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不思議の国? 藤野移住への道 3 完結篇!


「どんな条件がいいの?言って!」

ハイパースピード女史の質問は、寄り道無しの直球ストライクゾーンど真ん中だった。

何件か電話をかけた後に、軽トラに乗った人がやって来た。

はいはい、乗って下さい〜。

助手席にハイパースピード女史と私が乗った。

狭〜〜い!インドみたい。

きゃぁ〜、面白〜い!!笑笑

ハイパー女史も大喜び!

間も無く借家に到着。

近所の知り合いの人も出て来て、その人も簡単に和気あいあいな人で近所の情報(ここのお家の人はこんなことやってて、こんなことで助けてくれるよ、という情報)を教えてくれて、藤野って本当に陰口やいじめがなくて助け合っている人が多いのかも?と今まで経験したことのない雰囲気だった。

紹介してもらった家は、日当たりがあまり良くなくてわたしには合わなかった。

駅まで送迎してもらって、またハイパースピード女史は次の人に電話してくれている。

しばらくして、また新しい人が車で来た。

今度の人は不動産屋さんだった。

「音が出せて湿気が少ない家」がわたしの探している家。

普通なかなかない。

でも、運良くすぐに見つかった。

車は緩やかな坂と急な坂を交互に登って行き、
「こんなすごい坂、車なしで住めない場所だ」とわたしの思いを無視して
車は山の上の家へ向かって行った。

住んでいる人が居て外観しか見られなかった。

5月に引っ越すのでその後ならお貸しできますよ、と話が進んだ。

不動産屋さんとハイパースピード女史と3人で近くの湖の見えるCAFAというギャラリーのあるカフェに行った。

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静かな落ち着いた雰囲気。
カフェの人はとても素直そうな笑顔だった。
背伸びしてない等身大の感じがして、わたしはずーっと背伸びしてたな、と恥ずかしくなった。
素直にただただ自分を生きているかもしれない人の雰囲気に触れてみたら、すごくわかって心が痛かった。
わたしはそれを求めているのに反対のことをやっていた。
自分が都会に汚染された人になっていて、都会を嫌いと言っていた。
だったら本当に都会を出て、求めていた自分に戻って好きに生活すれば良いだけのことだよね。

違う環境に1時間でも入ってみるのはとっても大事だと思った。
ネットやテレビや本などでは絶対に解らない肌感覚が一番答えが出る。
身体で感じれば、どうすれば良いか簡単に分かるんだね。
自分が塞いでいた嫌な感覚も蘇ってくるけど、それが何なのか分かって捨てられてサッパリする。
自分の道を切り開いて新たな自分で生きていくには、塞いでいた扉を開けて、その中にある光の道の扉が開くことをやっていくことが大切なんだ。

またまた自分を実感して答えが出た。

藤野の静けさと素直さはわたしの次の住処かも。

ダメな自分も炙り出されるだろうけど、それは捨てる自分のゴミだから、藤野に移住して望んだ自分になって生活してみよう、そう決めた。


私たち3人は藤野駅へ戻った。

不動産屋さんと別れを告げ、ハイパースピード女史と高尾まで一緒に行った。

電車の中で「今日は疲れたでしょ、ゆっくり休んでね。」と言ってくれた。

そして別れ際に「悪魔は悪魔の顔をしていないのよ、良い人の仮面をつけてやって来るんだから気をつけなさい。」と。

ハイパースピード女史、スピードだけじゃない、いろいろ乗り越えて来たからわかるんだね、不思議な人だ、ありがとう。


家に戻って、3日ぐらい頭がグルグルだった。

こんなコロナ勃発時に移住の扉が開いた。

住み慣れた街、本牧の景色はモヤシのような彷徨っている人たちと灰色の景色に見えた。

こんなにも違うものか、そう感じる自分にびっくりした。

よし、あの家に行こう。

山の上だけど行っちゃえば何とかなるよ!!


「こんにちは!

わたし、吉野の家に決めました。 よろしくお願いします!」

不動産屋さんに電話した。

移住の始まり始まり〜!!





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