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バックグラウンド

note執筆を始めてみて2日目なんだけれど、自分が普段頭の中でポケーっと考えていることを文章に起こすのはなかなか難しい。自分の考えを人に共有するときは基本的に口語なので、多少曖昧でもなんとかなるし、相手との会話のキャッチボールになるので論理展開も適当で構わないのだ。
30分〜1時間程度、パソコンに向かってひたすら自分の考えを一方的に吐き出し続けるのは、寡黙な自分にはかなり新しい体験だ。自分の文章を書くときくらい饒舌になってみよう。

1年前くらいから、バックグラウンド、いわゆる「背景知識」を持つ事にハマっている。自分の文脈でいう背景知識というのは、人、もの、事象など様々なものが持っている過去や現在におけるストーリーのようなものだ。

説明が難しいので具体で示す事にしよう。
太宰治の「走れメロス」、実は西洋文学だけでなく、太宰治の経験談からインスピレーションを受けたという話をご存じだろうか。
熱海の宿で豪遊しお金を使い過ぎてしまい、宿を出ることができなくなってしまった太宰。心配して様子を見にきてくれた友人を人質として「お金を借りてくるからちょっと待ってて〜」と宿に残し、東京へお金を借りに行ったが、その後太宰は戻ってこなかったというものだ。

太宰の変人ぶりは有名な話だが、「人間失格」や「斜陽」に代表される自己内省とプロレタリア文学色の強い彼の作風に対して新しい一面が見える。
こうやって自分の持つ背景知識が増えていくと、自分で文学や太宰についてあれこれ考えるのが楽しくなる。
こうやって自分の知識に枝葉がついて、思考の幅が広がって、いろんな切り口から考えることができるようになるのが、自分はたまらなく好きなのだ。

別に背景知識やストーリーはなんでもいい。気になったことを調べて、知って、思いを馳せるだけでいいし、なんなら自分の実体験をストーリーにしたっていい。
父親の誕生日に父親が吸っていた銘柄を吸いながら、実家のベランダで寒そうにタバコを吸う姿を思い出して「自分とひとしきり遊び終わった後はいっつも吸いに行ってたなぁ〜」と考える、とか。

チェンソーマンのマキマさんもそんなことを言っていた気がする。
「相手のことを理解すればするほど〜」ってやつだ。読んだときに「うわ〜これ本質すぎる」と素直に思った。
第1章のデンジvsマキマさんのラストファイトの後に、マキマさんが吸っていたタバコとおんなじ銘柄を吸っているのはまだ誰にも話したことがない。アニメの時は水色の方を吸ってくれていたら嬉しいな。

ワインの熟成がどうとか樽がどうとかそんなものでもいいかもしれない。
大切なことは自分が知っていて気持ちよくなれるかどうかと、人に話すときは、基本的に自分からその話題を持ち出さないこと。

背景知識をたくさん持つのは、自分と同じINFPの人間が相当向いているように感じる。INFPの人間は自分の世界観を作り出すのがうまくて、その世界観にぎちぎちに凝り固まった論理はいらないのだ。自分の世界は仮説だらけ。しかも基本的に秘密主義なので、その世界観に人を引き入れることはほとんどない。
バックグラウンドに思いを馳せるという趣味はINFPのためにあるといっても過言ではないかもしれない。

この趣味を始めてからかなり発散的な思考が得意になった気がする。
収束を得意にさせてくれる趣味はないんだろうか。。。。

「言葉」でも軽く話したけれど、人間の意思決定には言葉が密接に関わっている。そんなときに、バックグラウンドを丁寧に、綺麗な言葉で語られてしまったら絶対に持って行かれてしまうだろうなぁと思う。たとえそれが詐欺だったとしても多分持っていかれる気がする。
「いいな」と思った方向にすぐ意思決定できるように、できるだけしがらみは少なく、身軽に生きないといけないな。
まずはお金をちゃんと稼ぐことから始めよう。

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