新時代の財務諸表では計上できない資産

皆さんは財務諸表で計上できない資産というと詳しい方ならのれんが思い浮かぶのでは無いでしょうか。

これまでは企業価値は財務諸表から読み取ったこととそれに基づく予測によって企業価値が計算され株式市場で会社の切り売りがなされておりました。

情報革命の昨今、のれんだけではなくまた新しくも強力で計測不能な資産が誕生しました。
それは「情報」です。

2014年、Facebookは年商20億円しかないメッセンジャーアプリ「What`sApp」を2兆円で買収しました。
この買収を財務諸表の観点から捉えようとしても本質を見ることはできません。

Facebook率いるマーク・ザッカーバーグが目を付けたのは世界4億人のコミュニケーションを支えるWhat`sAppのインフラです。

What`sAppが持つユーザーとその属性情報はFacebookからすれば金鉱で、少しテコ入れすれば資本へ簡単に変換することが可能です。

他のITジャイアントであるAmazonやGoogle、Appleも同様でこれらの企業はプラットフォーマーとして検索エンジンやスマートフォン、Youtubeなどから収集したユーザー情報を蓄積しており広告システムから好きなように収益をあげることができます。

財務諸表ではこのようなコンピューターに蓄積されたデータを資産として計上することは今後も不可能です。

銀行は貨幣、不動産会社は不動産、証券会社は証券という資産を扱い商売をしておりましたが、IT企業は情報を資産として扱っております。

今や米国の巨大IT企業が世界中を食い荒らし、世界各地でIT企業が既存のビジネスモデルを変えて市場を侵食している状況です。

既存市場に侵食してきているIT企業に対抗する為にも情報をどのように収集し、活用するのかを検討していく必要があるでしょう。

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