I LOVE YOU

朽ちて消えゆく運命を
呪ったところで何になろうか
生まれたものは必ず死を迎える
ただそれだけのことだけだ
残り時間を少ないと思うか
まだまだあると思うかは自分次第
だと思っていた

新たに生まれた命は
時計のように時を刻み始めた
0歳・1歳・2歳・3歳・4歳
蝶が変態するが如く
忘れられない姿をその瞬間瞬間に見せる
5年前の自分と今の自分は同じ姿
でも彼女は変わり続ける
少なくとも20年は
今この瞬間は二度と巡らない季節のようだ

僕の残り時間のカウントダウンは
彼女の誕生とともに始まった
僕は彼女の成長を変化を進化を
どこまで見届けることができるのか
抱きしめる身体も
毎日変わり続ける
あと何年かすれば
抱きしめられることにさえ
彼女は躊躇うだろう
そう、それを僕は見たいだけなのだから

愛という言葉は簡単すぎる
僕の思いの複雑系は
今日もまた絡み絡んでほどけなくなっている
ほどこうとせずに
そのまま化石になってしまって
何億年も先の未来の誰かに
僕の思いを感じてもらえたら
こんな父がいたということを
こんな素晴らしい娘がいたということを

全ては私的な思いである
だから僕はこの思いを隠さずに
伝え続けよう
意味はない
ただそうしたいだけなんだ
いつか彼女が同じ思いを抱いた時に
僕のことを知り
寂しくなくなれば
それでいい

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