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メッキをかける

昨年あたりから模型仲間とプラモデルのランナーにメッキをかけてくれる業者があると盛り上がっておりました。1枚500円で掛けてもらえるとのこと。まあお安い。ツイッターでもその業者さんに頼んでかけてもらったものを作った方のものを見ていたんですが、これがまたとても綺麗で良いのです。昨年の暮れにその模型仲間であつまり、メッキをかけたいランナーを持ち寄り、一括発送してもらいました。2月に仕上がりの連絡を受け、仲間宅にてそれを受け取りました。これが本当にとても良い。ピカピカです。とても頭の悪い表現ですがそれくらい脳が後退するパンチがあります。あのころ欲しかったメッキパーツが手元にあるのですから。

一般的なモデラーであれば、メッキ加工されたパーツは忌避しがちだと思います。まずそのメッキを剥がさないと塗装が出来ませんし、そのまま組んでしまうとどうしても『おもちゃっぽく』なってしまう。塗装派としては面倒なパーツになりますよね。それがどうでしょう。私がかけたものはSDガンダムの金メッキなのですが、やはりSDガンダムの一部がメッキだとテンションが爆上がりになります。子供の頃に欲しかったけど(子供にしたら)高価だったSDガンダムと同じ感じになるのです。これは、塗装ではどうしても出せない。素晴らしいメッキ風塗料も沢山ありますが、本物のメッキにはやはり叶わないのです。面白いなと思ったのは、プラモデルの「完成の方向性」が違うとこうもメッキに対する印象がガラリと変わるのだなと云う知見でした。


この溢れる限定品感

プラモデルをどう仕上げるのかは人それぞれですが、多くのモデラーはプラモデルの「おもちゃっぽさ」をどう消すかに腐心します。合わせ目やパーツのシャープさ、塗料の厚みやツヤ、ディスプレイに至るまでいかにそれがプラモデルであるかを分からなくさせる事に注力します。メッキなんか言語道断なんですね。ゲートあとは残るしパーティングラインも消せない。なによりピカピカしてるのが他のパーツと一体感が出ない。その為ハイターなどで落として塗装処理できるようにするひと手間を加えるわけです。しかしながらアイテムによっては、トイ(おもちゃ)側にあえて寄せていくことでプラモデルっぽさを無くしていく方向性もあるのだなというのが今回メッキパーツを作ることで思い至った心情です。だってあの頃欲しかったのは、高くて買えなかったトイ(おもちゃ)で、それを我慢するために代替品としてプラモデルを作っていたわけですから。

時にこういった遊びをすることで、思いがけずに思い込みが溶けて気づくことがあります。それはノスタルジィだったり初心だったり色々ありますが、模型の新しい楽しみ方の再発見で嬉しい気分になりますね。
※メッキ加工はこちら

あのころ欲しかったおもちゃが手のひらに


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