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アーセナルを追いかけて 第2回

第2回 01-02シーズン

3月31日のマンチェスター・シティとの頂上決戦は、ヒリヒリする展開で痺れました。アルテタが、これまでの攻撃サッカーを封じてディフェンシブに
戦うところにタイトルにかける執念が見えました。お互いが、長所を潰し合う展開になったんで0-0の引き分け。リヴァプールが首位に立ちました。
アーセナルがプレミアのタイトルを取るためには、一戦も落とせなくなりました。

さて、01-02シーズンですが、この頃はアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドとの2強時代。ややユナイテッドが有利の立場であり、ベッカムとかロイ・キーン、ギグス、スコールズといったスター選手が揃ったチームでした。しかし、アーセナルも負けてはいません。アンリ、ピレス、リュングベリ、ベルカンプ、ヴィエラ、そしてフェイマスバック4の強力な布陣ができあがりました。そこへ、スパーズからの禁断の移籍でソル・キャンベルの加入。若手の左SBアシュリー・コールの台頭でディフェンス面は強化されました。

アーセナルはアウェイで無敗を続け、中盤あたりで首位に立ちました。
この頃のアンリは、化け物でした。スピードとテクニックを活かして左サイドを駆け上がり、ディフェンダーとの1対1で負けたところを見たことがありません。得点を量産し、このシーズンのプレミアリーグのゴールデンブーツ賞でした。(得点王)アーセナルの14番が、エースアタッカーの番号になったのはアンリの功績が大きいです。のちにアーセナルで最多得点をする選手になります。

アンリもすごかったんですけど、このシーズンのMVPはピレスでしたね。
長短を混ぜたパスは、キラーパスあり、アンリ、ベルカンプへのラストパス、シュートあり獅子奮迅の活躍でした。中盤のキーマンでした。シーズン終盤でケガにより出場できなくなった時は、アーセナルの左サイドからの攻撃に迫力がなくなりました。ピレスがいかにアーセナルにとってはなくてはならない選手だったかは、他の選手も認めるところでした。
最終戦後の表彰式で、お立ち台に立つピレスに、アンリをはじめアーセナルの選手が手をあげて讃えていましたから、おお神よみたいな感じで(笑)

アンリ、ピレスが活躍できたのは、中盤の支配者パトリック・ヴィエラ抜きには語れません。キャプテンであり、絶対的な中盤の覇者。危険察知能力はずば抜けており、中盤でボールをキープさせたらまずボールを奪われることはありません。ロイ・キーンとのやり合いは名物になっていました。
ヴィエラはディフェンス能力が高いので、アダムス、キーオンといったCBがケガで出られなくなると、ヴィエラがCBをやることがありました。普通にCBをこなしていました。スクランブルだったとはいえ、さすがです。

この頃プレミアリーグのチームは、4-4-2のフォーメーションのところが多かったです。イングランドの代表的なフォーメーションです。FourFourTwoという雑誌が出るくらいでしたから。(かつては日本版もあった)
アーセナルも4-4-2で戦っていました。

右サイドで泥臭いプレーをするリュングベリ、アンリ並のスピードスターのFWウィルトール。FWを追い越してシュートを打つアシュリー・コール。
鉄壁の守備のソル・キャンベル。ベテランのフェイマスバック4のアダムス、キーオン、リー・ディクソン、そしてキーパーのシーマン。個性豊かな選手が作り出すサッカーは、本当に魅力的でした。

忘れてませんよ。偉大なるNo.10。トラップさせたら世界一。空を飛ばないオランダ人、デニス・ベルカンプ。忘れもしないニューカッスル戦での、ベルカンプターン。今でもプレミア史上最高のゴールと言われるスーパーシュート。ピレスとベルカンプのパス交換で左サイドを駆け上がり、ディフェンダーとの1対1になります。ピレスからのパスをトラップで浮かして、ディフェンダーをかわしキーパーとの1対1。狙いすましたように、キーパーの脇の下を狙ってシュート。リアルタイムで見てましたが、キャプテン翼が本当にいるぞとか思いました。華麗なるシュートの数々は、ベルカンプを見るだけでもいいやと思えるほどでした。ゲームだとそれほどでもないのは、コナミのせいですね。

そして宿敵マンチェスター・ユナイテッドとのオールド・トラッフォードでの優勝をかけた一戦。ベンゲルとサー・アレックス・ファーガソンの試合前の白熱する舌合戦。ただ、アーセナルはケガ人が続出していました。
アンリもピレスもいません。満身創痍の状態でした。それでもウィルトールのゴールを守り抜き、ついにプレミアリーグの優勝です。

それだけではありません。FAカップも決勝でチェルシーを倒し(この頃のチェルシーはアブラモビッチが来る前なので、金萬チームではない)、ダブルを達成です。栄光のアーセナルの始まりです。

初めてプレミアリーグのアーセナルの試合を見てから、ダブルを達成してしまうところを見てしまったので、もうグーナーはやめられません。ダブルを達成した時に出たコリンシアン(サッカーのフィギュア)のセットは今でも大事に持ってますよ。

次回は伝説のインビジブルを書こうと思います。




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