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子供はなんでも知っている
「子供はなんでも知っている」と感じることがある。子供の目を通して、本当に大切なことを気づかされることも多い。
例えば、たいていの子供は高級な洋服をほしいとは言わない。親と長時間離れていると寂しがる。お散歩が大好きで歌も大好き。周りにあるもので何かを作るのが大好き。丁寧に盛り付けられたご飯よりも、皆んなで食べれればなんでもいい。
このような子供の様子を観察していると、子供がほしがるものこそ、人の人生で大事なことなのではないかと思える。そして、子供にちょっと高価な洋服を着せて満足している自分が恥ずかしくなってくる。
一方で、子供はすごく脆いとも思う。大人が子供を夢中にさせるためにつくったものにすぐにハマる。次々と発売されるキャラクターのおもちゃ。カラフルに着色されたグミ。どんどんおすすめ動画が流れてくるYouTube。このような商品に、子供は簡単に夢中になる。
大人の世界は難しい。よりよい場所に住むため、より美味しいご飯を食べるため、より高級な洋服を買うために、一生懸命仕事をする。その仕事の結果生まれているものは、必ずしも世界を良くしないものだったりする。大切な子供と過ごす時間をすり減らしたりもする。大切な我が子をよりよい学校に入れるため、大部分の子供たちをダメにするような商品を作っていたりもする。このような複雑な世界で大人は生きている。
一方、子供たちの望むものはシンプルだけど、本質的なものだ。
子供が満足にご飯も食べられない、安心して眠れる場所もない、という状況は当然避けられなければならないが、一方で、そのような最低限の生活さえ提供ができれば、特別な場所を用意せずとも、子供は間違った道は進まないのではないかと思う。
最近、日本には「将来こうありたい」というグランドデザインがないなと悲観的に思うことがあるが、子供たちを観察する中で見えてくる大切なもの、「誰かといると楽しい」「何かを作るのは楽しい」「誰かが喜んでくれると嬉しい」「体を動かすのが楽しい」こういったシンプルなことさえ実現できれば、それだけで人生は素晴らしいなとも感じる。
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