見出し画像

【これ歴史書だよね?】ヘロドトス「歴史」を読み解く 上巻6頁から10頁

ヘロドトス「歴史」を自分なりの解釈で読みといた記事です。

この「歴史」を読む上で特に苦労するのが地名および人名の多さです。たとえば原文を見てみると

ーカンダウレスという人物は、ギリシアではミュルシロスの名で呼ばれているが、アルカイオスの子ベロスの子ニノスを父とするアグロンが、ヘラクレス家の一統でサルディスの王となった最初の人物であるが、ミュルソロスの子カンダウレスはその最後の王であったー

こうなっていますので、人物の相関図の把握にかなり苦労をします。

今回の流れは、ギリシア人を統治したクロイソスについて少々、そしてクロイソスの祖先ギュゲスとその主カンダウレスについて書いてあります、ガウンダレスはバーチャルYoutuber兎田ぺこらさんが知ったら「このあほたれが」と言われるでしょう。
今回は八頁からハイライトでお楽しみください

他のページも公開しています↓



八 カンダウレスが部下にかけた魔法言葉(よく見るタイトル風)

さてこのカンダウレスは自分の妻(以下妃)を溺愛し、最高の美女と信じていた。

カンダウレスに仕えるギュゲスというお気に入りの部下がいたが、このギュゲスに妃の素晴らしさをいつも自慢していた。

その後間もなく、このカンダウレスは悲惨な目に遭う宿命だったのであろうか・・・、ギュゲスにこんな馬鹿な事を言ったのである。

カンダウレス「ギュゲスよ、お前は妃の容貌についても話しても信じてくれないな・・・、いかさま人間は眼ほどには耳を信用しないというからな、よし私の妻が着物を脱いだところを見てみるがよい。」

ギュゲス「殿様、私にとって主君であるお妃様の素肌を見よとは、何と分別のないお言葉でしょうか。女と申すものは下着とともに恥じらいの心も脱ぎ去るものです(下着を脱ぐと他人から払われる敬意剥ぎ取られるという説もある)。私どもが則らなければならぬ名言が古人によって言われております、「己のもののみを見よ」という言葉です。私はお妃様がこの世で最高の美女であらせられる事は確信しております。なのでそのような事を求めないでください。」

九 カンダウレス、すごい名案を思いつく

カンダウレス「ギュゲスよ、案ずるなことはない(ニッコリ)。私がお前を試そうと思いこのような事を言ったのではないか?と恐れる必要もないし、妃から責められる事を心配しなくてもよい。お前に見られても妃が気づかないようにしておくから安心しなさい。まずお前をわしらの寝室に入れて開けたてた扉の後ろに潜まして置く、私と妃も後から寝室に入るが妃は身につけたものを一つ一つ椅子の上に脱ぐから、おまえはそれをゆっくり眺めなさい。妃が服を脱ぎベッドに向かう為に背中を向けた時に、見つからないように扉の外に出るのだ。

十 ギュゲス覚悟を決める→結果 妃に見つかる

ギュゲスは拒みきれなかったので覚悟を決めた。カンダウレスは打ち合わせ通りギュゲスを寝室に連れ込みんだ。そしてギュゲスは妃が部屋に入り着物を置くさまを眺めた。そして打ち合わせ通り妃がベッドに向かう為に背を向けた際に室外へ去ろうとした、が妃はギュゲスが抜け出すところを見てしまった。妃はそれが夫カンダウレスの仕業である事をはすぐに分かった、妃は恥を想ってあえて気付かぬふりをしたが、カンダウレスに必ず復讐する事を強く心に決めた。リュディア人のみならず、多くの異邦人はたとえ男でも裸身を他人に見られるのを非常に恥辱と考えていた。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?