SIM搭載端末を導入してみた話

この数日、勤怠マニュアルを作成する為に色々な場所でパソコンとにらめっこしていたいとぅです。ちょっと息抜きもしたくなってきましたので、本日は最近やっと導入できたSIM搭載端末について語ってみたいと思います。

仕込み

実は仕込み自体は4年前から始めていました。弊社の場合、リプレイスが4年スパンで半分ずつ(一部例外あり)の交換サイクルを取っていましたのでSIM利用可能者、使用不能者による格差を無くすためです。
社内政治的にもこの考え方は非常に重要でした。やはりアイツは出来るのに自分は出来ない(しかもそれは内的要因ではなく外的要因)ってのは結構遺恨を残します。全てを皆仲良くお手々繋いでとはいかないのが会社ですが、できるだけ外的要因による格差ってのは撤廃したほうが良いと思います。

仕込みで思ったこと

4年間の仕込みで思った事はSIM搭載端末は原則受注生産品が多く、納期との戦いになるということです。リプレイスみたいな大型入れ替えの時は色々計画を立てて実施されますので全然問題ないのですが、中途入社など突発的な増員に対してどれだけ在庫を持つか(それを経営側にも必要コストとして理解いただくか)を考える必要が出てきます。
また、都度購入のときに比べると購入ベンダーとの付き合い方、選定方法も変わってきます。自分の場合はLet'sNoteを利用していますが、ある程度生産ラインと会話のできる営業さん(またはそのレベルの営業を担げる総合ベンダー)を選定では重視しました。
そんなコネクション無いよ!と言われる方もいると思いますが、たまに直でアポ電かけてくるメーカー営業を蔑ろにしない、IT-EXPOみたいな大型の商談会でメーカーブースで名刺交換しておく等、やり方はいくらでもあります(あまり声をかけちゃうと商談が無いときは訪問が申し訳なくなりますが)
結果論ではありますがそういう営業&ベンダーさんとお付き合いできるようになると結果購入コストはお安くなっていくという知見も得ることが出来ました。正直、数年前まで無駄に購入費用払っていたなと後悔するレベルで…。他所のお話を聞くとさらに驚きの価格で仕入れている事もあるようなので自分の交渉はまだまだだと思わされますが…。

仕込み完了時で想定外の指摘が…

勘の良い方であれば「2年スパンなら2年で全てSIM搭載機にできたんじゃね?」と思われると思います。実際その通りでしてSIM搭載端末自体は2年後に全て入替が完了しています。その際に上層部より今更ながらの指摘が飛んできたのです。

いとぅ:一般利用者のSIM端末へのリプレイスが完了いたしました。
    そろそろ全員の端末をSIM入れて運用しましょう!
上層部:うーん…資料を見ると通信費が上がるようだけど
いとぅ:はい…(やばい空気だな…)iPhoneも含めて1.5倍程度には…
上層部:そうだよね…だったら今まで通りテザリングでよくね?
いとぅ:(そうきたかぁ…)

まぁコストの指摘は当然経営側としては当然の指摘ですが、SIM搭載端末仕込み時に解決済みというスタンスの情シス側と、この2年の間で再考すべきと考えが変わった経営側のギャップが鮮明に出てしまいました。
仕込みに時間をかけてしまう事で発生する最大のデメリットですね。後はこの時いとぅがほぼ一人情シスという事でまともに各方面へ働きかけが出来なかったのも大きな敗因だったかもしれません。

仕切り直し

何にせよ、関連社員全てに餌(SIM搭載端末)は撒き終えていますので後はどうやってSIM普及を経営側に理解いただくかの勝負です。
搦手抜きで考えると正攻法は2つ

①コストを掛ける価値があると経営側に理解いただく
②現状の通信コストとほぼ同等でSIMを導入する

②は正直、現行の相対契約を見直した所で難しいとキャリアとの交渉の中でも感じましたので、携帯側のコスト交渉をしつつ上昇分については①の戦略で進めていく事にしました。

仕切り直しで行った作戦

正直、前回の指摘で資料とか費用対効果を紙面上で行っても無理と考えましたので非常にシンプルかつ確実な方法で攻めることにしました。

決裁権のある人とその周辺に実際に使ってもらいそれ無しでは生きていけない身体になってもらう作戦です。
※時期的に非常にマズイ表現ですが…w

作戦は超シンプル、営業組織の役員にまずは無償でのトライアル利用、その次に社内決裁が通りやすいレベルでスモールスタートを提案。キーマンクラスが利便性から離れなれない状況になってもらった所でトライアル切り上げか全社導入かを判断してもらうというものです。
結果から言うと「こうかはばつぐんだ!」でした。
彼らの業務の中にPCを立ち上げてすぐに通信できるスタイルはトライアルの2ヶ月でしっかり確立してくれていました。やはり人間、判りやすく便利なものはすぐに浸透して離れなれなくなるものらしいです。
また、トライアルメンバーもこの件は非常に友好的に情報を提供してくれました。営業に使ってもらって判った部分として、テザリングは一度iPhoneを介する事により携帯依存での接続トラブルが完全に払拭できていないという事がわかりました。ITリテラシーの高い社員でさえも重要なプレゼン直前でトラブルとなかなかその場で即改善は難しく、SIMによる機会損益の効果についても色々と情報を頂くことが出来たのです。

経営層を説得し、稟議へ!

ここまで来ると正直勝ち確な気もするのですが、ここで油断して再度コスト問題だけにフォーカスされても良くないので、通信キャリア側に再度コスト削減の申し入れを行います。
結果として僅かではありますが携帯側のコストを削減し、SIMもまとめて契約したからこそこのコストになったという説得資料を作成する事ができました。経営層としても一応交渉しているよという事実があるのと無いのでは心象的にも違いますのでこの交渉はやって正解だったかなと考えています。

稟議提出!さて実施だ!

一度利便性を味わってしまったキーマン達は今更無い生活には戻れないと今回の稟議に対しそれぞれが猛アピールをしてくれたお陰で長かったSIM導入作戦も無事稟議を決裁頂く所まで漕ぎ着けました。
さて!実施だ!となる時に気を付けてほしいのがAPN設定です。
これが思ったよりも厄介で、リテラシーが低い人は設定画面を見ること自体がアレルギーであるという事を覚えておくべきだと痛感しました。
結局、自分の場合は導入を半月伸ばしてバッチファイルによる設定の自動化で対応を行いました。流石にバッチファイルのダブルクリックで躓くユーザはほぼおらず、導入もそれなりにスムーズに進んでいます。

で、導入してどうなりましたか…?(小声)

現在、まだ残りの端末のリプレイス途中で完全導入まではもう少しかかる状況ですが、導入済の社員の声は非常にポジティブな意見ばかりです。

・接続のストレスから解放された
→とにかく電源さえ立ち上げれば仕事できるという行為がこれだけストレスフリーとは思わなかった。
・出張の移動でネットが切れなくなった
→テザリングだと回線不安定が即接続不良に繋がっていたらしい
・リモートワークに会社が本気になったと感じた
→正直口だけだと思っていたが、本気度を感じる事ができた
・安定性が段違い
→客先でのプレゼン時に即座に資料が探せる喜び(原文ママ)

ここまでポジティブな意見しかなかったのはスマートフォン導入以来だった気がします。システム屋的にはテザリングと何が違うの?と言いたくなるところですが、端末を立ち上げて、すぐにネットに繋がる快適さはITに疎い人ほど抜群な効果があるようです。

導入をしてみての感想

何か後半はグダグダな文章になってしまいましたが、ここ数年の間では感謝しかされないIT導入プロジェクトは久しぶりかもしれません。
コストについても今後の在宅勤務制度の導入やBCP対策などコスト理解を求める要素も色々ありますので推進もしやすい分野ではないかなと。
そして何よりも便利です、これは使ってみれば必ず実感できます。

また加筆をしようとは思いますが一旦今回はここまでで。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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