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メイサと理名の混浴温泉旅行with発情カップル①

タイトルなしのコラージュ (6)

「イァアア!!!お許しくださいぃぃい!!……みんなに見られちゃうう!!!!」

「ほらほら詩織ちゃん脱いでええええ♡♡」

「メイサ様だめええ!!理名様ぁあ!漏れちゃいますうう!!!!」

「おい、タロー。お前、漏らしたら今夜はお前だけ全裸で雪山放置ね」


-某月某日-

「きゃははははー♡理名っちぃぃぃ!!!」

後ろから抱き着いてくるメイサに、私はビクンとしてその声のうるささにあきれる。

「ちょっと!!笑」

***

いつも明るい笑顔でイチャイチャしてくるメイサはこうして外で会うと、S女だと信じられない。

いろいろなタイプのS女がいる。

圧倒的な圧をかけ相手をひるませて絶対服従な支配をするS。
メイサのようにいつも明るく、相手を性玩具に様にするS。
ほくそ笑み、散々意地悪させた後に自分で慰める様なS。

常に計画的で外堀から埋めるようなS。
残酷で精神的にボロボロにさせて、それを嘲笑するようなS。

この世界は引き出しという名の武器が多い方がいい。

女性のSなら尚更だ。
それは男性の性癖に起因する。

一概にMと言っても、男性の性癖は本当に多種多様だ。
私は以前、足の匂いについてSNSでアンケートを取った。

回答者は全員M男だった。
「足が臭いのが興奮する。むしろアソコよりも嗅ぎたい」という男性がいる一方で「足は見ていたいけど嗅ぎたくはない」というM男性もいる。

「女が脚が臭いと萎える」というM男性もいる。

世間では嗅ぎたい男性も、見てたい男性も脚フェチとされる。
だけど、どこにカテゴライズされても全てM男性なのだ。

そういう意味で、あらゆる性癖を理解しうるS女に私はなりたい。

共感はできなくてもいい。それでも理解はしないとならない。

食べ物に例えれば、ピーマンを好きになれないが、世の中にその食材を美味しいという人がいることや、その人はきっとこの苦みを美味しいと感じると思うのだろうと理解すること。そんな理解が必要なのだ。

私はその意図を持って、クラブにも多種多様な女性を配置している。
あらゆる性癖をコントロールするためだ。

メイサはその中でも特に対男性のフェチズムや、特異な性癖を理解している。彼女の恐ろしい部分は、それらを更なる高みへと昇華し、”それ”がないと生きていけないようにまでコントロールするくせに、最終的にそれを与えず飼いならしてしまうことだ。

その為なら医学的なことや科学的なことの研究にも日夜励み、古(いにしえ)の拷問や、現代の諜報機関が用いる様な手法も数多く集めている。

日本でも有数の上場企業の役員の娘として何不自由なく育てられたメイサは数多の異性からのアプローチを受け続けた学生時代を送ったが、いつも心の中に抱えていた虚無感を埋めてくれるものは人の絶望や悲鳴だと気づき、薬学部に通いながらSMクラブで働いた。

クラブでは絶頂の人気を誇ったが、何人もの客がメイサの責めに救急搬送をされ、店はメイサの人気と狂気の扱いに困り、手に余していたところをヒトを介して私と出会った。

「壊すのが仕事とかさいこーじゃん!!時給500円でいいよーー♡」

メイサの責めを目前で見るまでは、私はただの妄想癖の女なのではないかと思っていたが、実際に依頼を与えてみて、その止むことのない責めと、あくなき探求心に気づき雇い入れた。

メイサがこの世界に入った動機は人々からしたら狂ってはいる。
メイサはどこまでも純真無垢で、努力家だ。

科学者が日進月歩の医療の発展のために研究に明け暮れるように、メイサも研究に明け暮れている。救うのが医学なら、壊すメイサはさしづめ壊学とでもいうべきか。


***

横付けされた黒塗りの大きなワンボックスカーの助手席に座り、メイサに渡されたビニール袋には大量のドーナツと、ポテトやチキンが入っていた。

「わ!なにこれ笑」

「理名っちどうせ朝まで何も食べてないのかなーって思って!!ラーメンばっか食べてないで、そういう甘いものとか食べなさーい♡」

「ラーメンばっか食べてる女に、ポテトとチキンって本質的にあんまり変化ないんじゃ…。それにこんなもん全部食べたら温泉街で現地のもの食べれなくなるじゃん…」

「きゃはは、たしかにーー笑 じゃあじゃあドーナツは要らないね!!」

「え……ちょっと!!むしろドーナツをよこしなさいよ笑」

ビニール袋の中で小分けにされた袋からドーナツが入っている袋だけを掴み、運転席と後部座席を仕切る鉄板に取り付けられた「窓」を空け、そこにその袋を投げる。

「おーいぃ!たろ~~お!それ食べていいぞー♡きゃはは♡」

振り返り窓から覗いた〔向こう側〕には男が一人がいた。
男は下着一枚で首輪を付けられ、その首輪に繋がれた鎖が天井につながっていた。

鎖の長さが短いため、男は座ることもできない。
よく見ると下着に見えたそれはブルマだった。

そのサイズはとても小さく、オトコのアレが頭を出していた。

「え…?ブルマ…??」

「そー♡なんか可愛かったから買って履かせたー♡きゃはは♡」

「あの子名前は…?」

「タロー!!!!」

明らかに適当に付けたような名前をメイサは嬉しそうに返答する。
なぜブルマなど意味もなく履かせているのか、一体どんな関係なのか。

そして一体どんな残酷な管理を行っているのか。
私は詳細を聞こうと思ったが、今すぐ聞くのを止めた。

道中に聞きだせばいい。

本人の口から。

それも旅の醍醐味だ。

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