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定本作業日誌 —『定本版 李箱全集』のために—〈第九回〉

 韓国に来てもう一週間が経とうとしている。若干聴覚過敏気味だろうか。ずっと監視されていてるような、壁が迫ってくるような感じはある。相変わらず、抑うつ。今の部屋が私の安らぎの場所となることはなさそうだ。ドンマイがんばれ。

 昨日も今日も、帰ってきて布団に倒れ込んで5時間ほどうたた寝してしまうリズムになっている。今日はすごく疲れて何もできなかったが、昨日は少し「R I S S」を利用して調査を行った。なんだか楽しかったなあという感触だけ夢見心地で残っている。あんま覚えてないなこりゃ。

 14日、国立中央図書館に行って絶望だけ持ち帰ってきた日。そこで教えてもらった学術論文や書籍、雑誌などを一括で検索できるサイト「R I S S」に改めて向き合ってみることにした。

 その結果わかったことは、国民大学のソンゴク図書館では『朝鮮と建築』(1931年7月号、8月号、10月号、1932年6月〜12月号、1933年5月〜12月号等)をどうやら閲覧できるらしいということ。もしこれが実現するなら作業は一気に進むことになる。一部所蔵していない可能性もあるし、それにあまり期待を込めてはテキストに逃げられるような気もするが、それでも少し期待を寄せてしまうのはどうか許してほしいと思う。

 そして、肝心の『정본 이상 문학 점집』(주해 김주현,소명출판 ,2009)の註解者についても調べた。この김주현先生は現在、慶北大学国文学科で教授をされており、『定本版 李箱文学全集』を出版した後も李箱に関する研究を継続しているようだった。メールアドレス、電話番号も慶北大学のH Pで確認できた。年齢は不明だが、急がねばならない。顔写真は若い時のものであまり当てにならない。どんな方なんだろうか。気になるけれど、やはり若い頃の写真では、どんな歳の取り方をしているか判別がつかない。こういう顔写真を載せるなら、最新版にしていただきたいものだ…。
しかし急げ。

二〇二三、一〇、一七執筆。二〇二三、一一、四更新。

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