったテロリストに襲われ、日本人10名を含ふくむ40人が亡くなりました。さらに、2016年7月1日には、バングラデシュの首都ダッカ市内のレストランでテロが発生し、日本人7名を含む20人以上が亡くなりました。また、2019年4月21日にスリランカで発生した連続爆発テロ事件では、日本人1名を含む多数の死傷者が発生しました。 ―

わが国民も多数犠牲になっている。国内で起きた事例もある。オウム真理教による地下鉄サリン撒布は1995年 ( 平成 7年) 3月20日だった。14人が死亡している。いつもより早く出勤していたボクは時間的にドンピシャ。たまたま利用路線が違っていた。職場のテレビで事件を知り、背筋が凍ったものだ。首謀者の麻原彰晃(松本智津夫)一味13人が死刑になったけれど、それだけでいいのか。「アレフ」などと名前を変えれば、活動を続けていいのか。裁判所が命じた被害者への賠償金支払いはどうなったのか。
さらに悪質なのは北朝鮮政府機関による国民拉致。反省の素振りすら示さない。それでいて国連の人権会議などにも平気で参加している。安全保障ではロシアの侵略に賛同している。

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アメリカのCIAなど民主主義国の政府機関がこの種の行為をすればマスコミや政治家は大騒ぎになるだろう。大使館の焼き討ちも起きるだろう。ところが専制主義国の仕業だと静かなものだ。騒いでもテロを反省する声は期待できないのだから、運動しても意味がない。下手すると潜入している工作員から危害を加えられるかもしれない。騒がずにおくのが処世術だ。そういう議員や政党があるようでは、人権尊重の憲法が泣く。
テロの延長にロシアのウクライナ侵攻があり、さらに中国の恫喝外交がある。抗議しても相手にされない。かえって脅しを受ける。ならば「遺憾」の声明で国民向けのポーズだけにとどめておこう。そしてこれを「大人の外交」であるとする。あるいは「現実的対応」というらしい。
違うだろう。テロはテロである。実行者が麻原であろうが、金一族であろうが、プーチンであろうが、許せないものは許せないのである。相手によって戦法を変えることはあり得ても、正邪の判断を変えることがあってはならない。プーチンは核の先制使用やサリンガス噴霧などを匂わせている。
実施されるとまずいからプーチンの主張を半分受入るのが現実的対応だと説く者がいる。冗談ではない。狂人相手でも引いてはいけない。一度引けば、次はさらに要求を引き上げてくる。それこそが現実なのだ。そして最後にはやはり禁断の武器を使用する。ならば最初の段階で受けて立つ。これが現実的対応であろう。ロシア人の99.9%は核戦争したくない。サリンを撒きたくない。プーチンの家族もおそらくそのはずだ。

テレビの報道番組で戦後ウクライナの復興をどうするのかについて識者が意見を述べてきた。一人が「ロシアに払わせるべく各国が協調すべきです」と述べたところ、司会者が「あの国は払いませんよ」と仕切り、それで話題は別に移ってしまった。代償を払わなくてよいとしてしまえば、プーチンに倣う者を呼びおこすようなものだ。
悪行には代償が伴うことを分からせなければならない。昨夕の国会演説でゼレンスキー大統領は、「復興を仲間の国々に頼りたい」と述べた。ロシアに直接要求すると、対ロシア関係が未来永劫に悪くなりそうだからという配慮があるのだろう。
民主主義国がウクライナ復興を支援することは必要だ。そしてそのツケは国際社会がロシアにきっちりと払わせなければならない。以前から提案しているように、ロシアの資源地帯であるシベリア、カフカスなどを取り上げ、そこでの天然資源を国連(つまり国際社会)の共有資産とすることだ。

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