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『PUI PUIモルカー』6話はすばらしいゾンビもの。だって○○○がゾンビ化しちゃうんですよ!?

※TVアニメ『PUI PUIモルカー』第6話「ゾンビとランチ」のネタバレがあります。

もはやすっかりおなじみになった「ゾンビ」ですが、なじみすぎて逆に飽きているところもありますよね。「死んだ人が動く」だとか「噛まれると感染する」なんてものすごい怖い話なのに、だいぶカジュアルになっているように思います。

いや、カジュアルになること自体はいいのです。とはいえ、「ゾンビもので死が身近にある世界なのに主役級のキャラクターはぜんぜん死にそうにない」シチュエーションとか、「ゾンビを題材にしてるけどぶっちゃけゾンビ関係ない」みたいな作品を見るとムッとなるのも正直なところでして。

いま人気のアニメ『PUI PUIモルカー』でゾンビ回があると知ったとき、「いったいどうなってしまうんだろう……」と不安になったものの、いざ見てみたらこれがもう“ゾンビをはじめて知ったときの衝撃”が含まれているナイスなできばえだったわけです。

◆6話「ゾンビとランチ」の衝撃的な展開

なぜか車になっているモルモット「モルカー」たちが、第6話ではなんとゾンビとおいかけっこします。そしてこれまたゾンビ映画のように武装してゾンビを返り討ちにしようとするのですが、そこからなんと事態はハンバーガーの奪い合いに発展!

画像1▲画像はTVアニメ「PUI PUIモルカー」第6話 ゾンビとランチ - YouTubeより

なんだかんだでハンバーガーを分け合うことに成功したものの、うっかりゾンビが白いモルカー(シロモ)を噛んでしまい……。かわいいモルカーがまさかのゾンビ化!

しかもゾンビ化したからといって何か解決するわけでもなく、肉が大好きになってまたもやゾンビとおいかけっこ。最終的には「プイ!」とジャンプしてなんとなく終わる強引なオチなのでした。

かわいいモルカーがガトリングガンで武装するだけでも驚くのに、おまけにゾンビ化して、最終的にはうやむやにするオチ。特に衝撃的な話でした。

◆ゾンビの恐怖・絶望をモルカーのかわいらしさでコーティング

画像2▲画像はTVアニメ「PUI PUIモルカー」第6話 ゾンビとランチ - YouTubeより

ただ、これ「ゾンビもの」という観点から見るとすごいよくできています。まず、モルカーにガトリングガンを組み合わせると、ギャップでかわいらしさがより引き立ちます。美形の俳優も物騒な獲物を持つと引き立ちますよね。

そしてモルカーが、しかも主役級のシロモが、ゾンビ化してしまうのも素晴らしい。だってふつう、かわいいモルカーがゾンビ化するとは思わないでしょう!? でもゾンビ化しちゃう。これ、ゾンビの恐怖に沿っているわけですよ。

前述のように、ゾンビもののよさのひとつは「噛まれると感染してしまう」という恐怖です。「こんなにかわいいモルカーがまさか、マジでゾンビになってしまうの!?」という驚きは、「あの愛しい人がまさかゾンビになってしまう!」だとか「動く死体をはじめて見たとき」の衝撃に近いものがあるのです。

そして最後の投げっぱなしオチ。強引な終わり方にも見えますが、ゾンビものとして考えるとこれでいいんですよね。ゾンビウイルスが流行った世界なんてどうせ滅びますし、ゾンビになっちゃったらもうどうしようもないからこそ、恐ろしい。この世の終末こそがゾンビもののオチなのです。

何より、子供向けアニメという自分の立ち位置を忘れていないのもいい。ゾンビらしくあり、しかしながら『PUI PUIモルカー』という作品の魅力である「モルカーがかわいい」ところもおさえており、こりゃよくできてんな~、流行る素養があるわけだわ、と感心して何度も見ています。

▲Amazon Primeなど各種サービスで全話見れますよ。

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