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開運酒場

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2019年4月に全国の縁起のいい酒場とパワースポットを巡る酒旅エッセイ「開運酒場」(自由国民社・購入は→https://amzn.to/2Os4m5J)を上梓しました。ぜひ第二弾…
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2019年8月の記事一覧

【開運酒場】見えないバリア、あるいは結界〜練馬・上海家庭料理 蛍〜

酒場は会員制でもないかぎり、基本的には「来るもの拒まず」の存在である。 後になにかをやらかして“出入り禁止”ということはあるにせよ、初めての場合なら、よほど臭うほど不潔であるとか、明らかに泥酔しているとかでないかぎり、ナンピトタリトモ、その店に入る権利がある。 店側も基本的には、より多くの客に入って来てもらわなければ商売にならない。 にもかかわらず、目に見えないバリアに覆われている酒場がある。 例えば立ち飲み屋台。 店と通路を仕切る扉は無く、ほん

【開運酒場】酒とテーブルと椅子があればいい〜立石・倉井ストアー〜

歳をとるとだんだん大げさなことがいやになってくる。 酒場にしてもそうだ。 凝った内装や過剰なサービスは邪魔。 ただそこに酒があり、その酒を置くテーブルがあるだけ(場合によってはなくてもいい)といった、そんな酒場が近ごろは大好きだ。 その一つが、ここ。 観光化している立石を避け、近ごろは隣の青砥を訪ねることが多いのだが、その青砥のとある飲み屋のマスターに「俺が立石で行くのはココ」と教えられた店だ。 立石駅北口を出て、葛飾警察署方面へ歩くこと10分。 住宅街にポツン

【開運酒場】ひばり愛が深すぎる!〜いわき市・食事処おかめ〜

 福島県いわき市にある「JRA競走馬リハビリテーションセンター」は、現役競走馬に温泉療法を行うため日本で初めて1963年に設立されたリハビリ施設。いわき市商工会議所のさそいを受けて取材した。 普段、競馬はやらないが、プール調教のあと、天然温泉(日本三古泉の一つ「いわき湯本温泉」)に気持ち良さそうにつかるお馬さんを見て、辛抱たまらず温泉に入りたくなった。 きけば、すぐとなりの「喜楽苑」という宿で同じ源泉に入れるという。さっそく、自慢の露天風呂へ。 大自然に包まれながら、ち

【開運酒場】知りもせず、色々飲み散らかしてきたこれまでの自分にゴメン〜新宿三丁目・養生餐よきこときく〜

取材の後、もはや暑さでこれ以上仕事をする気もなく、新宿三丁目をさまよっていた時、ふと見かけた立ち飲み屋。 ふだん、こういう新手の日本酒バル的な店は、カフェ店員みたいな若い店主のにわか日本酒ウンチクがムカつくのでなるべく敬遠しているが、なぜかこの日は惹きつけられるものがあり、入ってしまった。 暑すぎてこれ以上歩きたくなかったせいもあるだろう。 こちらは、奈良の美吉野醸造という蔵の酒のみを出す店。 蔵のアンテナショップではなく、目の前のビルで酵素風呂の店を営むオーナーが、