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老齢年金を繰上げ・繰下げした場合、配偶者の加給年金・振替加算はどうなるか

老齢年金を繰上げ・繰下げした場合、自身の加給年金・振替加算はどうなるか。

繰上げの場合は、本来受給できる(つまり一般的には65歳)時から受給することになる。
繰下げの場合は、繰下げ待機期間に受給できず、増額の対象にはならない。
以上、本人だけのケースですと単純ですが、配偶者が関係してくると複雑になります。

わかりやすいように、年上の夫(厚生年金期間240月以上あり)、年下の妻(厚生年金期間なし)とし、以下のケースはどうなるのでしょうか。
1.加給年金受給中の夫の妻(65歳)が繰下げ待機(後に繰下げ請求)を行う場合、夫の加給年金はどうなるか。
2.加給給年金受給中の夫の妻(60歳)が繰上げ請求を行う場合、夫の加給年金はどうなるか。
3.繰下げ待機中の夫の妻が65歳になった場合、妻の振替加算はどうなるか。(妻は繰下げしない)

それぞれ、次のようになります。
1.夫の加給年金は妻が65歳になったことになり終了します。
2.夫の加給年金は妻が65歳になるまで受給できます。
(死亡、離婚等の要件は考慮しないものとして)
3.妻の振替加算は加算されます。

2.は判断に迷うところです。
加給年金の停止要件は次のとおりです。
「配偶者加給年金については、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。」(参照:日本年金機構ウェブサイト)
(年齢、死亡、離婚等は除いて)

なお、「老齢年金ガイド令和6年度版」8ページの加給年金額の欄には次のとおり記載されています。
【ご注意ください】 配偶者が老齢(退職)年金(被保険者期間が20年以上、または中高齢の特例に該当する場合に限る)の受給権 を有するときや、障害年金を受け取る間は、加給年金額は支給停止されます。 このとき、「老齢・障害給付加給年金額支給停止事由該当届」の提出が必要となる場合があります。
「老齢(退職)年金」が基礎年金を含んでいるのかどうなのかわかりにくい表現になっています。


それでは、次のケースはどうなるのでしょうか。

4.年上の夫(厚生年金期間240月以上あり)、年下の妻(厚生年金期間240月以上あり)。加給年金受給中の夫の妻(60歳)が繰上げ請求を行う場合、夫の加給年金はどうなるか。

夫婦とも厚生年金期間240月以上あるのが1.~3.と違うところです。本当年金って細かくて複雑ですね。

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