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587子孫に伝える名誉 ロシアの入国禁止措置

 岸田総理など63人に対するロシア政府の“褒章”が発表された。次は新聞記事のリード。産経新聞(5月5日)では「ロシア外務省は4日、日本の岸田文雄首相や林芳正外相ら主要閣僚のほか、産経新聞社などメディア、大学関係者ら計63人の入国を無期限で禁止する制裁を科すと発表した。ウクライナ侵攻に伴う対露制裁への報復とみられる。」
 今日は子どもの日。リストの人たちも子どもや孫と会っていることだろう。「おじいちゃん(おばあちゃん)、どうしてどうして名前が載っているの?」と問われたら、胸を張って答えることができるだろう。
「プーチンという人でなしのボスがロシアにいて、隣の国のウクライナに攻め込んで支配しようとした。その国の人たちは“暴力には屈しない”と押し返そうとしている。そうしたらプーチンとその手下の軍隊は、街にミサイルを撃ち込み、占領地では抵抗できない人たちを後ろ手に縛りあげて拷問して殺害している。世界の良識ある国々の指導者は、ロシアの好きにはさせないぞと連帯して抗議しウクライナに支援物資を送っている。プーチンと手下はその支援をやめろ。ウクライナに降伏するよう説得しろ。さもないと核兵器を使用するぞと脅している。そんな脅しにひるんだら、世界の平和は保てないし、日本国の憲法が宣言している人権尊重、民主主義の推進が絵空事になってしまう。“日本から遠い国ことだから放っておくべきだ”とか、“日本がプーチンの戦争に巻き込まれる危険がある”とか言う人も国内にいるけれど、ことは人類の道徳に関わることなのだ。学校でも習うだろう。正義をなすに躊躇するなと。いまがそのときだと、おじいちゃん(おばあちゃん)は考えたのだ」
 ということでリストに載っている人たちは、「人でなしの敵」、すなわち「正義の騎士」の称号を得たことになる。自国の天皇陛下による褒章にも勝る名誉だと考えてよい。ロシアが尻尾を巻いて降参すれば、制裁は取り消される。しかし悪のロシアの敵とみなされた名誉は、歴史的事実として消えることはないのだから。
 
 ウクライナに欧米諸国はロシア軍と戦う兵器を送っているが、なぜ日本はそうしないのか。非兵器の支援にとどめてもロシアは敵対者扱いにする。ウクライナは支援国の中に日本を含めない。危機の際での中立とか洞ヶ峠は、双方からコウモリ扱いされる危険が高い。右か左か(といっても日本国憲法に照らせば結論は明らかなのだが)旗幟鮮明するのが簡明であり、なおかつ「現在および将来の国民に対し(憲法97条の表現)、責任を果たすことになる。武器供与についても躊躇すべきではない。
 
 さてロシアの制裁リストにはどんな人が載っているのだろう。主要閣僚、高市早苗自民党政調会長、佐藤正久同党外交部会長…。プーチンの痛いところを突く言動をしているから当然の人選だろう。
そうした中、ボクとしては意外だったのは志位和を日本共産党委員長。日本共産党とロシアとの関係では、「ソ連=ロシアは太平洋戦争末期に中立条約違反のドサクサに対日参戦して千島列島や南樺太を奪い、今も居座っている」との指摘を続けていることが特筆される。歴史を改竄しているロシアには耳が痛いというのが理由だとすれば、日本共産党には国内での名誉回と今後の運動方針の参考になっただろうか。
団体として北方領土対策協会、北方領土復帰期成同盟、千島歯舞諸島居住者連盟の代表が並んでいる。ソ連=ロシアの蛮行がなければ、これらの団体はできていない。ロシアとはそういう国、普通の話し合いでの解決はできないことが明らかになった。
名だたる有力政治家が名を連ねる中、漏れている者もいる。鈴木宗男議員の名がないのは想像できるが、茂木敏充自民党幹事長は前外相でもあるのにリストに見当たらない。なぜだろう。名簿を100人にすれば載るのか、それでも候補にならないのか。
経済界では経済同友会会長のみで経団連のほか、名だたる企業トップの名前は載っていない。ロシアへの経済制裁が日本企業はまだまだ本気でないということか。企業内での反省点になることだろう。主要マスメディアの代表では、読売、日経、産経は並んでいるが、朝日、毎日はなかった。単純な選考ミスではないはずだ。
「自分はどうして載っていないのか?」。そう思う人はほかにも多数いるだろう。政府は「ロシアへの入国禁止措置は受け入れられない」などと情けないコメントしないで、「日本は希望者がたくんいるよ。これらの人は載せなくていいのか」と追加名簿リスト案(もちろん当人からの希望同意を確認する)をクレムリンに送りつけてはどうでしょうか。

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