見出し画像

模型の解像度について思うこと

私は塗装の際に実体顕微鏡を使います。8倍のものです。小さいフィギュアを塗る際、どうしてもルーペでは見えず、Twitterで先達にいいよと勧められて必要に駆られて購入しました。とりあえずで良いやと云う事でAmazonで探してセールで安かったものを買いました。11000円位だったと思います。届いたその日、とりあえず自分の会心の塗りだったものを顕微鏡で覗いてみると声を出して笑ってしまいました。多分、顕微鏡を持ってる人はみなその体験をするのでは無いでしょうか。兎に角全然塗れてない。はみ出しまくってます。こんな出来で自分は満足していたのかとおかしくなってしまいました。後先考えないで手前にバーがあるタイプを購入してしまい塗るのに難儀しましたが今では慣れてしまいました。顕微鏡を覗きながら小さいフィギュアの目入れをする訳です。どうかしてますよね。ただ兎に角見える。よく見える。今まで見えていたと思っていたものは全てアテカンで塗っていたんだなと思いましたね。で、顕微鏡覗きながらこれは上手くいったぞと会心の塗装が出来た時、肉眼で見てみるとあれ割と面白くないな、と感じる事があるのです。

模型にも解像度と云うものがあると思っておりまして、それは簡単に云えば写真の画素みたいなものなので、アイテム毎に画素がバラけていると全体調和がおかしな事になる、と云う事です。例えば戦車は1000万画素なのにフィギュアが200万画素だと載せた際に違和感が出てしまいます。スケールごとにも変わるでしょう。小さいスケールほど遠くにあるものなのであまり濃すぎても違和感が出てしまう。人間の感覚はとかく恐ろしいものです。先程私が自分の塗装に感じた違和感もここら辺が関係しており、肉眼で対象を見た時に、サイズとして不必要な精度というか情報量だった訳ですね。中々説明が難しいですが、正確な事が全てではない、寧ろどうスケールとして嘘をつくかがこの解像度の肝だとその時に気づいた次第です。そうなると塗装によってはどのようなスケールに見せることも可能なわけです。先達の素晴らしい模型はスケールが分からないものが多いです。模型はそもそも本物の嘘っぱちな訳で、如何に上手に嘘をつくかと云っても過言では無い気がします。対象のサイズにあった情報の取捨選択と正確性が解像度に関係してくると考えるわけですね。

最近のカメラは性能がとてもよく、実物の何倍も大きく綺麗に撮れます。模型の醍醐味は肉眼で見た時の「そこにある」感じが1番なのですが、インターネットではそれ以上のサイズと解像度の写真がある訳ですからおっかないですよね。肉眼でも写真でも齟齬がないものが塗れたら最高なのですが……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?