私は勉強をする|#未来のためにできること
朝起きて仕事に行き、夜遅くに帰宅して寝るだけの生活をしていた。
明るい未来なんて私にはなかった。むしろこの生活をこれから何十年も続ける必要があるなら、未来なんかいらなかった。
早く現在を終えたかった。明るい未来を追求する元気もなかった。
仕事がとにかくつらかった。
毎日業務に追われていた。
お客様対応にびくびくしていた。外線が怖い。メールも怖い。
納品した。お客様から質問が来た。わからない。
だけど何をどうすればわかるようになるのかわからなかった。毎回確認をしてもらっている先輩や上司に「まだこんなこともわからないのか」と呆れられるのも怖かった。
きちんとお客様対応ができず、クレームが来たらどうしよう、と毎日不安だった。
わからないの積み重ねの上に、私の仕事があった。
そんな仕事をこの先ずっとしていくのかと考えると、不安で仕方がなかった。
まだ経験が浅い今なら「わかっていませんでしたごめんなさい」で済むけれど、そのうち取り返しがつかないことになりそうだ、と薄々感じていた。
私は卑怯なので不安から逃げた。仕事を辞めた。
少し、余裕ができた。
周りを見て考える時間ができた。
世の中には必要以上に不安を煽る人がいることに気が付いた。
でも、正しい知識を持っていれば、そこまで不安になる必要がないことはわかっていた。
私は大学で地学を学んでいた。
だからというわけではないが、今の技術で地震予知ができないことは知っている。見慣れない形をした雲は地震の前兆だ、とかそんなの鼻で笑うレベルである(とても失礼だが、必要以上に不安を煽る人間は嫌いなので鼻で笑わせていただく)
なのでSNSで雲の写真を上げて怖がっている人々を見て、なんで怖いんだろうと不思議に思っていた。
そしてふと気が付いた。
変な形の雲は地震の前兆ではないという知識があれば、SNSでよく見る人々のように、見慣れない形の雲を見るたびに不安な気持ちにならなくていいのだと。
そうか、ちゃんと知識をつけていれば、仕事をしていても不安にならなかったのではないか。お客様対応が怖くならなかったのではないか。
いらないと言っても避けられない未来。もう不安でいっぱいにしたくない。
未来を明るくするために、私には知識が必要だ。もっともっと勉強しなければ。
私は、明るい未来を切り開くために勉強をする。
そして、その勉強はきっと、自分以外の未来を明るくするのにも役に立つと信じている。
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