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ODN IPフォンを Grandstream GXP1625 で使う

2024年3月14日追記:

本記事で取り上げている ODN IPフォンは、2023年12月14日で新規申し込みが終了となった。契約中の回線は引き続き使える。

追記ここまで。



以前の記事で、SoftBank系050IP電話サービスの ODN IPフォンを、YAMAHA NVR510 に接続したアナログ電話機から使う方法を、前々回の記事でスマホアプリの Grandstream GS Wave で使う方法を紹介した。

ODN IPフォンSoftBank系IP電話、基本料金無料、SIP情報あり、ISPフリーとまさに神サービスなので、あらゆる接続情報を全力でシェアしたい。

今回は米国ボストンGrandstream社の SIP電話機、GXP1625(PoEレス版の GXP1620 も設定は同じ)から使う方法を紹介する。

GXP1625 は過去記事で twilio で使う050 plus で使う方法も紹介した。



ODN IPフォンとは


再掲になるが、

ODN IPフォンは、ISP の ODN が同社のユーザ向けに提供している 050番号を使った IP電話サービスで、申込みが必要なものの基本料金はかからず利用できる。ODN の ISPアカウントは、NTT東西のフレッツ光ネクスト向けであれば 1,320円/月(税込み)(2年間は 1,100円/月(税込み))とライバル社と比べても比較的安価なので、ODN IPフォンを使うために現在使っている ISP からの乗り換えを検討してもよいと思う。ちなみに私は、ODN IPフォンを使いたいために ISP を 2,200円/月(税込み)の IIJ から ODN に乗り換えた。

ODN は元々、日本テレコムという JR系の電話会社の提供する ISPサービスだったが日本テレコムが SoftBank に買収されたため、現在は SoftBank の ISPサービスの一部になっている。

SoftBank は光コラボの SoftBank光、NTT東西フレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである Yahoo!BB光、そして個人・法人向けのフレッツ光ネクスト向けの ISPサービスである ODN、法人向けのフレッツ光向けの ISPサービスである SpinNet と歴史的な理由もあって 4つの ISPブランドが併売されているが、Yahoo!BB光と ODN は似たようなサービス内容でどちらも 1,320円/月(税込み)なので、IPoE IPv6 が使いたい、BBフォンを使いたい(光BBユニットという独自の CPE をレンタル(レンタル料金が必要)する必要がある)場合は、Yahoo!BB光、ODN IPフォンを使いたい場合は ODN を選べば良い。

同じ SoftBankグループの SoftBank光や Yahoo!BB光では 050番号を使った IP電話サービスとして BBフォンを提供しているが、BBフォンを利用するには 513円/月(税込み)の光BBユニットのレンタルが必要で、基本料金は無料であるものの、実質、有料オプションと言ってもよい仕様になっている。

BBフォンと違って ODN IPフォンの場合は汎用の SIP規格を使うので、自前で用意した SIP電話機やスマホの SIPアプリを使うことができ、かつ契約には ODN の ISP契約が必要であるものの、ODN IPフォンの利用自体は他の回線からも可能なので、SoftBank系に通話料無料で ISPフリーで使える、というある意味隠れた名サービスと言える。

なお、通話料が相互に無料になる相手は、ODN IPフォン(電話番号050-20xx-xxxx が多い)、BBフォン(050-1xxx-xxxx)、Dialpad(050-1xxx-xxxx)だけだが、逆に掛けてもらう時は KDDI-IP電話や KDDI系の CATV系事業者(ケーブルプラス電話)からも通話料無料になる。

ODN IPフォンを YAMAHA NVR510 で使う

というサービスで設定情報は郵送で送られてくる。


ODN IPフォンの設定情報


こちらも再掲になるが、ODN から送られてくる ODN IPフォンの設定情報がこちら。


必要なのは SIPサーバ名、IP電話番号、IP電話パスワードの 3点のみ。ほかは不要。


GXP1625 の設定


Grandstream GXP1625本体の画面で、次画面というボタンをクリックすると IPアドレスが表示されるのでブラウザからアクセスする。


デフォルトではユーザ名、パスワードとも admin になっている。このパスワード、工場出荷状態にリセットでリセットされることとされないことがある。


設定一般設定に進む。


STUNサーバの欄に、stun.l.google.com:19302 と入力し、保存して適用をクリックする。

ここで一旦、再起動する。ここで再起動しないと、以後、この設定が反映されないというバグがある。再起動は設定画面の一番上にある。


再起動が終わったら、アカウントアカウント1ネットワーク設定に進む。


NATトラバースSTUN にして保存して適用をクリック。


アカウントアカウント1一般設定へ進む。


アカウント名は液晶画面で表示されるものなのでわかりやすければなんでもよい。

SIPサーバアウトバウンドプロキシに ODN から送られてきた SIP設定情報にあった SIPサーバ名blu.odn.ne.jp を入力。

SIPユーザID認証ID は、IP電話番号を入力。

認証パスワードIP電話パスワードを入力。

保存して適用をクリック。


アカウントアカウント1音声設定に進む。


選択項1~7 をすべて PCMU にする。

ジッター・バッファ長100ms にする。

保存して適用をクリック。


必須ではないもののオススメの設定として、アカウントアカウント1SIP設定セキュリティ設定の中で、受信INVITE の SIPユーザID を確認プロキシから受信する SIPのみを許可します受信する INVITE を認証します、の 3点を YES とすると不正な SIP spam を防ぐことができる。

ただし、ルータ配下から ODN IPフォンに登録している場合、ルータで NAPT を使ってランダムなポートを使っているはずなので、偶然ポートが一致する、などのことがなければ SIP spam が来ることはないので、気休めとも言える。ルータで静的マスカレードを設定していたり、GXP1625自体がグローバルIPv4アドレスを持っている場合などは、この設定は必須とも言える。


以上の設定を行うことで、ODN IPフォンに SIP REGISTER できるはずだ。

うまくいかない場合は、再起動してみるとつながることがある。(本記事執筆中にも、5回くらい再起動を繰り返している)


通話してみる


GXP1625 からスマホに向けて発信。


ODN IPフォンの電話番号(050-2008-11xx)と通話できている。


別の携帯電話との通話中の様子だが、コーデックは PCMU が使われていることがわかる。


まとめ


0AB~J固定電話の代替として、維持費と通話料が安い 050 IP電話を使おうと考えたとき、固定の電話機が使えると便利なことがある。

Grandstream の GXP1625 は安価で手に入って 2回線の SIP回線を収容できるので、本機に ODN IPフォンと 050 plus を設定しておいて、両番号を待受、好きな番号から発信、という使い方もできる。

神サービスの ODN IPフォンについては、今後も設定情報を追加していく予定。


さいごに


技術的な小難しい話題でしたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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