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(2)申請の準備

前回、高額療養費制度の大枠についてお伝えしました。
今回から複数回、この制度を利用するにあたり、もうすこし知っておいてほしい事(ルール)をまとめていきます。

ただ、「今は、制度の詳細までは知らなくてもいいかな」という方もいると思いますので、まずは、実用的なお役立ち情報を2つだけお伝えできればと。

①今日からできる準備は?
病院や薬局にかかった際の「領収書」は、捨てずにとっておいてください。
自分の分だけでなく、家族の分も。
できれば、各人で分けて保管しておくことをお勧めします。私は、こんな感じでクリップで分けて保管しています。
余裕のある方は、日付順に整理しておくと、後々、楽ですよ。


②申請期限について
この制度の時効は2年です。
つまり、2年前に病院で支払ったお金までさかのぼって、高額療養費の申請ができます。
病気やケガの治療が落ち着いた段階で十分に間に合いますので、焦らず、諦めず、忘れずです。

病気やケガは、突然、予期せずやってきます。そのため、普段から、その年度分の領収書は、整理整頓はしておくといいでしょう。
そうしておくと、高額療養費の申請だけでなく、医療費控除でも使えますし、また、健康管理面でも、いつ、どこの病院で、どんな治療を受けたのか把握しやすくなります。
意外と過去の受診歴(既往歴)は、思い出せないものです。

次回は「適用区分」についてお伝えします。次からは、ちょっと複雑な内容になりますので、「とりあえず、領収書だけまとめておくか!!」で、次回以降の高額療養費制度の説明は、スルーしてもらっても構いません。

なぜかというと、高額療養費制度のルールは、実に複雑になっているからです。

・上限額の設定は、みんな一律ではなく、年齢や年収により細分化されている。
  
・そして、窓口で支払った金額のすべてが、この高額療養費の対象になるわけではないので選別が必要になる。

・さらに、自分と妻など他の家族の医療費を合計して申請できる場合がある。

・その上、改正されます。直近では、平成30年に窓口負担の上限額が引き上げられて、自己負担額が増えました。

という具合です。「おっ!知りたい」って思った方は、次回も是非読んでください。

余談ですが、私が社労士の試験勉強中によく思ったことなんですが、社会保障制度には、「なぜこんな複雑なルールにしたんだ??」と不思議に感じる内容がけっこうあります。医療保険だけでなく、介護保険、労災保険、雇用保険、年金制度もしかり。

社会保障(制度)は、実のところ、私たちの生活に、もっと言えば人生に、すごく影響するものなのに、なぜか遠い存在です。
確かにとっつきにくい側面があることは否めませんが、ただそれ以上に知る価値があるものです。
これからの日本では、間違いなく、社会保障は大きな変革を迫らせます。

新型コロナウィルスで苦しい経験を強いられた今だからこそ「社会保障はどうあるべきなのか」、じっくり考えてみてはどうでしょうか。



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