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(3)自己負担の上限額、どうやって決まるの?

今日は、前回の宣言通り、高額療養費制度にもうちょっと深入りしていきたいと思います。はじめに、適用区分表を紹介して、次に、大切な考え方を図で説明していきます。

適用区分表には、みなさんそれぞれの自己負担の上限額が書いてあります。この表をみれば、自分の医療費の支払い上限額を知ることができます。

この表は、まず「69歳以下」と「70歳以上」という年齢により2つの表に分かれています。そして、それぞれ所得により細分化された構成になっています。

ただ、この適用区分は、少子高齢化などの社会情勢で今後も見直しされますので、細かく覚えておく必要はないです。
また、計算式が一見複雑なようですが、だいたい【赤枠の数字】自己負担の上限額と考えていいと思います。

正確には、ここに、保険適用の医療費総額の1%弱が上乗せされますが、69歳以下の適用区分【ウ】の方でも、医療費300万円でも、
2万7330円の上乗せくらいです。

【69歳以下の方】

【70歳以上の方】 外来枠が設けられている違いがあります。

自己負担の上限、だいたい見当がつきましたか?

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実は、ここからが今日の本題です。

夫:「上限額以上の支払がないなら安心だね!」

妻:「じゃあ貯金はそんなに必要ないかしら」

とはならないのです!!

と言うのも、高額療養費の支給対象(計算)に含まれないものがあるからです。

もうすこし具体的にみていきます。(下図)

胃がんで入院したAさん。
100万円の医療費は、高額療養費の制度の恩恵を受け、最終的に、緑の自己負担上限額の8万円まで安くなりました。
これで終わればもう最高なんですが、そうは問屋が卸さない!

ここに、個室のベッド代入院中の食事代が上乗せされます。
最終的にAさんの胃がんの治療には、約23万円かかりました。

このように、実際に支払うお金は、治療内容や入院日数により、この適用区分表の自己負担の上限額を大幅に超えることがあります。
この点を整理しておけると、がん治療へのお金の備えのヒントになろうかと思います。


ちなみに、差額ベッド代は、各病院で料金の設定ができます。
厚生労働省のデータによれば、1日あたりの差額ベッド代の平均額は約6000円~7000円です。
そして最高額は、なんと約36万円!!
旅館のように1泊2日料金ではないですよ。
1日あたりです!!  ←これ大事(トラブル多発地帯)

1日10万円以上する豪華な病室が、全国に34室くらいあるそうです。見るだけなら無料なので載せておきます。







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