【金融理論から考える投資編】 ダーウィン的投資マネジメント法2
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こんにちは。高橋ダンさんの動画、本、その他投資や経済に関する情報をこの1年半たくさんみてきました。
ダンさんの投資に対する考え方、チャートの見方、努力と才能には脱帽するばかりです。
ぼくはといえば、2020年3月のコロナショックと言われる株価の暴落から真剣に投資に取り組み始めました。最初の頃はダンさんが言っていることがぼくの投資情報の全てだったのですが、いろいろな情報や古くからある金融理論について勉強するにつれて全体像がうっすら見えてきました。
ダンさんの投資戦略はこうした理論に裏付けされ、そこからウォール街で大成功を収められるような独自の方法を編み出したのだと思います。本をみているとダンは、逆張り戦略で資産を大きく増やしてきたことがわります。ファイナンスの基礎を持った上で、逆張りをしているので一見損失が大きくなりそうな投資法をおすすめしてくるように見えますが、基礎を知っていると、ああ、あの考え方に基づいているのねと理解しやすくなります。
今回の記事では、ファイナンスと呼ばれる金融理論を今の自分の理解の範囲でまとめて、それを基にした投資アイディアを考えてみたいと思います。
なお、長期の投資方法のみについての話になります。
最初からつらつらと理屈を書いていくと退屈なので結論を先に書きます!
注 ダンさんのオススメとは異なる意見です。
結論
・金融ファイナンス理論、統計分析から考えるとよく分散された投資対象に継続投資することによって複利効果によってリスクに対するよいリターンが得られる。
・具体的には、Vanguard Total World Stock(VT)かeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)だけの投資でも十分なリターンが得られる。
本題に入る前にひとつ質問です。みなさんはコストパフォーマンス(コスパ)って考えますか??同じ商品なら非常にわかりやすいのですが、例えばコンビニで売っているコーヒーが120円として、激安ディスカウントストアで全くおなじ銘柄のコーヒーが68円で買えることってありますよね。このケースなら値段だけみたら激安ディスカウントストアは約43%安くかえます。
世の中にはまったく同じ商品ではなくても、これなら割安ということもありますよね。例えば賃貸物件を借りるときに、いきなり1箇所の物件をみて住むところを決めるということは少なくて、複数箇所をみて決めると思います。駅からの近さ、周辺の買い物場所のアクセス、治安の良さ、部屋の広さや設備、日当たり、、、などなどたくさんのパラメーターがあります。家賃の安さを重視する人もいると思いますので、それは間違いではありません。こうした条件を見比べてみて自分からみて最良と思える物件を選びますよね。お金持ちの人なら駅徒歩2分、新築、スーパーまで歩いて1分、室内はゴージャス使用、日当たり最高でも家賃50万円というところを借りることができます。そこまでお金が無いぼくを含む一般人なら家賃5万円で住むところを探しますが、個人の価値観によってどこまでお金を出していいか決めると思います。これもコスパです。
何が言いたいのでしょうか笑。
投資でも同じことを考える必要があるという事です。つまり、リスク=価格変動が大きくてもリターンが大きい株を選ぶか、価格変動はほとんどないがその代わりリターンもほとんどない・しかし現金よりはある株を選ぶかということは、自分でリスクとリターンを比較して決めるしか無いということです。人によって異なりますが、ぼくとしてはミドルリスクミドルリターンが一番心地よいですし、投資に費やす時間もそこまで多くしたく無いので、コアとなる投資対象については手間隙をそんなにかけずそこそこリターンがとれて自然にどんどん増える、そんな投資対象がいいと思っています。投資に対するコスパです。
そんな都合がよい投資対象って無いでしょ!なに夢見ているんだと怒られそうですが、実は100年近く前からこのことに対して理論的に得られている正解があるんです。ひとつひとつ見て行ってみましょう。一切数式は出ないように解説してみたいと思います。
現代ポートフォリオ理論
いきなり理論という題名から入りました。いかにも難しそうですが、一般的に理論というものは検証できる過去の事象を分析して公式に落とし込むものです。ファイナンスという学問を学ぶと必ず教科書に登場します。
誰か偉い人が勝手に考えてこれが最強の理屈だ!と言っているものではありません。また、理論ですので現実にはズレが生じることは普通にありえます。導出の前提が崩れると結論も崩れてしまいます。
ですが、ネットや動画でよく見かけるような自分の考えたポートフォリオや個別の投資対象を過去のデータを用いて詳細に分析して結論を得るような投資方法(バックテストと呼ばれることもあります)と比べてどちらが信頼性が高いか考える必要があります。個人の感想としては、テレビのサザエさんのエンディングで実施されるじゃんけんが今週グーで勝ったから来週もグーが強い見込みです、過去30年のジャンケンの統計をとってみてもグーが強い傾向がありました、来週もグーが強いでしょう、と言っているのと変わりないと感じています(サザエさんが公平なジャンケンをするbotとすればジャンケンのそれぞれを出す確率はどれも約33.3%ですので優劣はありませんが、今週グーだったから来週もグーだと決めつけることと同じです)。
理論のいいところは、年限を何十年に伸ばして試算しても必ず同じ結果が得られるということです。バックテストですと採用する期間によっていくらでも有利に結果を得ることができますし、多くのバックテストでは税金・経費率・配当が省かれているので結果が過大評価されています。
さて、理論の前提として株価のランダムの動きからみてみましょう。
株価はランダムウォークすると言われています。コインの表が出たあと、表がでるか裏がでるかはその前に表がでたことと全く関係がないという理屈です。
株価は瞬時に全ての情報を織り込む(効率的市場仮説)こと + 情報はランダムに発生するためランダムに動くと考えられています。
しかし、多くの実証実験で株価のランダムウォークは否定され、ダンがよく言及するモメンタム(一定期間持続する方向性)が存在することがわかっています。チャート分析はモメンタムを利用した投資方法ですが、理論の裏付けに乏しく学問の世界からは評価されていません。(詳しくはウォール街のランダムウォーカー「テクニカル分析は儲かるか」に馬鹿にされて書かれています笑)
グローバルマクロストラテジストの田中泰輔さんは、チャート分析は似顔絵に近いと説明しています。目鼻顔立ちで見ればすぐに理解できるものの、写真とは違い本人そのものを写したものではないという意味です。チャート分析は長期にわたる投資では力を発揮できません。ダンも著書で「長期投資はチャートを見ないで粛々と定期的に買うだけ」とはっきり述べています。
モメンタムインジケーターであるMACDやRSI、ストキャスティクスは短期の方向性分析には有用と思っています。
ちょっと話がそれました。ランダムウォークすると仮定して、株価の平均値は図の一番下にあるように正規分布に近い可能性が高いとされています。
自然界に存在するものはほとんどものが正規分布するため、株価も正規分布すると仮定するとこの図のように平均値=期待値は日次リターンで多くの数値が真ん中に集中します。中心から外れる頻度が高い=標人偏差が高い=リスクが高いと、長期の投資対象として向いていないことになります。
普通に考えても、価格がもの凄くあがるけどもの凄く下がる投資対象(2021年8月現在だと暗号資産のようなもの)は長期投資に向いていないですよね。この下のようなビットコインの値動きを見てこれをメインに長期投資しようと思う人は少ないはずです。リスクが高い投資対象の代表です。その代わり今のところリターンは高いです。
反対にほとんど上下せずじわっと上がり続けてくれる投資対象の方が長期投資には向いています。下のような世界中の株式に分散投資するETFの値動きは安定しています。リスクは低いですが、リターンは暗号資産よりは低くなっています。
では、リスクが最も低くリターンを最大限にするにはどうしたらよいのでしょうか。ファイナンス理論を使えば過去の値動きは全く考慮せず結果を得ることが可能です。
まず相関関係について復習しましょう。
テンテンで表されているのが、二つの株価の値を横軸と縦軸につけて点で表したものです。それを例えば30日分点をつけると上のような図になります。
一番左上のような図になった場合、強い正の相関があります。右下のようになると強い負の相関があります。
具体例で言うと、S&P500指数と全世界株式投資信託は強い正の相関があります。全世界株式投資信託は6割以上アメリカの株式が占めており、アメリカの株価が全世界に影響を及ぼしているためです。
負の相関の例としては、S&P500指数と金の価格は強い負の相関があります。ダンがいつも力説しているように、歴史的に紙幣とリンクするように扱われ、時代は変わりリンクはしなくなりましたが、紙幣の価値が不安定になると価値が減らないものとして世界中の人が認めるものだからです。
つまり、値動きが強い負の相関を多様化して持っていた方が、なんらかの経済混乱があった時に、株式だけを持っているよりも安全かつリターンをあげることができるわけです。
次に進みます。
さあ、いきなり訳がわからない図がでてきました。うまくできるかわかりませんが解説します。
①はIBMが100%のポートフォリオ、②はコカコーラCoke100%のポートフォリオというような試算配分した人がいるとします(実際あり得ませんが笑)。①はリスクは高いのですが、期待リターンは高い、②は①と比べてリスクは低いのですが、期待リターンは低いポートフォリオと仮定します。
P=1,P=0,P=-a,P=-1と水色の線が書いてあります。Pはさっき復習した相関関係です。Pが1より低くなり-aに近くにつれて左に弓をひいているような線になってきました。相関関係が低くなればリスクを下げてリターンを増やせますが、曲線なので曲線の一番左の出っ張り部分がリスクリターン比が一番良いという意味です。aというアルファベットになっているのは固定された数値ではなくポートフォリオの割合によって数値が変わってくるからです。
なお、-1になるとリスクがゼロのポートフォリオですので現金や国債100%のポートフォリオという意味になります。リスクはありませんがリターンが他の資産に比べてあまりにも低いので投資効率が悪くなってしまいます。
では、ポートフォリオの割合は例えばIBM:Cokeを100:0,70:30,50:50,20:50,0:100のどの割合で保有することが適切でしょうか。それともこの中にはないのでしょうか。過去データを分析すれば答えはでるかもしれませんが、分析期間だけの話ですし未来にも適応できる保証はありません。
じゃあどうすればいいんだよ!そんなの未来がわかるタイムマシンがないと解らないよ、ドック、デロリアンで助けて!と言いたくなりますが、ファイナンス理論なら解決することができます。
この図の赤線の部分がポートフォリオを最も効率的にすることができる部分を表します。先程の「相関とリスク低減効果」の図のaの曲線です。
ここに資本市場線という一本の線を引きました。赤い線と交わる部分Mがマーケットポートフォリオといい、投資家にとって最適なポートフォリオとなります。言い換えると、銘柄を具体的にどのくらいの割合で投資するかは自分の取れるリスク許容度に応じて決めるべきでありリスク=標準偏差が最小になり、リターンが最大になるポートフォリオを考える必要があるのです。合理的な投資家(リスクリターンが一番よいところ=コスパが最もよいところで投資する人)は、リターンがとれるマーケットポートフォリオとリスクフリー資産を組み合わせたポートフォリオを保有するとも言えます。
Mの具体例でいうとIBM 60% Coke 40% 国債0%です。Mよりも左下の黒線部分上ですと株式が50%国債が50%のなかで国債割合が直線的にy=axとなります。「リスクフリー金利rf」は株0%国債100%です。Mより右上の直線部分上は借金をして国債投資するポートフォリオです。これらは理解を助ける例えばの数値です。
確率分布のところで書いたことを復習しましょう。リスクとは値動きの激しさつまり標準偏差のことでした。このリスクという言葉は、個人投資家が決めるものではなく投資対象固有のものです。ここは誤解無いようにしてください。
シャープレシオ
ポートフォリオ全体のリスク=標準偏差は小さい方が良いことがわかりました。リターンを増やすためにはリスクプレミアムを上げる必要ああります。
リスクプレミアムとは、ポートフォリオで増やすことができた運用実績-リスクフリー・レート(例えば国債のリターン)で表されます。これはCAPM理論と呼ばれる考え方から来ています。
シャープレシオ=リスクプレミアム ÷ ポートフォリオ全体のリスク
となります。ダンも著書や動画でシャープレシオが高いポートフォリオが良いと言っています。
シャープレシオを最大化するポートフォリオはあるのでしょうか。下の図で考えてみましょう。
これも先程と同じMのポートフォリオが、リスクを減らして期待されるリターンを一番大きくできるポートフォリオです。個々の投資家がとれるリスクに応じて考える必要があります。
以上からわかることは、リスクをあげればあげるだけリターンが得られるということは無いということも言えます。価格変動が大きい投資対象で、利益をあげようとするならばモメンタムが存在する時の短期投資だけにしておきましょう。
逆にいうと価格変動が少ない投資対象は長期的にリターンが良い可能性があります。積み立てていくならそうした投資対象がいいですよね。
ダンの長期ポートフォリオに当てはめて考えてみると、緑の株式部分と赤の現金国債部分を適切に組み合わせると、最もコスパがよいポートフォリオができあがるということになります。
市場平均とCAPM
つぎは市場平均とCAPMの説明です。
市場平均とは、理論上シャープレシオが最適であり、長期投資において100人中1位の成績をとりにいく戦略です。
「市場平均」に「平均」と書いてあるので、平均点のようなイメージをもってしまいますが違います。
市場平均は一般に「時価総額加重平均」のことです。決して「投資家の中で成績が平均点」という意味ではないです。「投資家が100人いたら、市場平均は上から50位」みたいなことを言う人がいたら、その人はあきらかに勉強不足です。
時価総額加重平均で分散されたポートフォリオは、平均点をとるポートフォリオではなく、市場最適ポートフォリオといったほうが誤解がないです。
2021年8月に市場平均とよべる時価総額加重平均で分散された投資対象の代表的なものはVTI(全米3000社を買って時価総額順に投資)ですがポートフォリオを恣意的に動かすのに比べてトップレベルの投資成績を上げられる可能性が高いです。これは、同じ投資対象で積み上げることによって、
幾何平均リターンを上げる(つまり成長率)ことが可能です。この考えが、
あらゆる分散方法で時価総額加重平均インデックスがシャープレシオが最もよくなるというCAPM理論になります。
理論的に正しくても、事後に間違っていたということは枚挙にいとまがありません。
一応ちょっとだけ数式を理解してみたい方向けに、Twitterから引用です。
数式解説。株価指数が幾何ブラウン運動を行うと仮定した場合のt年後の資産額予想ですね。
median:中央値。もし世界が100のパラレルワールドがあった場合に、上から50番目(=運が普通の人)の資産額ということ。
L:レバレッジ倍率
μ:年平均リターン
σ:リスク、別名標準偏差
V0:投資元本
幾何ブラウン運動っていうのは、ばらけ具合を示すσの値の範囲でランダムに細かく上下動しながら、年間ではμだけ上がっていくという運動。
株価指数をモデリングするのにちょうどよさげっていうのは、直感的にわかるよね。
eは、細かいことを端折ると大体2.7という数字。
「e^なんとか」は、「eのなんとか乗」なので、投資元本はt年後に「eのなんとか乗」になっている、ということ。
何とかの中身が「(Lμ - ((Lσ)^2)/2)t」なわけだけど、先ず算数の知識「なんとか乗」の値が大きければ大きいほど、なんとか乗する前より値は増える、負なら値は減る。
つまり「Lμ - ((Lσ)^2)/2」の値が大きいほどその投資はお金が増えやすい、また負なら減りやすいということ。
さて、ナスの過去20年(リーマンショックもその後の暴騰も含む)の平均リターン12%、リスク20%で「Lμ - ((Lσ)^2)/2」を計算。
レバ1倍:1*0.12-(1*0.2)^2/2=0.1
レバ2倍:2*0.12-(2*0.2)^2/2=0.16
レバ3倍:3*0.12-(3*0.2)^2/2=0.18
頑張ってる割には大して増えない。
理由はリスクが高いから。
ちなみに私のPF(過去30年平均リターン9%、リスク8%)で「Lμ - ((Lσ)^2)/2」を計算。
レバ1倍:1*0.09-(1*0.08)^2/2=0.087
レバ2倍:2*0.09-(2*0.08)^2/2=0.167
レバ3倍:3*0.09-(3*0.08)^2/2=0.241
リスクが低いと、レバをあげる程期待値が高くなる。
まあそんなわけで、結論としては「リターンだけ見るな、リスクとの兼ね合いをみて適正レバは決まるのです」という話になるわけですね。
ちなみに年リターン12%リスク20%のPFに2倍レバ掛けると、40年に1度レベルの大暴落で全財産失う可能性があるので、そっちも注意。
レバナスは危ない橋を渡る割には、実入りの期待値が私のPFの2倍レバレッジと大して変わらないので、全然おいしくないですね、という結論になるのかな。
ところで、「Lμ - ((Lσ)^2)/2」という式で、ポートフォリオの品質と適正レバレッジがある程度簡単に検証できるわけですね…便利ですな。
ちなみにこの式って、どうもレバレッジETF、レバレッジ投信を活用した場合らしいんですよね。
例えば利子0で借金して元本3倍にして1倍ETFを買うならば、この「レバ倍率による期待値の低下」はないそうです。なので、低金利のご時世では金借りてレバるのがお勧めになりそう。
前半で式の説明が書かれていて分かりやすくなっています。
後半に書かれているのはレバレッジ商品がリスクの割にリターンが増えないよ!という内容です。
最近レバレッジ商品が流行っているらしいので、最低限これくらいは理解してから売買したほうが良いでしょう。
次にCAPMの理論について説明を抜粋します。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/3955
(1) 投資家はリスク資産をポートフォリオとして保有する。
(2) 仮定により投資家は共通の情報を持っているので投資家が直面する有効フロンティア(リスク当たりの期待超過リターンが最も効率的なリスク資産の組み合わせの集合)は全て同じだ。
(3) 投資家は有効フロンティア上の点のいずれかと、仮定により同一のリスクフリー・レートで可能なリスクフリー資産での運用又は借り入れによる有効フロンティア上の点(M)に対応するポートフォリオの信用買いを行う。
(4) この際、投資家は、リスクに対して消極的であっても積極的であっても、(3)のような運用を行い、投資割合の多寡はあっても、リスク資産の組み合わせは同じもの(M)に投資しているはずだ。
(5) ここでリスク資産のマーケットの需給は均衡しているはずだと仮定されるが、するとMは全てのリスク資産を時価額のウェイトで保有した「マーケット・ポートフォリオ」であるはずだ。
(6) マーケット・ポートフォリオが最適ポートフォリオであるとの条件から方程式を解くと、個々の資産の超過リターンのマーケット・ポーフォリオの超過リターンに対する相関係数(=β値)に比例した超過リターンを持つ。
(7) マーケット・ポートフォリオに連動するリスクは超過リターンで補償されるが、個々のリスク資産のマーケット・ポートフォリオに連動しないリスクは分散投資によりゼロに近づいているので補償されない。
(中略)
しかし、共通の情報に加えて市場の均衡を要求して結果を導き出す(5)以下の後半のプロセスは大いに疑わしい。
どーん。つらつらぼくが書いてきた理論の話をばっさり切っています笑。
この記事が正しいとすると何をよりどころに投資したら良いのでしょうか?
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/33401
上の11年後(2021.8)の記事で山崎元さんは、個人投資家には全世界株式インデックスへの投資をもっともお勧めできる対象の一つとして考えをあらためています。
別の観点として、「全世界株式一本」にすると、リスク資産の中で、いわゆる「リバランス」を考えなくていいことは、個人投資家にとってかなり大きな現実的長所だ。「リスク資産は、全世界株式のインデックス・ファンド一本でいい」と言い切ってもいい時代になったのかも知れない。尚、今回、適当なETFがなかったのでデータを提示していないが、数%とはいえ日本株を「含む」全世界株式のインデックス・ファンドが、1本だけ投資するなら好ましく思える。
このトウシルの記事の抜粋です。この部分がこれまで書いてきた理屈から考えたぼくの個人的な答えです。
全世界株式のインデックスファンドとは
Vanguard Total World stock(VT)
eMAXIS Slim 全世界株式
たわらノーロード全世界株式
SBI・全世界株式インデックス
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
野村インデックスファンド・外国株式
などです。
どれを選んでも差はわずかです。値動きは変わらず手数料や為替手数料などを考慮すると、リターンのズレはごくわずかです。
ぼく個人はといえば、6年前からDIAM外国株式インデックスファンド(DC)という商品を積み立てていました。その後NSADAQ100に投資できる投資信託に切り替えましたが、リスクが非常に高いことから変更し、eMAXIS SLIM 全世界株式に切り替えました。積み立て開始から89.7%のリターンで、ほぼ2倍に増えています。しかもiDeCoなので取り崩す時に税金もかかりません。やっていることは毎月掛け金がちゃんと引き落としされているか、月1回くらいログインして残高を眺めている程度です。
ダンと出会ってから構築しはじめた長期ポートフォリオは+数%、短期投資の損切りもかなり多いので全体としては±ゼロ、その割に多大な時間を割いています。
何十年も先の場合どちらが正しいかわかりません。ダンの投資法は、市場平均+アルファをとりにいくための投資と考えています。しかし、+アルファって必要なのかしら?と最近考えてしまいます。市場平均、つまり市場最適ポートフォリオだけに投資し続けてもよいのではないかなと思う今日この頃です。
こちらの記事でも書きましたが、ダンの投資法はインデックス投資をものすごく多様化させたポートフォリオを手作りで作り上げていく方法です。プロだからこそ、それぞれのETFの相関関係や歴史的にこういうときどう動くのかということを頭に叩き込んで即行動しているのだと思います。この方法を真似できる人は多くはないはずです。リスクリターンの割合(投資自体のコスパ)は正直悪いと思います。
投資時間とリターンのにコスパ、個人で老後資金を作るという目的だけに絞るのなら、未経験者の家族にも自信を持っておすすめできる全世界株式のインデックスファンドだけで良いと思いました。
次回記事では全世界株式のインデックスファンドにどうやって投資するのが適切か考えていきたいと思います。
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