中村泰士さんは肝臓がん、なかにし礼さんは食道がん

 昭和歌謡の巨匠が次々と亡くなっている。10月に筒美京平さんが亡くなったのに驚いていたら、中村泰士さんもなかにし礼さんも亡くなってしまった。皆さん80歳を過ぎた同年齢の方々だ。阿久悠さんが腎臓がんで70歳で亡くなったことを考えると、平均寿命近くまで生きながらえたのは、幸いと言えるのかもしれない。みな同年代の昭和歌謡を支えてきた巨匠たちだ。

 阿久悠氏は、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」など、レコード大賞の作品を数多く手がけている。中村泰士さんとなかにし礼さんは、細川たかしの「北酒場」の作詞と作曲をしている。相次いで亡くなるとは、両者の深い縁を感じる。そして、皆さん「がん」と向き合って最期を迎えている。

 とりわけ、なかにし礼さんは、自身のがん治療に関する本を数冊出している。「がんと生きる」「闘う力」「生きるということ」などである。さすがに作家でもあるなかにし氏のこれらの本の評価は高い。一度、どれかを読んでみようと思った。

 「病むものは汝一人ならざるを知れ。」(内村鑑三)である。自分だけが苦しんでいるのではない、多くの病をもった人々がこの世にはいる。決して、がんになったことで、孤独に感じることはない。ともに、前を向いて生きていこう。明日はまた、新しい明日が来る。

 昭和の時代に、歌謡曲で勇気や感動、喜びを与えてくれた巨匠たちの冥福を祈りたい。

 

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