【ココ昔なんだった?】代々木公園=日本で初めて飛行機が飛んだ地
昭和42年に開園した代々木公園(全園開園は昭和46年)は、前回の東京オリンピックの選手村を潰して造営された。
今はホームレスのテント村だが。
それ以前は「ワシントンハイツ」と呼ばれた米軍将校家族向けの宿舎だった。敷地面積2万7000坪、住宅数827戸、学校、教会、劇場、クラブ、診療所なども完備。建物の多くは選手村に転用された。
さらにその前は、陸軍省の代々木練兵場だった。代々木の原と呼ばれ一面、桑畑や茶畑だったこの地に、明治42年に造られた。刑務所も隣接し、二・二六事件の青年将校らも処刑されている。
ほの暗い歴史を持つ代々木公園だが、明治43年12月19日、一筋の光明ともいえる出来事が起きる。この地で日本で初めて飛行機が飛んだのだ。操縦したのは陸軍の徳川好敏大尉。仏製のアンリ・フォルマン式複葉機で4分間、高度70メートル、距離3000メートルのフライトだった。続けざまに日野熊蔵大尉が独製グラーデ式単葉機で1分間、高度45メートル、距離1000メートルの飛行に成功した。
ライト兄弟が世界で初めて空を飛んでからわずか7年。当時の東京の空は今よりずっと澄んでいたに違いない。
※日刊ゲンダイで「TOKYO時空の旅」というタイトルで連載されたコラム(ネット不掲載)著者自らが改訂したものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?