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誰もが知っておきたい経営分析入門

経営の基本と仕事の進め方 研修(2022年2月16日)より抜粋記事

「経営」と聞くと、多くの人は「自分には関係ないこと」「経営層や管理職の話でしょ」と思うのではないでしょうか。実はこれは誤解です。「経営」とは事業を営むこと。また、その運営のための仕組みのことです。つまり、会社の中で仕事をしている以上、ほとんどの人が経営に関わっていて、経営に影響力を持っています。

「経営」を考えるメリット

一人ひとりの従業員が「経営」の視点を持っていればいるほど、他責ではなく自責で責任感を持って働く人が増えますし、社内の空気感もより良く変わっていきます。なるべく経費であるコストを下げようと努力しますし、作業についても昨日よりも今日のほうがよりうまく、短い時間でできないかを考えていきます。そうすると、会社の売上げ、利益も上がりやすくなり、結果的に働きやすい環境や福利厚生がよくなったり、ベースの給与がアップしたりしていくはずです。

今回はその「経営」について誰でも知っておいて欲しいことや経営分析するうえでの基礎・基本的なところを抜粋します。ぜひ自社を思い浮かべながら読み進めてみてください。

経営分析のこれだけは「現状」と「ありたい姿」

経営分析するうえで、まず把握しなくてはいけないものは、「現状」と「会社のありたい姿」です。今、皆さんの会社の「現状」はどうでしょうか?良い方向に向かってますか?悪い方向でしょうか?

「現状」を知るうえで、おさえたい観点が4つあります。①財務、②顧客(商品)、③業務(プロセス)、④人材です。

  1. 財務の状況はどうでしょう?短期、中長期、それぞれキャッシュ(現金)などの資金の問題はありませんでしょうか?

  2. 顧客(商品)はどうなっていますか?顧客は増えてきていますか?顧客から見て魅力的で選ばれる商品・サービスになっているでしょうか?

  3. 業務(プロセス)はどうでしょう?過不足ない業務プロセスになっているでしょうか?また、改善・改革を続けていますか?

  4. 人材はどうでしょう?適材適所で一人ひとりの強みを活かす職場になっているでしょうか?

以上のように、この4つの観点を意識して「現状」を考えるだけで、会社の経営状況はかなり見えてきます。

次に「会社のありたい姿」を考えます。会社としてどの方向に向かっているのか?何を達成したいのか?会社の存在目的は?
このどう「ありたいのか?」がなければ、企業の課題は明確になりません。なぜなら「課題」というのは、「現状」と「ありたい姿」のギャップだからです。極端なことを言えば、「ギャップがなければ課題はない」とも言えるわけです。そんな企業はないとは思いますが、企業の課題を明確にしようと思ったら「現状」と「ありたい姿」をまずは明確にしなくてはならない、ということです。

会社の「課題」について「解決策」を出すその前に

では、会社の課題が見えてきたとして、それをどのように解決に結び付けていくのかを考えみたいと思います。

会社の現状を調べると「商品が売れない」「店舗に客が来ない」など様々なことが出てくると思います。ここで大切なことは、ここから安易に課題解決のための手段や方法論を考えない、ということです。「商品が売れないのなら、商品情報を増やすためにランディングページをつくろう」とか「店舗に客が来ないなら、知ってもらうための広告を出稿しよう」などとすぐ解決策に飛びつかないようにして欲しいということです。

ここで重要なことは「本当に解くべき課題は何なのか?」を徹底的に考えることです。課題は例えるなら「根っこ」のようなものです。一生懸命に問題と思う枝や葉っぱを落としたところで、根っこが残っていたらまた枝や葉っぱは生えてきます。課題も一緒で「根本的な課題」といえる根っこに当たるものを対処しなければ課題はなくならず、もぐら叩きのような状態になってしまいます。中小企業であればなおさら資本や体力が限られるので、課題解決に直結しないことにお金と時間をかけるわけにはいきません。ですから、まずは見えている現状や課題に対して「本当の課題は何なのか?」「なぜこの課題が生まれているのか?」と徹底的に深掘りをして根本的な課題を見つけることが必要です。そして、その「根本的な真の課題」が見えた段階で「その課題を解決するのはどうしたらいいか?」と考えるわけです。

以上、「経営」を常に意識して仕事するためには、「現状」と「ありたい姿」、その間のギャップをおさえ、課題については「根本的な真の課題」まで明確したうえで「解決策」を考える、というポイントを覚えておいてもらえると日々の仕事のやり方や自身の成長角度も変わると思います。参考になれば幸いです。


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