意識について その3

人の認識は、どういう過程を経て生じるのだろうか。

例えば、あるパターンを見ると、
人の顔に見える。
人の顔の認識には、このような決まったパターンの認識がある。

このパターン認識が、経験によって積み重なる
これが人の知性や言語のもとになっている。

例えば、私たちが見る外界の世界に、
直線も円もない、勿論、三角形もない。
人の認識が、それを創り出す。

数字も数もないのが外界。
しかし、人は数をつくる。

無から、意味や概念をつくるのが人の知性。

人は母親の胎内で誕生し、
感覚器官が少しづつ完成していく。
その過程で、多くの経験をする。

その経験は、身体と脳に蓄えられる。
記憶は、安定した神経系のネットワークの形成。

胎内にいるときも、外界の音刺激がある。
母の心音などが体験になる。
指しゃぶりが始まり、唇の感覚も生じる。

母の胎内から出て、
呼吸が始まり、乳を飲むようになる。
目もうっすらと見える。

まだ、形や色も識別できないが。
経験が増えるにつれて、
見える外界が明確になっていく。
感じる世界が豊かになっていく。

人が生きていくのに、一番重要な感覚である快感。
この快感は、母親との肌の接触や乳を飲む感覚から育っていく。
もし、子供が機械で育てられるなら、快感は育たない。従って、生きるという楽しみが味わえない子となる。

生後の体験で、線や形や色もはっきりしてくる。
そして、概念形成のもとになるイメージが生まれる。

冷たいという感覚を取り上げても、
全身の感覚神経のネットワークが関連している。

乳児の場合は、痛いという感覚との分離もできていないだろう。
全身の感じる場所が違えば、わずかに神経系の反応も違う。
繰り返し経験することで、冷たいという感覚が出来上がっていく。
感覚やイメージの形成は、経験の積み重ねで決まる。

全ての体験に、感覚神経と運動神経と脳中枢が複雑に関係している。
経験を積み重ね、冷たいという感覚が明確になっていく。

続く

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