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楽しさを探す

「この世に面白くない本など1冊もない」と云うのは京極夏彦氏の言葉で、私が感銘を受けた好きな言葉のひとつです。小説は1人で書くものですが、本になるまでに多数の人間が力を合わせて世の中に出版されます。その過程において誰もが面白くないと思ったら、それは本になりません。ですので世の中にある本は須らく面白いと云う考え方なのですが、これはどの製品にも当てはまることだと思います。製造の過程で、誰も面白くないものだったら世の中に出てきません。この考えを聞いた時から私は色んなものを読んでみようと思い直しました。プラモデルもまた然り。世の中にあるプラモデルはすべて面白いのです。そうかなぁ、車とか戦車とか興味無いもんなぁとお思いの貴方、かの京極夏彦氏もシベリア超特急が何で面白いのか分からなかったそうですが、それならシリーズ化されるわけも無いと思い何度も見直したそうです。そうしたらある時突然に面白さがわかったそうです。もし貴方が、そのプラモデルの面白さが分からなかったら。それはまだ楽しみ方を知らないだけかも知れないですね。そうでなければ、シベリア超特急よろしくこんなにシリーズ化されていないのですから。

プラモデルは模型です。その形を模したものを組み立ていくわけですが、そのモチーフをよく知ることで出来上がるものに対する気持ちの投射もまた変わってきます。なぜこの車が、なぜこの戦車がプラモデルになったのかを考えると、そこには其のモチーフに対するメーカの思いが、そのプラモデルに入っている事がわかります。それはフォルムであったり、ディテールであったり、はたまた組み立やすさであったり、それに携わった人たちの面白さが詰まっているわけですね。私たちはそこに感心したり感謝したり、時には悪態をついたりしながら自分の思いや考えを重ねていったりするのですね。そこに面白さがあるのでは無いかと思っています。よく何とかは自由だと云うタグでSNSは盛り上がったりしますが、自由とは選べる事だと思っております。選べるとは視点の多さ、選択肢の多さが大事です。

楽しいところに人は集まります。時には好きなジャンル以外の色んなものに目を向けて他の楽しさを探してみるのも良いのではないでしょうか。今ここには無い新しい楽しさがそこにはあるはずですから。

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