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模型は無駄なもの

小さい頃からプラモデルが好きで、お小遣いを貰うとすぐプラモデルに置換されてしまう子供でしたので、親からはその頃から「また無駄なものを買って」と白い目で見られながら育ってまいりました。ですのでおもちゃは「無駄なもの」として刷り込まれ大人になりました。大人になり色々な本を読む中でミステリィに嵌り、森博嗣を読むようになります。大学生の頃ですね確か。ミステリィも面白いのですが、エッセイがとにかく衝撃でした。モデラー諸氏は読んだ方が良いのではと思えるくらい目からうろこというか、憑き物が落ちたというか、兎に角人生観が変わりました。氏は模型を買うために小説を書いたと公言されているモデラーです。人生において無駄な事ほど大事なものは無いと、その時に教えられました。どんな勉強よりも心に染みました。今もその思いは変わらないですし、多分死ぬまで変わる事はないでしょう(何かの病にかからない限りは)。

人は食べて働いてお金を稼いで生活をします。生きるために働いて、生きるために食べ物を食べます。これは命を維持するためで、では何のためにその命を維持するのか。何をするためにそんなことまでして生きているのか、生きることは手段であり、目的がほかにあるのでは無いか。それは楽しむ事なんですよね。楽しみ方は人それぞれです。人は楽しむことに時間とお金を使います。それは大人もそうです。年齢なんかは関係ありません。好きな事をする為に、時間とお金を使う。その為に働くわけです。大学生の頃にこのことに気づけたのは僥倖でした。私は何かを作るのが大好きな事に幸い小さい頃に気づけたので、この人生は作ることを楽しむために生きるのだという比較的明確な目的が出来たわけです。母のかけた無駄なものという呪いはその時にストンと落ちたわけですね。模型は無駄です。ただ、無駄を楽しむのが人生なわけです。

日々自問自答しながら、本当に好きなことは何だろうか、これは楽しくなるのだろうかと考えながらどうしたら楽しくなるのかを思いながら生きられる人生であるように。これだけは子供に教えてあげたいことですね。あとは自分で考えれば良い事ですから。

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