【創作】四i季i凪iアiキiラ暗殺計画……?
※この話は完全なる私の妄想です。事実に何も基づいてないです。単純にセラフさん四季凪さん小柳くんがマイクラで絡んでたことに嬉々として筆を走らせただけです。
※語彙力終わっているので読みづらかったり理解し難かったりしたらすみません。
刹那。刃音が空間に響いた。
目の前には刀を振りかざす小柳と、それを防ぐセラ夫の姿。
どうしてこうなってしまったのか。
時は今朝に遡る――――
「凪ちゃん、この依頼……………」
新しい依頼書をセラ夫に手渡すと、いつものクールな表情が険しくなった。
「………はい。私も目を通した時、驚きました。まさか、あの小柳が ”私を暗殺しようとしている” なんて」
そう。依頼の内容は”小柳ロウを始末する”こと。
小柳ロウが私……四季凪アキラを暗殺しようとしているというのだ。
小柳は妖魔剣士というヒーローをしているが、それは表向きの姿。
裏の姿は暗殺者組織「ロウルフ」のドン、つまり裏社会の人間だ。
暗殺者組織といっても、構成員は0人……小柳1人だけなのだが。友達いないのかな……
そんな心配をしている場合ではない。
私はその彼に狙われているのだから。
「何かの間違いじゃないの?」
セラ夫が私に問う。信じたくないのだろう。
セラ夫……セラフ・ダズルガーデンは、元暗殺者で現在はフリーのエージェントをしている。
私はよく彼に請け負った依頼を任せている。
私もセラ夫も寄宿学校での後輩として小柳のことを可愛がっていた。
「私も信じがたいですが、情報源が割と確かで…。しかも、私は今日小柳と任務を行うことになっているんです」
「タイミングは完璧ってわけか……」
その任務も小柳を通してきた依頼だ。
「俺は凪ちゃんを守ればいいってわけね」
始末、と物騒に記してあるが、大事な後輩だし、情がないわけがない。
穏便に、何事もなく終えたい。
「頼りにしてます、セラ夫」
コンコンッ。
事務所の扉を叩く音がし、返事をすると今回のターゲットである小柳ロウが入室してきた。
「はよーっす、凪さん」
いつもののんびりした声で挨拶をしてくる。
本当、気が抜ける……
「おはようございます。眠たそうですね、寝不足ですか?」
「んいや……ゲームしすぎて寝てない……」
「廃人なの?」
本当にこの人、私を殺そうとしているのだろうか。
でも気を抜くとセラ夫に怒られるから抜かないようにしないと。
「あれ、セラさんもいるじゃん。はよっす。セラさんも任務っすか?」
「おはよー。そうだよ。凪ちゃんと」
「えっ、俺もなんだけど。ブッキング?」
「俺は護衛だから気にしなくていいよ」とセラ夫が言うと、「ふーん……」と一瞬冷めた表情をしながら小柳が頷いた。
ブチッ
靴紐が何もしていないのに切れた。
以前変えたのはいつだったか……割と古かったのかもしれない。
「すみません、靴紐を変えるので少し待っててください」
「じゃ、行こっか」
靴紐を結び終えたのと同時に、小柳は私の腕を引いて外へと赴いた。
「あぢーーーー」
「夏ですしね…」
「凪さん、喉渇いたー」
「奢りませんよ」
ちぇっ、と拗ねた子供のような言葉を放つが、どこか上の空だ。
それはまるで、タイミングを探しているかのよう。
やはり、私を殺そうとしているのだろうか。
今日の任務を着々とこなし、街の明かりが灯り始める。
「(何もしてこないな……)凪ちゃん、任務の状況は?」
「あと1件ですよ。これが完了すれば今日は終わりです」
「そっか」
小柳、まじで何もして来ない……
もしかして本当に間違っていたのでは……?
そう思った矢先。
ガキィンッ!と耳に障る金属音が響いた。
思わず瞑ってしまった目をそっと開けると、小柳の刀とセラ夫のクナイがギリギリと摩擦音を立てながらぶつかっていた。
まじで殺す気だったのか、小柳……!
「なにしてんの……ロウくん」
「セラさんこそ…邪魔すんなよ!」
金属音が鳴り響く。
小柳のあんな殺気立った顔は初めて見た。
「ロウくん、凪ちゃんに何か恨みでもあんの?」
セラ夫は私を庇いながら問う。
「は、なんの話……」
小柳は刀を振る手を止めない。
私も元諜報員として、多少の体術は心得ているので避けられるが、彼の殺気に思わず足が竦む。
スピード感のある戦闘を前に、私は言葉が出なかった。
小柳に何かしてしまったのだろうか?
彼と仲良いと思っていたのは私だけだったのだろうか?
考えても、答えは見つからない。
「(ロウくん、もしかして……)」
セラ夫は急に動きを止める。
小柳の振りかざす刀は一直線に私に向かってきた。
「ちょ、待っ……!!!」
殺られた。そう思うしかない状況だった。
もっとやりたいことあったなあ……とか、なんか色々考えてしまった。
けれど、
「痛く……ない……?」
目を開けた先に映ったのは刀を刺す小柳。
刺されたのは私……の、右肩の上にいた、妖魔だった。
「やっ…た」
小柳はニッと笑って呟く。
「は、え…?」
状況が理解できない私は、情けない声しか出なかった。
驚きでそんなの気にする余裕がなかった。
「よーし、任務完了〜」
そんな私をそっちのけで伸びをする小柳と、お疲れ、と彼を労うセラ夫。
「え、何!?説明してほしいんですけど!?」
「はあ?俺が凪さんを殺そうとしてたって?んなわけないじゃん、何で殺さなきゃないの」
小柳は手を叩いて爆笑する。
「笑いすぎです」
狙われていたのが自分だと思っていたことと、情けない声を出して戸惑ったことに恥ずかしさを感じ、それを隠すように言う。
本当のターゲットは、数日前から私に取り憑いていた妖魔。
小柳曰く、この妖魔に取り憑かれていると、”そこまで悪いことはしないけど、エネルギーを吸い続けるからちょっと不幸なことを起こす”らしい。
そんなん普通に嫌。
「そういえば最近、事務所で使っていたケトルが急に使えなくなって楽しみにしてた紅茶が飲めなかったり、欲しかったBL本の新刊がどこの本屋に行っても見つからなかったりしましたね……」
「今朝も靴紐切れて変えてたよね、凪ちゃん」
本当にちょっと不幸なことが起きていたので、小柳の言うことは真実なんだろう。
「セラ夫は気付いてたんですか?」
「俺も最初はロウくんが本当に凪ちゃんを殺そうとしたのかと思って止めようとしてたけど、途中でロウくんの視線が凪ちゃん自身じゃない気がして」
それで動きを止めたのか……。
だとしても気付いたなら言ってほしい。
「確実にそうだと言いきれなかったし……」
「それで本当に私がターゲットだったら私刺されてましたよ……」
セラ夫は自己判断で進めてしまうとこがある。せめて何か言ってくれ……。 でも、とセラ夫。
「凪ちゃんなら咄嗟に避けられるでしょ?」
いたずらに微笑む彼に、悪気なんて全くなくて、本気で信じてる、と顔に書いてあった。
そんな顔されたら、怒るに怒れないじゃん……。
仮にも元諜報員。いざとなったら動けるっちゃ動ける。
「小柳もこういうことは先に言ってください」
話の矛先は小柳へ。聞きたいことも言いたいことも沢山ある。
「妖魔に妖魔剣士(おれ)のこと気付かれたら逃げられるかもじゃん」
しかも、妖魔は常に姿を現してるわけではないから、1日私と行動を共にして姿が現れたタイミングで倒す必要があったよう。
私たち一般人には妖魔の姿は見えないし、結果的に倒してもらえて良かった。
それに小柳に嫌われてるとか、恨まれるようなことをしてたわけじゃなかったことに酷く安心した。
「さ、残りの任務終わらせますよ」
「「はーい」」
その日の夜。
「凪さん、お腹空いたあ」
小柳のその一言で3人で夕飯を食べることにした。
「凪さん奢ってくれんの」
「…仕方ないですね。まあ、私に取り憑いていた妖魔を倒してくれましたし今日は奢ります」
よっしゃ〜と喜ぶ小柳。やはり子供のよう。
元々後輩に出させる気はなかったけど。
「え、今日凪ちゃんの奢り?!」
「貴方は自分で出しなさい」
「なんだよー」
子供2人目発見。186cmの成人済男性がそんな事で拗ねるな。
「そういえば、今回のロウくんが凪ちゃんを暗殺しようとしてるって誤情報のソースは何処なの?」
「ああ……それは―――」
数日前。
「奏斗。珍しいですね、わざわざ事務所(こちら)に来るなんて」
「ちょっと気になる情報を入手したからさ。直接話したほうが良いと思って」
「気になる情報?」
奏斗は何か言いたげで、でもなかなか言葉が出てこない様子だった。
私の目をまっすぐに見て、重い口を開く。
「小柳ロウが、お前を殺そうとしてる」
「……………は?」
「ふーん?でも奏斗が誤情報なんて珍しいね。あいつ馬鹿だけど仕事でミスなんてあんましないじゃん」
「それは、元の情報源がたらいだからですかね」
Café Zeffiro、事務所。
「奏斗奏斗奏斗!!大変だ、アキラが!!!!」
「落ち着けってヒバ。何の話?」
「さっき、小柳くんを見かけたんだけど、
”任せてよ。凪さん……を殺る。来週の今日。……うん、うん。…分かった”
って!電話で誰かと話してた!!!」
「それまじ……?」
「まじだって!とにかく急いでアキラに伝えなきゃ!!!」
「待てって。お前このあとバイトだろ?僕が伝えてくるから」
「あ~…そういえば電話したわ。聞かれてたん気付かんかった」
「そういう話は周りに注意しながら話さなきゃダメですよ。…まあ、そういうことです。奏斗は警戒して、とだけ言ってましたけど、小柳からの依頼のタイミングがあまりにもピッタリすぎて警戒せざるを得なかったんです」
「そういうことか。雲雀も早とちりだなあ」
「私を心配しての言動なので強くは言えませんけどね」
仲間と後輩に振り回されまくった数日を思い返しながら、私はお酒を口にした。
「ふふ、」
「ん?どうしたの凪ちゃん」
「なんかおもろいことあったの?凪さん」
「いえ、なんでも」
本当に、この人達といると飽きない。
おわり
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