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【現代イギリス中学校が舞台】見知らぬ人|中学校の先生が殺されました

手に取ったきっかけ

・イギリスミステリーがとにかく好き
・主人公の警察官が女性!しかもインド系!
・作中作がある。しかもホラーミステリー
・実はシリーズ2作目の「窓辺の読書家」のあらすじが気になって、まずは1作目から読もうとした

あらすじ

これは伝説的作家の短編の見立て殺人なのか? ――イギリスの中等学校タルガース校の旧館は、かつてヴィクトリア朝時代の作家ホランドの邸宅だった。クレアは同校の教師をしながら、ホランドの研究をしている。ある日、クレアの同僚が自宅で殺害されてしまう。遺体のそばには“地獄はからだ"と書かれたメモが残されていたが、それはホランドの幻想怪奇短編「見知らぬ人」に繰り返し出てくるフレーズだった……。作中作が事件を解く鍵となる、2021年海外ミステリ最高の注目作!
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感想とか本を読んで学んだイギリスのこと

感想

面白かったかどうかと聞かれると……。
導入部分はすごいグッときた。
でも、本編に入ると、イギリスの教育システムの説明や、登場人物の説明が結構長い。
重複も多い。
100ページとりあえず頑張って、いつから面白くなるのかな、と期待を広げていたけどなかなかテンポに乗れない時間が長い作品。
犯人の意外性や動機はなかなか良かった。
事情聴取をする側と受ける側、それぞれの視点で物語がなぞられていく部分は、ワクワクしました。
作中作がしっかりとしていて、物語の最後には前編読むことができるのも良かった。

イギリスやアメリカで現在放送されているドラマ、バラエティー番組、今話題のインフルエンサーの固有名詞がばんばん出てくる。

一方で古典作品もばんばん出てくる。
なので注釈がとにかく多い。ページをめくると、「あぁまたか」と思うくらいに多い!

イギリス人にとってのシェイクスピア

とにかくシェイクスピアからの引用が多い!
イギリス人にとってのシェイクスピアは、日本人にとっての夏目漱石とか森鴎外とかの感覚?
それとも、歌舞伎?
知ってて当たり前と言うくらい、ばんばん引用が出てくる。
今回、特に多いのは「テンペスト」。

「テンペスト」の一文「地獄はからだ」は、物語のキーワードになるくらい。
引用に対してちゃんと注釈がついているから、なんのこと??っとはならないけれど、いちいち文を読むリズムが途切れてもどかしかった。

イギリス人の進路

まず頭に浮かぶのはオックスブリッジ。
日本に置き換えると、早慶がイメージしやすい?(オックスブリッジの方が、もっともっと重みはあるんだろうけれど)

そこに行けない人が次に目指すのは、ラッセル・グループ(名門公立大学24校)、その下が学寮付きの大学、と言うこと。

公立中学校〜高校にも選抜されていく学校と、全員が行ける学校とがあるようで。
かなりクラス分けされていることがわかる。

この辺の基礎知識を理解するまで、なかなか話の展開についていくのが大変!

登場人物への感想

クレア

45歳の英語教師。
殺されたエラの同僚&親友。
作中で「モデルのような」と表現される、暗褐色のショートヘア、長身美女。
45歳でそう表現されるんだから、相当な美貌なのでしょう。
手書きの日記をこっそりつけている。
そこに、知らない人から落書きされていることに気づく。
こわっ!!
ハービントン警察官にイラっとしている。
夫と離婚し、ティーンエイジャーの娘とワンちゃんと暮らしている。

ハーバート

クレアの飼っている白いわんちゃん!
この作品は、犬がたくさん出てくる。

ジョージア

クレアの娘。15歳。
彼氏は21歳。
奔放に見えて、かなりしっかりしている。
外向的に見えて、結構内向的。

ハービントン・カー

サセックス州の部長刑事。
インド系のレズビアンの女性。35歳。
身長は低め。
美貌の教師である、クレアやエラを面白く思っていなかった。
イギリスのミステリーは部長刑事が主役なのがとても多い!
部長刑事って、権限と自由度のバランスがいいのかしら?
ちょっと刺々しい性格。

エラ

殺された女性教師。
超有能だけど、性に奔放。
前の学校も不倫で追い出された。
今の学校でも主任と不倫関係にあった。
殺されたのは、このあたりが原因?

タイ

ジョージアの21歳の彼氏。
15歳と付き合う21歳って……
と、親のクレアも思っている。
でも、意外と弁えている。
その理由が、ね……。あれなのよ。

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