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【本業、芸人】こんなにバイトして芸人続けなあかんか|おもしろくて、前向きになれる不思議本


慶応大学卒業、芸歴20年オーバー、職歴はアルバイトのみ。

たくさん経験したバイトで起きた珍エピソード、出会った濃い人々、芸人としてのお仕事を柔らかい文章で書いています。

地頭の良さが文面から滲み出ている!
どんどん読める面白さがあります。



色々と体を張っているピストジャムさん。
うまく渡り歩いているのは、人柄の良さとしなやかさでうまく生きているんだな、と感じました。

周りの意見に流されない。
自分のやりたいことを信じ続ける。


そんな、強さが端々に感じます。

ちっとも嫌味や卑屈なところがないのも、安心して読めるポイント!

以下、インパクトがあったお話に対しての感想。↓↓↓


就職活動


就職活動をした、でもダメだった

という事実を作るため就職活動をする。
ぶれない姿勢がすごい。
さすが慶応。突飛な写真でも、エントリーシート通過!!
就活の闇というか、リアルですね…
(20年前のこととはいえ…)

本人の希望とは裏腹に、すらすらと面接をクリアしていくピストジャムさん。
飄々とした姿が、逆に印象が良かったんだろうなぁ。


下北沢の人たち

下北沢…濃すぎる…

バーを経営している下北沢の人、こんな感じなの??

好きなことをやり続けるためなら、生活は二の次。
横のつながりはしっかり。
来るものはあたたかくむかえ、去るものは追わない。
あったかくもあり、ドライでもあり…
良くも悪くも常識ってなんだ?と考えさせる不思議な場所。

登場した多くの人たちが、お店をたたんでしまってる。
その後、どうしているのかな…

ピザバイト

効率重視で、同じエリアで3社かけもち。
採用してくれるんだ!
そして、ローテーションで頼む人もいるんだ!
周りの淡い混乱っぷりが面白い。

吉本からの収入

地方営業という名の、地方テーマパークで泊まり込み長時間低賃金労働…
この仕事を入れると、普段のバイトができないから収支がマイナスになる。

それでも、「やらない」の選択肢はピストジャムさんにはなし。
芸人は本業だから。

吉本のシステムは他にも随所で説明されていて、それがなかなかシビア、というかえげつないところもあるけれど、

「 これらの話を芸人じゃない人に話すと、「なんで吉本やめないの?」とよく訊かれる。その答えは簡単だ。吉本には、偉大な先輩と優秀な後輩がたくさんいるからだ。ほかの事務所に移ろうと思ったことは一度もない。吉本から他事務所に移って成功した芸人も多くいるが、僕は吉本で認められたい。」
—『こんなにバイトして芸人つづけなあかんか』ピストジャム著

本人がそう思っているのであれば、周りは何をいう筋合いもない。
説得力がありました。

年越し助っ人バイト

本を読んでいくうちに、単純なおもしろ経験談だけではないことに気づいてきます。

ピストジャムさんの生き様もそうだけど、
バイトを通して出会い人たちの生き様も多種多様。

そのなかでも複数の焼き鳥屋さんを経営して、表向き成功者に見えた人。

成功とは、はたから見た他人が勝手に思っているだけのことで、経営者に休息はない。それは、企業には持続的な成長が求められるからだ。いいとき、悪いときがあるなかで、営業を継続させるだけでもすごいことだ。
—『こんなにバイトして芸人つづけなあかんか』ピストジャム著

いつしか店を畳んでいたり、かと思えば数年後も同じように働いている人を見かけたり…

みんな、生きるためにがんばってるんだな、読み終わる頃には考えさせられました。

アイドルも…すごい。
生き抜くって、信念がないとできないことなんだなぁ…頭が下がります。

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