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565在留者管理 違法滞在と政治難民とは全く別物である

関心を引く新聞記事があった。
「韓国籍の女、昭和末期から不法滞在…パチンコ店で職務質問して発覚」
https://news.yahoo.co.jp/articles/397b33eec4aaa37fad9fd2e2c19a7cf5b36303f6
出入国管理及び難民認定法違反で静岡県警に逮捕されたのは、韓国人の姉妹で69歳と65歳。日本に渡航したときは合法資格であったようだが、姉は1987(昭和62)年7月から、妹は1995(平成7)年8月で在留資格が切れている。しかるにそれ以後もずっと国内に残留していた。姉は35年間、妹は22年間も発覚せずに、不法滞在していたことになる。かくも長期間、どのように潜伏していたのか。アンネ・フランクのように屋根裏に隠れていたのか。それをかくまったのはどういうグループか。
そういう憶測をしたくなるところだが、実際のところはどうだったのだろう。記事では「パチンコ店で2人に職務質問して容疑が発覚した」とある。パチンコで遊んでいて正体がばれたようだ。つまり堂々と人前で行動していたし、パチンコで遊ぶカネを持っていたことになる。まさかそのカネの出どころが生活保護などということは、法治国である以上あり得ないとは思いたいところだが。警察では二人の住所を発表しているから、居住権を主張するための身分証明に相当する書類を持っていたことになる。

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わが国には「出入国管理及び難民認定法」という法律がある。その目的は「本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」。「全ての外国人の在留の公正な管理」を求められている。
「日本人は無防備で優しく、しかも福祉措置が行きとどいているようだし、犯罪者にも甘いようだから、荒稼ぎに行って来よう」といった感覚での入国や在留を許さないというのが、法律の最低限の趣旨目的なのだ。これはどの国でも同じであり、「日本列島は日本人だけのものではない」などと本気で考えているのは、世界中でも宇宙人的思考感覚で知られるH元総理くらいのものだろう。

 気になってネットで検索してみた。すると摘発例だけでも、入国審査書類の偽造業者、在留資格継続のための偽造雇用証明作成業者などがある。また船底に密航者を潜ませて港に入ってくる船舶摘発例も多々ある。こうなると密入国者や不法滞在者の総数がいったいどのくらいの数になるのか、気になって仕方がない。
 
ウクライナでロシア軍の非道を逃れて国外脱出する者がすでに500万人とも言われ、今後も増えていく。ここで注意すべきは、こうした人は先の法律1条中の「難民」にあたり、密入国や不法滞在とはまったく法律上の位置づけが違うことである。難民の認定を受けることで、法によって保護すべき対象になるのだ。
ウクライナの隣国ポーランドなどでは難民の数が多くなり、自国経済に支障を来しつつあり、諸外国に受け入れ協力を打診している。わが国は民主主義陣営に属するのであるから、同じ民主主義国ウクライナからの難民の積極的受け入れを表明、実践する責任があると思う。そして受け入れ数が多くなれば、国内経済への影響が出てくることはポーランドなどと同じである。
ウクライナ難民を受け入れる余地を広げるためにも、今まで放置されていた(十分に手が回っていなかった)密入国、不法滞在者の摘発取締り、国外退去を急ぐ必要がある。「出入国管理及び難民認定法」の要請である。合法と違法をゴチャまぜにして、法をないがしろにしてはならない。

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