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あとがき、うらがわ①「公演と巡り合わせ」

 このnoteは、3/26~28に上演された配信演劇「反復かつ連続」(柴幸男原作)公演のマガジン記事です。公演の詳細はこちらをご覧ください。


※本公演は終演いたしました。演目全編のアーカイブ映像を1ヶ月限定で配信しております(2021年4月末まで)。バリアフリー字幕つき・なし、どちらもございますので是非ご覧ください。

アーカイブ映像はこちら

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終演から1週間

本公演をご覧いただいた皆様、応援してくださった皆様、ありがとうございました。
全員が健康で、本番を終えることができたのは本当に嬉しいです。
あとは来週いっぱいまで、経過観察をしていきます。

終演して1週間が経ちました。
その間に私は、家に帰って荷ほどきをし、入社式に出て研修を受けて、気付いたら社会人になっていました。
すでに、遠い昔のような気持ちです。

今回の公演は、何もかもが初めてのことだらけであり、これまでnoteに書いてきたこと以外にもたくさんの気づきみたいなものがありました。
この記事に一気に載せようとしたんですが、どう考えても長くなりそうだったので何度かに分けて投稿しようと思います。
アーカイブ公開期間が1ヶ月間あるので、どのタイミングでも新しい視点を見つけられるような、そんな記事になるといいなと思っています。

まず今回は、公演と巡り合わせについて。

本公演の企画がどのように立ち上がったかは、最初のnoteで書いたとおりです。

当時はまだ情報解禁をしていなかったので、脚本と会場、宣伝周りについて補足をしてゆきます。

なぜ脚本を『反復かつ連続』にしたか

今回、なぜ『反復かつ連続』を上演することになったのか。
上記のnoteにあるとおり有賀と公演を企画していく中で、感染対策として「一人芝居にしよう」というのがまず先立って決まりました。
そこで、一人芝居で、私と有賀がやることで面白くなりそうな脚本を探しました。いくつか候補を見つけて、有賀に提案。この候補の中に、『反復かつ連続』が入っていました。
その中から、「配信で観劇しても面白いもの」に絞っていき、「公演時間が30分程度のもの」にさらに絞り、「ワクワクする方」を選んで『反復かつ連続』が残りました。

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私と有賀では、配信周りの技術に対する知識が足りないことから、以前一緒にオンライン演劇を行った髙橋、松橋、古谷、西ヶ谷に声をかけました。偶然にも、このメンバーが興味のある、これから試したいことができる脚本でもありました。
彼らが参加できなかったら、今回の公演は実現できなかったなと思っています。

一軒家丸ごと一ヶ月

さて会場はどうしようかという話になって、ハウススタジオや貸し古民家などに目星をつけました。
しかし、どこも数日間借りるとなるとそれなりの金額がかかり、会場で稽古する時間が十分に取れなそうで、決めかねたまま数日が経ちました。

突然、松橋から、「一軒家を丸ごと一ヶ月、破格のお値段で貸してくれる人が見つかった」と急に連絡が入りました。「どういうこと?」となりましたが、とにかく決まったということで大喜びでした。

字幕つき公演

そこから、家主さんのことを伺うなかで「せっかく私たちとこの人が出会ったのだから、それを生かしたい」という話が座組内で出始めました。そこで、対談・家具の宣材写真撮・字幕つき公演などの「家主さんとの企画」が決まりました。

実は字幕付き公演については私も、いつかやってみたいと思っていたところでした。
一度目の緊急事態宣言期間中、手話ニュースを偶然目にしました。手話ニュース自体を見たことはありました。でも、私が演技をするようになってから改めて見てみると、キャスターの方の表情の豊かさに驚かされました。ちょうど、政府からの会見などで手話通訳の方を見かけることも多く、またマスクによって聞こえない人たちがより苦労をしていると言う番組も見かけていました。
そこで手話に興味を持って、微々たるものですが手話を勉強し始めました。
すると、「自分は演劇を5年間やってきたけれど、セリフに多くの意味を持たせている演劇って聞こえない人は楽しめるのだろうか?」という疑問も出てきて、いつか字幕公演もやってみたいなと思っていたところで本公演の企画が始まりました。

八王子という場所

さらに、お借りする場所が八王子と聞き、縁を感じました。中高が八王子だったので。写真は母校からの景色。
徒歩40分くらいの場所にあって、実は母校に直接宣伝に行ったりもしました。

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ちょうどそのとき、演技のことや役のことで悩んでいました。
でも、中高時代の私について先生方と話したり、教師と生徒の関係性について話していたりしたら、少しずつ悩みが解けていきました。
『反復かつ連続』は家族の話にも、一人の女性の人生の話にも見える脚本です。はからずも、自分自身のこれまでの人生について振り返ることで、役に対する考えが整理されていったのだと思います。


まとめ

演劇だけではないかもしれませんが、こういう巡り合わせみたいなものってあるんですよね。面白いくらいに、いろんな条件が満たされていくみたいな。
今回私は、特に「自分が社会人になる人生の節目だから」とか「手話を勉強し出したから」といった理由で脚本や会場を選んだわけではありません。でも結果的に、そういうことが繋がっていって公演が立ち上がって行きました。
多分、こういうのが楽しいんだろうなと思います。

そして、本公演をご覧になった方の中にも、このタイミングでこの演劇を観ることが何かの巡り合わせ、と感じている人がいたら嬉しいなと思っています。
公演が終わった今でも、メンバーが集まって、会場が決まって、稽古ができて、お客様に観ていただいて、ということが全部できたのは奇跡みたいなことだったと思います。どの公演でも思うのですが、今回は特に。

冒頭と重なりますが、本公演に興味を持ってご覧いただいた方、関わってくださった方に感謝の気持ちでいっぱいです。

次は、泊まり込み稽古について、記事にしようと思います。

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