見出し画像

よく考えたら怖かった話。

よく考えたら怖かったなという話がありました。

つい最近、mixiのマイミク申請なるものが数年ぶりに来ていたことを発見しました。一応現在もいきているメールアドレスを通知先に設定していたので、放置することなく内容を確認。送ってきたのはン十年前に一緒にバイトをしていた先輩からで、それはそれは驚きました。

メールで話したい!というので彼女の連絡先アドレスにメールを送信。
すると色々なバイト仲間に私の連絡先を聞いて、やっとたどり着けたという冒頭のあいさつが終わり、テレビで見たお笑いの話をしたかったという感じだったようで、色々なバラエティー番組のトピックが並んでいました。

ひとしきりそれらの話が終わると、「おばあちゃんって芸人いるよね?」という質問というか確認が来ました。私は昔いた「オバアチャン」という男性コンビではなく、ひらがなの人がいるっぽいことはtwitterの文字上では見たことがあったけど、どんな人かは知りませんでした。70歳過ぎて芸人になられた女性で、吉本所属、そういった珍しいキャラクターということもあって最近少し露出が増えてきたというようなことを検索結果で知り、「最近出てるらしいね」というようなことを返信すると「彼女に触発された」と。

「第二の人生を楽しんでるということは良いことだよね」と返したところ、
「自分もあと何十年後かにNSC入ろうかなー。その時に一緒に漫才やらない?」と返ってきた。「その時にまだ生きてたらやりますよ」と軽い気持ちで返信したら、

そこから

コンビ名は○○はどう?
ボケとツッコミが入れ替わるのはどう?

と毎日いろいろと送られてきて、最終的には漫才の設定が送られてくるようになりました。

「なんで今?もう?」と思ったんだけど、漫才の設定は見たことがあるような内容だったので、ネットで検索。案の定、類似した漫才のyoutube動画が出ていて、恐らくはそれをパクったというよりは知らずにかぶったというところだと思ったので、その動画のURLを送信。

同じようなものがプロの技術で演じられていることを見て、諦めてくれるかなと思ったら、そうではなかった。「自分のネタになかった部分を取り入れたい」と返信が来ました。「いやいや普通にパクりでしょwww」と返すと「パクリはダメですかぁ?本人に許可取れないかな~?」という反応。サラッと流すと、次のネタの設定が送られてきました。

これは検索するまでもなく、既存のものをアレンジした感じだったので、このやり取りずっとするのしんどいかも…と思って、「アマチュアとして一度漫才をやってみたいからM-1を受けてみたいの?」または「プロの漫才師としてやりたいの?」と訊ねました(堪え性のない私)。

…「今すぐじゃないけど、養成所に通ってプロの漫才師としてやりたい」と。

うわぁ。おばさんが出てきたから自分もイケると思ったタイプじゃないかと。M-1記念受験くらいなら、付き合ってあげてもいいと思ったけど、そんな軽い気持ちの人とプロとはと、若干眩暈がしてきました。私は芸人としての活動は一度もしたことがないけど、このご時世甘いもんじゃないということは十分わかっています。

「プロって誰1人ファンがいなくても、ネタをやるのが楽しいと思って、やれる気持ちがないと厳しいんじゃない?私は、なるつもりはないよ」と送ってみることにしました、特に属性的に厳しいので。女芸人に限らず、圧倒的に面白いということでもなければ「かわいげ」がないとファンは付かない。M-1だとおばさん2人組みたいな人たちがたまに出てくることもあるけど、それはアマチュアなので人気は気にしないで出ることができますよね。でもプロはそうはいかない。人気が無い漫才師は舞台に上がれないですね。お金を払えばノルマライブという位が低いライブには出ることはできるけど、それで心が満足するものをプロと言えるのか…私はネタの良し悪しはあまりよくわからないけど、気持ちの強さを判断することくらいはできるので訊いてみました。
 
もし「それでも漫才が好きだからやってみたい」ということなら、まずは自分のしゃべりが他人に受け入れられるかどうか、ネットラジオくらいをやってあげて諦めてもらうソフトランディングプランを考えていました。

すると「甘い考えでごめん」とすぐひっこめた・・・

と思ったら、昨日のバラエティー番組の話題が始まり、振り出しに戻った感じがしました。ただ自分は毎日バラエティー番組をくまなくチェックしていないので、このハイペースで「見た?」と来られても困ると思ったけど「そんな毎日テレビ見てないよ!」と返信するのも棘があるし、ひとまず「いいね」ボタンだけ押しておいたら、そこからは何も来なくなりました。

何となくぶったぎった感じで後味の悪さが残ったけど、そこまで背負うこともないな…忘れようと思いました。しかし、ひとまずnoteにだけは記録しておこうかと思って、こうして書いています。

振り返るとちょっと怖いなと思ったことがあります。

①十数年ぶりに久しぶりに話す(メール・チャット)相手がどんな暮らしをしているかにあまり興味が無く、自分の暮らしも話さずとにかくテレビのバラエティー番組の話をしだす。
②漫才の設定が、全然年齢や経験を重ねた内容になっていない。

①普通相手が「東京で会社員しているよ」と言ったら「結婚してる?」とか、それは聞きにくいとしても「今はどんな仕事をしているの?」とか「東京のどこで働いているの?」とか聞きますよね。聞きにくいのなら、なおさら自分はどこで何をしているか話して相手に促しますよね。そういうことが全然なく「水曜日のダウンタウンの○○が、アメトーークの○○が」って感じでした。

②彼女が見た「おばあちゃん」もそうだけど、そういう特殊な属性の場合はその属性を活かしたネタをするものですよね。youtubeでおばあちゃんのネタを見ましたが、おばあちゃんの視点で語るところに笑いが生まれていました。それはそうですよね、他の若手がやっているようなネタをやってもかぶるだけですから。自分の得意分野を出しますよね。それが彼女が送ってきたネタは高校生でもありえる設定。

私たちがバイトしていた時は、お昼休憩で毎日おしゃべりしていました。十数年前といえばエンタメの中心はテレビだったのでテレビの話題は多かったです。でも今の私たちは毎日必ず合う関係ではありません。エンタメもかなりチャネルが増え、テレビのバラエティ番組のようなものはyoutubeに無限に存在していて、テレビだけをみんなが見る時代ではないように思います。それでも彼女はテレビ番組しか見ていないっぽくて、例えば彼女が「○○(在阪コンビ)っていいよね」というので「○○は漫才も面白いよね」と言ったら「漫才するの?見たことない」という返しで驚きました。

それに送ってくる漫才は、仕事や結婚生活や子育て(自分は子供いないからわかんないけど)、介護といった大人が経験するような要素は一切ありませんでした。

私たちが別の仕事・生活にわかれた瞬間から時が止まっているのかな?と思って、少し怖くなりました。家庭や仕事がうまくいってないとかそういうことかもしれませんが、そこまで踏み込むのもどうかな、と思ってそのまま放置しています。

私も精神的に幼稚なので、他人の事言えない部分もあるけどね、さすがにそれは…という感じでした。ねずみ講とか宗教の勧誘だったら、もっと笑えたのになあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?