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燃え尽きない

模型の祭典、静岡ホビーショーに行ってまいりました。会場であるツインメッセには所狭しと模型が展示されております。ここ数年の中では一番の盛況だったのではないでしょうか。まさにお祭りです。メーカの新製品発表会の側面とプロアマ問わずモデラー達の作品群が展示される展示会とで構成されており、どちらも見応え十分。非常に眼福な2日間でした。得に私の好きなプロモデラーの作品なんかは食い入るように見てしまいました。模型はやはり生で見てこそですね。紙面では分からなかった所や、ここはこんな色だったのかとかこんなサイズだったのかとか感心しきりでした。皆さん渾身の作品がすし詰め状態で熱量の凄さにクラクラします。皆さんがこの日この為に合わせて作られるのですから本当に凄いですね。模型熱を貰って帰宅の途に。熱いうちに私も叩こうと机を前にするのですがどうにも手が動かない。凄い作品群にあてられた為か、旅行の前後で数日間模型作業をやっていなかった事もあり、どこから手をつけようか考えてしまい1度手が止まると中々重い腰が上がらない。困ったものです。

最近読んだ本で、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』と云う本があります。とても面白い本でしたのでタイトルに心当たりがある方にはオススメです。詳しくは読んで頂くとして、詰まるところ燃え尽きてしまうと新しいものを入れる余裕が無くなると云う話になるのですが、これは本に限らず模型でも同じ事だなと繋がる部分を感じました。一つの作品が完成する時、達成感とともに燃え尽きる感じを感じてしまいます。制作意欲に燃えて作り上げたのですから当たり前なのですが、燃え尽きてしまうと次の製作に移行する時の最初の火入れがとても大変なのですね。1度エンジンを停めてしまうと立ち上げるのにエネルギーがとても必要になります。継続してエンジンを回し続ける方がエネルギーロスが少なくて済む訳です。運動法則みたいですね。私の作業机の周りには製作途中のものが多いのですが、理由はそこにありまして、常に未完成のものが手元に有り続ける事でエンジンストップを避けている訳です。

永く製作を続けていく上でモチベーションの維持はとても大事だと思います。自分が満足するために作っているのですから、完成すれば満足します。しかしその満腹感が、次のアクションに移る際に枷となる事もままあるわけです。展示会に合わせて燃えるのは楽しいです。私も経験があります。しかし、燃え尽きてしまうと暫く動けなくなってしまうのも困りものです。何事も腹八分が大事なのかもしれないですね。


座右の銘は「未完成」かも知れません

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