意識について その2

ヒトの意識は眠りと覚醒を繰り返す。
眠りのとき、脳は眠っていない。
脳は常に目覚めて、24時間休みなく働く。
睡眠時の脳は、蓄えた情報の整理に忙しい。
時に映像の夢となる。

目覚めは一瞬で完成する。
心身は一瞬でスタンバイ。
まるでスタートを待っていたように準備万端。

これも脳が眠っていないから。

ノンレム睡眠中、筋肉系の緊張は低下。
しかし、
覚醒時、筋肉・運動系は一定の緊張が保たれている。
いつでも動ける状態でスタンバイ。

成人の人体で過度の緊張は異常。
過度の緊張は円滑な動きを妨げる。

吃音者が話すときが典型。

赤子が行動を学んでいるとき、
筋肉系は各部がバラバラの状態から、
まとまりある行動へと統合される。

行動が完成すると、不要な緊張はなくなる。

例えば、自転車の練習。
最初は何度も転ぶが、すぐに慣れてくる。
慣れると、一連の動作が自動的に行われる。
もはや、意識にのぼることもない。
筋肉系の緊張はなくなり、
自然に行えるようになる。

人の成長とは、
このように緊張がなくなっていくこと。

私の吃音体験は約40年。
吃音が治り、一番感動したのは、
しゃべりながら、同時に平行的に考えられること。
次に何をしゃべるか、考えられる。

吃音者は、普通、これができない。
しゃべること、口から声や言葉を出すことに全エネルギーを使う。
何をしゃべるのかは、二の次になる。

従って、前もって予定していたことの10%しか話せない。
口から言葉を出すのが精一杯。

それさえも、うまくできない。

続く

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