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中山道『赤坂宿』の今 立派な古民家もある街並みの横にはふしぎな茶舗もありました。

江戸と京都を結んだ五街道の一つ中山道の美濃16宿、その西から四番目の「赤坂宿」を訪ねました。石灰岩、大理石の採掘が盛んに行われている金生山(赤坂山)のふもとにある赤坂宿は大きな宿場で、宿場時代を感じることのできる街並みが広がっています。

卯建のある民家の街並み

民家の卯建
長い街並み

赤坂宿は西国33所巡りの33番目の満願霊場美濃国谷汲山華厳寺(谷汲山)へ向かう巡礼街道の起点であり、養老街道・伊勢街道へとつながる赤坂街道の起点であり、杭瀬川を使った河川舟運のための赤坂港があるといった交通の要所でした。大きな宿場街です。古民家と言った風情ではない普通の民家にも|卯建《うだつ》があり、卯建のある民家が続く長い街並みが今もあります。

街道の辻

中山道と赤坂街道
赤坂街道

中山道と谷汲巡礼街道・赤坂街道の辻には今も黒壁の立派な古民家が建ち並んでいます。文久元年(1861年)、皇女和宮が降嫁の途上で赤坂宿に宿泊した際に、これに備えた「お嫁入り普請」(家の建替えや新築)が行われたため、今でも立派な古民家が点在しています。上の写真の左手の辻が大垣を経由して養老街道につながる赤坂街道で、写真に写っていない反対側が谷汲巡礼街道の起点になります。

赤坂港

赤坂港跡
旧杭瀬川

赤坂港跡は今は小さな公園として整備されています。現在は杭瀬川本流から切り離されている赤坂港跡の川は鯉が泳ぐ小川で、河川舟運を想像することはできません。公園内には赤坂港会館があり、赤坂宿や赤坂港の資料や金生山の化石資料などを見ることができます。金生山は化石も有名で、近くには金生山化石館もあります。日本で最初に発見された化石(シュードフズリナ・ジャポニカ)が金生山の石灰岩から発見されたことから、金生山は「日本の化石研究発祥の地」とも呼ばれるています。なお、赤坂の地名が入っている巨大二枚貝の化石「シカマイア・アカサカエンシス」の実物化石と実物大復元模型が福井県立恐竜博物館に展示されています。

ふしぎなお店

JR美濃赤坂線と西濃鉄道
駅ではありません

美濃赤坂線(大垣駅-美濃赤坂駅)はJR東海道本線の支線で、石灰岩・大理石の輸送を目的として1919年に開業し、1928年に開業した西濃鉄道(貨物線)に接続しています。旧中山道の市道との踏切近くにふしぎなお店がありました。「かずさや茶舗」という茶葉・茶道具のお店です。入り口が西濃鉄道の線路を越えたところにあって、アプローチは線路を越えていくしかないお店です。西濃鉄道ができる前からある老舗のようです。貨物列車が通過する様子の写真が「かずさや茶舗の謎 - USO800鉄道BLOG」に掲載されています。

宿場町と言うだけでなく、露天掘り鉱山の街(露天掘りでその姿が日々変化していく金生山の散策も楽しそう)、河川舟運の港町(杭瀬川本流は6月になると蛍が乱舞しています)、化石の街、赤坂は色々な姿を持っていました。

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