No.002 夜空の呪いに色はない 河野裕 著

今回は、サクラダリセットで有名な河野裕先生の『夜空の呪いに色はない』です!この作品は、『いなくなれ、群青』から始まる階段島シリーズの第五弾になります。
ちなみに最近、完結巻である『きみの世界に、青が鳴る』も発売されたので、近くその感想も上げる予定です。

かつて子どもだった全ての大人たちへ。
郵便配達人・時任は、階段島での生活を気に入っていた。手紙を受け取り、カブに乗って、届ける。七草や堀を応援しつつも、積極的にシマの問題には関わらない。だが、一方で、彼女は心の奥底に、ある傷を抱えていた……。大地を現実に戻すべく、決意を固める真辺。突き刺さるトクメ先生の言葉。魔女の呪いとは何か。大人になる中で僕らは何を失うのか。心を穿つ青春ミステリ、第5弾。

出典 新潮文庫nex あらすじ より


○“大人”とは何なのか

本編で七草が大人と子供の違いを問われたシーンが特に印象的でした。
大人と子供の違いについて七草はこう答えます。

「身体の大きさでも、知識の量でもない。大人と子供は、生きてきた時間が違う。乗り越えてきた夜の数が違う」

私もずっと、どうやったら大人になれるのかなって思ってたんですよね。このセリフはすごく私の中で腑に落ちたというか、すっきりする答えでした。

そして七草は乗り越えてきた夜の数とは何かをこう言います。

ひとつひとつ、なにかを選んで、他を手放して、責任を背負って、後悔して、たまに納得して。そうやって身体中にまとわりついた重みの数

確かに夜はいつもよりも様々なことを考えたりしますよね。暗い部屋の布団の中で天井を見ながら、反省会みたいなことってしませんか?
例えば、今日のこの発言、まずかったかな、嫌われちゃったかな、とか、明日提出の課題どうしようかな、やってないけどまあいっか、とか、そういったことですけど(笑)

まあそれはさておき、きっとこういう夜を乗り越えることが子供から大人への過程なのでしょう。その過程を飛ばしてしまっては大人になれないと思うと、今を悩みながら生きることも多少は無駄じゃないのかなって思えます。

きっと私はどれだけ多くの夜を乗り越えても、今のままなんじゃないかって気もしますけどね〜。

さて今回はここまでです。
階段島シリーズは表紙の絵も綺麗なのでオススメですよ〜!
七草も真辺の関係性などは最終巻の感想で触れる予定なので、お楽しみに。

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