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ODN IPフォンを Grandstream GS Wave で使う
2024年3月14日追記:
本記事で取り上げている ODN IPフォンは、2023年12月14日で新規申し込みが終了となった。契約中の回線は引き続き使える。
追記ここまで。
前回までの記事で ODN IPフォンを YAMAHA NVR510 を使ってアナログ電話機で使う方法を紹介した。
今回もまた ODN IPフォンの設定情報を紹介する。
ODN IPフォンはSoftBank系IP電話、基本料金無料、SIP情報あり、ISPフリーとまさに神サービスなので、あらゆる接続情報を全力でシェアしたい。
今回は米国ボストンGrandstream社のスマホ用 SIP電話アプリ、GS Wave から使う方法を紹介する。
Grandstream GS Wave とは
Grandstream GS Wave はスマホで動く SIP電話アプリで、5回線の SIP回線を収容できる。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.grandstream.wave&hl=ja
なお GS Wave はアプリストアでは Grandstream Wave Lite - Video という名前になっていて紛らわしい上、似たような名前の違うアプリもあるので注意する。
ODN IPフォンとは
再掲になるが、
ODN IPフォンは、ISP の ODN が同社のユーザ向けに提供している 050番号を使った IP電話サービスで、申込みが必要なものの基本料金はかからず利用できる。ODN の ISPアカウントは、NTT東西のフレッツ光ネクスト向けであれば
1,320円/月(税込み)(2年間は 550円/月(税込み))とライバル社と比べても比較的安価なので、ODN IPフォンを使うために現在使っている ISP からの乗り換えを検討してもよいと思う。ちなみに私は、ODN IPフォンを使いたいために ISP を 2,200円/月(税込み)の IIJ から ODN に乗り換えた。
ODN は元々、日本テレコムという JR系の電話会社の提供する ISPサービスだったが日本テレコムが SoftBank に買収されたため、現在は SoftBank の ISPサービスの一部になっている。
SoftBank は光コラボの SoftBank光、NTT東西フレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである Yahoo!BB光、そして個人・法人向けのフレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである ODN、法人向けのフレッツ光向けの ISPサービスである SpinNet と歴史的な理由もあって 4つの ISPブランドが併売されているが、Yahoo!BB光と ODN は似たようなサービス内容でどちらも 1,320円/月(税込み)なので、IPoE IPv6 が使いたい、BBフォンを使いたい(光BBユニットという独自の CPE をレンタル(レンタル料金が必要)する必要がある)場合は、Yahoo!BB光、ODN IPフォンを使いたい場合は ODN を選べば良い。
同じ SoftBankグループの SoftBank光や Yahoo!BB光では 050番号を使った IP電話サービスとして BBフォンを提供しているが、BBフォンを利用するには 513円/月(税込み)の光BBユニットのレンタルが必要で、基本料金は無料であるものの、実質、有料オプションと言ってもよい仕様になっている。
BBフォンと違って ODN IPフォンの場合は汎用の SIP規格を使うので、自前で用意した SIP電話機やスマホの SIPアプリを使うことができ、かつ契約には ODN の ISP契約が必要であるものの、ODN IPフォンの利用自体は他の回線からも可能なので、SoftBank系に通話料無料で ISPフリーで使える、というある意味隠れた名サービスと言える。
なお、通話料が相互に無料になる相手は、ODN IPフォン(電話番号050-20xx-xxxx が多い)、BBフォン(050-1xxx-xxxx)、Dialpad(050-1xxx-xxxx)だけだが、逆に掛けてもらう時は KDDI-IP電話や KDDI系の CATV系事業者(ケーブルプラス電話)からも通話料無料になる。
というサービスで設定情報は郵送で送られてくる。
ODN IPフォンの設定情報
こちらも再掲になるが、ODN から送られてくる ODN IPフォンの設定情報がこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1656296895999-w3asik0rUX.jpg?width=800)
必要なのは SIPサーバ名、IP電話番号、IP電話パスワードの 3点のみ。ほかは不要。
Grandstrema GS Wave の設定
![](https://assets.st-note.com/img/1656300657308-1TLPj9q7d3.jpg?width=800)
Settings、Account Settings に進む。
右上の + をタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656300738253-qgNxHZlLhJ.jpg?width=800)
SIP Account をタップ。
Account Name はアプリ上で表示されるだけなのでわかりやすければなんでもよい。(5アカウントを切り替えて使えるので、その識別に使う)
![](https://assets.st-note.com/img/1656301032264-OXmZQq31sA.jpg?width=800)
SIP Server はSIPサーバ名、blu.odn.ne.jp を入れる。
![](https://assets.st-note.com/img/1656303158342-7JcFl1kzDL.jpg?width=800)
その他の項目は図の通り。
SIP USer ID と SIP Authentication ID は IP電話番号を入力。
Password は IP電話パスワードを入力。
右上の ✓ をタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301501327-xgyloJwwxZ.jpg?width=800)
残りの設定をしないと SIP REGISTER できないので赤いまま緑にならない。
いま作成したアカウントを再びタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301572309-C1N3k8Q44d.jpg?width=800)
Outbound Proxy に SIPサーバ名、blu.odn.ne.jp を入力。
NAT Traversal で STUN を選択。
Preferred Vocoder をタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301675670-DITbnJazCa.jpg?width=800)
WiFi、2G/3G/4G でそれぞれ同じ設定を行う。まずは WiFi をタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301742157-E1HV24lEHC.jpg?width=800)
PCMU だけチェックを入れて右上の ✓ をタップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301815995-1HXmM5vyi0.jpg?width=800)
ここまで設定すると、表示が緑になって SIP REGISTER できていることがわかる。
ODN IPフォンから発信
![](https://assets.st-note.com/img/1656301883517-6CDNCR0e5v.jpg?width=800)
いま設定したアカウントを選択して、携帯電話に発信してみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1656301959001-Y4f2mjmqOD.jpg?width=800)
少し見づらいが、ODN IPフォンの電話番号(050-2008-11xx)から掛かってきていることがわかる。
通話してみると遅延は感じられず、音質も固定電話と遜色ない。(携帯電話側では判別不能)
ODN INフォンへの着信
今度は逆の、携帯電話から ODN IPフォンの電話番号に発信してみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1656302074740-hqhj7UwKGG.jpg?width=800)
GS Wave は設定済みの 5アカウントのいずれに掛かってきたものでも、着信することができる。
掛けてきた発信元の番号と同時に、どのアカウント宛に掛かってきたかも呼び出し画面でわかる。(Ringing… のあとが設定した Account Name)
![](https://assets.st-note.com/img/1656302198971-FAmTR8v50r.jpg?width=800)
もちろん、通話品質に関してはまったく問題ない。
このあたりはさすが本職の電話会社といったところで、テストのために短時間での切断からの再発信、発信キャンセルからの即再発信など、嫌がらせのようなシチュエーションを想定しての動作もやってみたが、エラーなどになることは一度もなかった。
余談だが、意外と SIP系サービスは単純な発着信だけなら問題ないものの、切断後、数秒置かないと次の発信が行えなかったり、着信時にすぐ着信拒否すると発信側がずっとリンギングし続けたり、といった怪しい挙動を起こすケースが少なくない。
もちろん、ODN IPフォンも SIP を使っているので同様の挙動を起こす可能性はあるものの、少しテストしている範囲では観測できなかった。
近日中にファックスの送受信テスト、SIP電話機の Grandstream GXP1625、GRP2513、Wi-Fi SIP電話機の Grandstream WP820 での設定方法、そして SIPアプリの PortSIP UC、Mizudroid での設定方法を紹介する予定だ。
さいごに
技術的な小難しい話題でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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