煙と重ねて

ゆらゆらと煙草の煙が自然と消えて行く
ふとその様を抜け殻になった僕の前から消えた君と重ねた
そして去る君を全力で引き止めれば変わったかな?等と馬鹿な事を思う

だって煙草の煙が舞うのを捕まえようとかき集めても腕は空を切るだけで時間が経てばそのまま消えてしまうでしょ?
それと同じで何処か掴みどころのない君を上手く自分の元に引き止める術は僕はなかったから


全力で君を愛してたのは僕の勘違いで
きっと君の気持ちも考える余裕もないくらい夢中だったから
愛 を伝えられてなく
我 を押し付けて
結局は君を追い詰めてしまった
僕と君の心の距離も自然と離れて行ってたんだろう


そう頭では理解してるのにいつまでも君を想ってしまう女々しい僕が居る
だって君の居なくなった部屋は温度もなく
ただ別れの日から抜け殻になってしまった僕とって仕事した後に帰って寝るだけの部屋


煙草を吸いながら煙がゆらゆらとあがってる様を見て心の何処かで君を待ってる自分が居て
何故だかわからないけれど煙草の煙が目に染みたのか涙がこぼれ落ちた

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