見出し画像

アルファとベータ:注新型コ○ナじゃないよ!老後資金のシンプルで誰でもできる投資の始め方

この記事は無料でご覧いただけます。
気に入っていただけたら投げ銭がわりに課金いただけますと今後のモチベーション維持につながります。
いいね!、スキもぜひ記事を読む前にしてもらえると嬉しいです。

こんにちは。前回の記事で金融理論について理解の範囲で語ってみました。
高橋ダンさん(以下ダン)ファンからすると、おや?と思う内容かもしれません。


ダンは投資の銘柄や方法を具体的にどうすればいいということをたくさん紹介してくれました。


ですが、これって投資や金融に全く興味がない人に伝えて実行してもらうのってかなりハードル高いのではないかなと思ってしまいました。

ぼくの記事やダンの動画をみて実行できる人ってどのくらいいるのかなと思ってしまいます。ぼくのようにダンが大好きで応援したい!という人なら時間を割いて動画を見たり本を読んだりできると思いますが、正直なところ生活するだけで自分の時間がほとんどとれない、投資なんかに時間をとれないという人がおおいと思います。


金融理論的にダンの方法は王道ですし理論的に一貫しています。しかし、かなり手間暇かける必要があるので挫折する人もいると思います。

この記事では、そこまで投資に時間をかけるつもりがないけどしっかり考えて投資したい方向けの内容です。簡単に・誰でも・間違いなく実行し、老後資金の世界的王道の方法を紹介します!しっかり資産形成ができます。

是非最後までご覧ください!


アルファとベータについて

コ○ナ関連ではまったくありません。デルタやラムダはでてきません。金融業界や学術的に使われる用語です。まずは以下のTwitterからの抜粋が非常にわかりやすいのでお読み下さい。

みんな「生活防衛」の意味、わかってるの?
株式投資の文脈では、それはインテックス投資を指します。それ以外はすべて×
「生活防衛」とは、「手をこまねいていたら……自分だけ皆から劣後する」という現象を指します。これが格差の原因。
みんなが資産運用しているのに自分だけ何もしなければ、どんだけ仕事がんばってもあなたは劣後します。なぜならr>g、つまり資産価格の上昇ペースより、賃金の上昇ペースのほうが遅いから。
金融商品の大部分は、インデックスをベンチマークとしています。年金ならMSCIの出しているインデックスがベンチマークです。投信の類も「今年は成績良かった」「今年はダメだった」というのは絶対値のパフォーマンスではなく、ベンチマークと比較した相対的パフォーマンスで決まります
つまり「インデックスに勝てたか?」が問題になるわけです。ここ重要。おのずとファンドマネージャーは(インデックスに勝つには、どうすればいい?)ということに関していろいろ工夫します。
もちろんインデックスとぜんぜん違うポートフォリオを組むこともできるけど、その場合、もし大負けしたら自分が首になる。そのリスクはとりたくない。
するとサラリーマン的な「正解」は、「インデックスを意識しつつ、それよりチョッと色を付けることで、インデックスに競り勝つ」というのが最も合理的な運用方法になります。
このようなファンドマネージャーの習性を「Huddling the index」といいます。つまりインデックスに限りなく近いポートフォリオを自分も構築し、常にインデックスからあまり逸脱しない運用を心がけるわけです。
彼らを「closet indexer」つまり「隠れインデックス運用」とも言います。
大事なことは「世の中の金融商品の大部分は、そんな感じでS&P500のようなベンチマークを意識した構成になっている」という事実を理解すること。
いま「株式市場全体の動きで説明がつくパフォーマンス」のことを運用の専門用語でベータ(β)といいます
これに対し個々の銘柄のアウトパフォーマンス、ファンドマネージャー個人の腕前、特別な知見などでしか説明できないアウトパフォーマンスをアルファ(α)といいます
βとαは「儲け」の中味を「それはキミの腕前が良かったのではなく、たんにマーケットが良かったからでしょう?(β)」という部分と「たしかにキミは付加価値を運用に持ち込んでいるね(α)」という部分に分解し、理解することを助けます。
最近の例でいえば「ワクチン株相場!」というのはα。「SaaS関連株相場!」もα。ゴールドもα。
その意味では新興国株式もα。
でもこれらは「きんぴらごぼう」なのであって「白いご飯」じゃない!
「白いご飯」は常に食卓に欠かせない定番です。
そりゃあなたは「きんぴらごぼう」が好きかもしれんが、人はきんぴらごぼうだけに生きるにあらず! いつか飽きが来る。
積立というのは「周囲の人々から自分だけ劣後してはならない!」という気持ちで始めるべき資産形成なので、あまり突飛なコトして失敗すれば人生棒に振る!
みんなとおなじことをやって!
それはとりもなおさず、βに注目すること。

from:じっちゃま(広瀬隆夫さん)twitter 2020.8頃


じっちゃまは、米国株投資でかなり有名な方です。Youtubeやtwitter、noteなどで積極的に情報発信しています。投資方法は、将来のテンバガー・今のアップルやマイクロソフトに将来成長するであろう企業を、決算をみて分析する方法を中心にされています(いわゆるファンダメンタル分析)。
なお、今Twitterは鍵アカウントになってしまい新しくフォローできません。

上に抜粋したTwitterは、ぼくはメモをとって何度も読み直している名言です。アルファとベータをこんなにわかりやすく書いてある記載は他にないでしょう。ちなみに、ダンはアルファをとりにいく投資戦略です。


重要な部分を補足していきます。

全体的には現金預金だけでは世界中の運用と反するので、何はともあれ投資をしましょうというメッセージです。

まず、金融機関の投資運用者がどのように考えるか書いてあります。
彼らもサラリーマンなので、例えばリスクの高い個別株だけで投資をして失敗してしまうと、出資元に説明責任が生じるため思いつきの投資をすることはできません。


そこで、インデックス商品(後述)に資産の大部分を投資し、市場が自然に値上がりする(ちょっと乱暴な言い方ですが)のにまかせます。
これがベータです。

そのままだと投資運用者が運用手数料をもらえる理由がなくなってしまう(出資元がインデックス商品に直接投資すればいいと思われてしまう)ので、成績が良くなるようにテーマなど掲げてもう少しリスクが高いETFや個別株に投資します。
これがアルファです(日本語でもプラスアルファっていいますよね)。

個人の運用も全く同じように考えるべきと主張しています。
じっちゃまは、このベータを「白いご飯」アルファを「きんぴらごぼう」と呼んでいます。日本人の主食である白いご飯をちゃんと食べる食事にして、その上できんぴらごぼうを食べましょうと言っています。きんぴらごぼうだけではいけません
つまり、ベータに関わる部分にしっかり投資しましょう、その上で余力があればプラスアルファをやりましょうということです。

なんという名言でしょうか笑。これをTwitterでサラッと言えてしまうじっちゃまの凄さが伝わってきます。

ベータの投資方法

じゃあ、とりあえず始める時のベータだけの投資ってどうやるの?それだけでちゃんと資産は増えるの?という疑問が湧いてきます。
具体的に見ていきましょう。

先程でてきたインデックス商品というのは、全米あるいは世界中に幅広く投資する投資信託やETFのことを指しています。具体的には下記の商品名になります。どれを選んでもほとんど僅差です。ETFか投資信託で迷う、差がよくわからないということでしたら、日本人の場合手間や手数料を考えても投資信託だけでよいでしょう。

・ETF
①VTI:バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)は、米国籍のETF(上場投資信託)。CRSP米国総合指数のパフォーマンスに連動する投資 成果を目指す。あらゆる時価総額規模の米国株式を保有。米国株式市場全体を投資対象とする。3500以上の銘柄を保有し、時価総額ベースでウエートを算定
②VT:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(Vanguard Total World Stock ETF)は 、米国籍のETF(上場投資信託)。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連 動する投資成果を目指す。同指数は、先進国と新興国市場の両方を対象とし、米国内外の株式で構成。時価総額加重の算出法を採用し、保有銘柄は四半期ごとにリバランスされる。
・投資信託
①楽天・全米株式インデックス・ファンド:上記VTIの投資信託版です。楽天以外の会社からも同様の商品が発売されています。
②eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):上記VTの投資信託版です。

これらの商品の運用利益、経費率、リスク(標準偏差つまり価格変動でしたね)はどうでしょうか。

個別銘柄を詳細に分析する目的の記事ではありませんので、いくつか見やすいリンクをはっておきますのでご参考にしてください。

下二つの英語のサイトは、ETFの標準偏差Standard Deviationを確認できます。記事作成時点のVTが直近10年で14.16、VTIが14.10と差はわずかでした。コ○ナショックのあったここ1年半のデータはおかしくなっているのであまり参考にできませんが、10年間でほぼおなじような標準偏差ということがわかりました。
(もし興味があればQQQやTLTのような全然違うレベルの標準偏差をみてみてください)

過去の値上がりが将来の値上がりに関係がないということは、前回の記事でかきました。標準偏差については、将来の値動きに関係があるということが証明されているので、これから長期投資先を決めるにあたり大いに参考になります。

結論としては、VTIかVTおよび関連商品であれば、利益率、経費率、リスクは問題ないことがわかりました。加えてどの商品も保有銘柄を「時価総額別に(重要です)」定期的に入れ替え=リバランスしてくれますので、ながく保有していても衰退する企業は運営会社が外してくれるので安心です。


つぎに、どのくらいリターンがあるか調べてみます。これは積み立ての試算になります。本来上記標準偏差を用いて考える場合一括投資に基づくのですが、計算が複雑になってしまうので実行できる方法でシミュレーションしてみます。一括も積立も理論上は結論は変わりません。なお、初心者によくお勧めされるドルコスト平均法は気休めということがわかっていますが、初期資金がない、心理的ハードルがある人には良い方法だと個人的には思います(自分も最初同じ気持ちでした)。


ダンが紹介してくれた複利計算に数字をいれています。

年利率6%(根拠はS&P500指数(配当込み、円換算ベース)の2001年~2020年のCAGR(年平均成長率)から、想定される運用コストを差し引いて算出した数値です)、25年積み立て、毎月5万円(iDeCo+NISAの一般的会社員の限度額から仮定)でいれてみます。

元本が1500万円、利息が約1982万円、総合計が約3482万円!となりました。老後資金不足問題は解決です!!
みなさんも自分の状況に応じて数字を入れてみてください。

なんで6%なのにこんなに増えるのかと言うと「複利」だからです。元本に利子がついて、その(元本+利子)に対してまた利子がついて…ということを繰り返すからこんなに増えるのです。

あくまで理屈上で考えた数値になりますので、この通りなる可能性の方が低いですが、逆にこの数値を含む±○%(わかりません)に正解があります。タイムマシンがない限り未来はわからないので、このように表現していますがリスク=標準偏差が低ければ資産の増加率は良くなります。
例えば1500万円分を全世界株式にきちんと投資していれば、元本割れするリスクは非常に低いです。再現性が高い投資方法ということは重要だと思います。

数式を知りたい方はこちらをどうぞ。とてもわかりやすく書いてあります。レバレッジ商品についても考察されておりリスクが高くなる割にリターンが増えにくい・変わらないこともあるということも別の記事に記載されています。

ベータの投資というのは、前回の記事でも説明した「市場平均」なのですが、言葉から平均点のようなイメージになってしまうので、ぼくの記事では「市場最適ポートフォリオ」と言い換えて書いていきます。
市場最適ポートフォリオのみで十分な利益が得られます!
まずはここからはじめましょう。

誰でもできる積み立て方法!

最後に具体的な方法について説明します。

①口座開設
②投資商品選択
③給料の入ってくる銀行口座から自動引き落とし設定
(④相場の変動時追加投資も可)

①口座開設

証券会社の口座を開きましょう。ネット証券なら自宅で作業を完了できます。税務署の審査に時間がかかるので1ヶ月は余裕をみた方がよいでしょう。

iDeCoとNISAが非課税なのでこちらの記事を参考に口座開設してください。
非課税枠が埋まったらアルファの投資をしましょう。

②投資商品選択

先程上に書いた4つの商品がおすすめです。楽天や三菱UFJ、SBIなどからほぼ同じ商品がでています。比較されているサイトがたくさんあるので自身で比較して選んでください。

なお、SP500連動か全米株式か全世界株式かの中で迷うことがあるかもしれません。これまでのアメリカの世界一の成長から考えると、全米株式が王道でした。しかし、これからアメリカだけでなく他の先進国や中国・インド・途上国などの成長を取り込みたいと思われるなら全世界株式でも良いと思います。ぼくはiDeCoでeMaxis 全世界株式、NISAで楽天・全米株式に積み立てていますが、全世界株式は5年で+87%のリターン、全米株式は8ヶ月で+10%のリターンです。何もしてない割にはいいと思いませんか?

③自動引き落とし設定

口座開設時に銀行口座の指定をします。実はこの自動引き落としが継続のコツだと思ってます。自分で投資する日を決めて操作するとどうしても手間がかかりますし、株価が高いor低いという情報で躊躇してしまうこともあるかもしれません。
給与が振り込まれる口座を指定して、自動的に天引きされるようにするのがお勧めです。

(④相場の変動時追加投資も可)

これはやってもやらなくてもいいと思います。
相場の変動があり、保有する現金(投資する余力のある貯金)と保有している全世界株式インデックスの比率が変化したら(例えば現金:株=2:8だったのに、コ○ナショックで現金:株が3:7になったら)追加購入するといった方法です。将来的なリターンが改善する可能性がありますが、手間がかかってしまうのでオプションですね。

まとめ

投資をはじめるなら「白いご飯」であるベータをはじめよう!
リスクとリターンのバランスがいい全世界株式インデックスがおすすめ
まずは証券会社口座開設から。


いいね!、スキしてもらえると嬉しいです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?