2023年を振り返って

 2023年がいつ始まったかもはや覚えていない。たしか1年前に始まったはずだが、そうでない気もする。知る限り一番古い記憶は2月5日のことで、この日の夜遅くに電話がかかって来て、それで新しい1年が始まった。幸福な1年だったが、9月の末頃に終わって、その1週間後に新年を迎えた。ちょうど月が美しい季節だった。だから2023年がいつ始まったかなんてわかりようもない。
 大晦日の明け方は街も駅も人はまばらで、労働に出かけるのはもしかしたら僕だけかもしれないと言う風な錯覚を起こしたが、世界に目を向ければみんな働いている。でももちろん僕が働くのはいつも通りなんかではなく、29日から1月3日までは年末年始手当が出るのだ。1日辺り5千円。だからこの時期は喜ばしい。そう言えば1年前の年末年始も同じように6日間働き続けた。あれも今思うと1年の終わりだったかもしれない。
 それから、今年はもう一回ほど終わっている気がするのだが、いくら考えても思い出せないから、恐らく一番新しいものは9月ということになる。新年なんて1年ぶりに迎えるからものすごい久しぶりに感じる。でも今朝起きて歩いた感じだと、今年で一番良い年末のように思えた。だからそれでいい。

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