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生成AIを事業環境分析に活用してみる

よく、新規事業開発では「上司への報告資料を作成する時間があるなら、顧客の声を聴け!」と言われます。まったくその通りではあるものの、ほとんどの企業において上司報告を省略することは非常に難しいでしょう。

通常、新規事業担当者の上司は、新規事業がどのような進捗になっているか把握するという職務を背負っています。そして、それを経営者に伝えます。経営者は株主に対して説明責任を負いますので、新規事業の内情を把握しておく必要が出てきます。

報告内容については、会社によってさまざまではあるでしょうが、昨今はMBA的な教科書も多数出版されていますので、そういう本を読んでいる経営者に説明しようとすると、3CやらPEST分析やら5フォースやらとうるさいかもしれません(笑)。

新規事業担当者としては「そんなことよりも先にやることがある!」と言いたくなる場面もあるでしょう。しかし、基本的な分析をやっていないことが知られてしまうと、上司などからの信用が失われてしまいます。要するに報連相は、面倒ではあるものの、しっかり行うことで信頼が得られますので、トータルとしてみれば効率が良くなるのです。

ということで、基本的分析は信頼を得るために重要ではあるものの、分析に時間はかけられない。そういう時に役立つかもしれないのが生成AIです。

ビジネス用のChat-GPTプロンプトはいろいろネットに転がっていますので、試してみるのが良いです。(

私自身は、一般書籍を参考に、無料のChat-GPTで以下のようなプロンプトを試してみました。

Chat-GPTより引用

結果は全て紹介はしませんが、例えばPolitical Analysis の結果は以下の通りでした。

Chat-GPTより引用

GPT-4を使ってないので非常にざっくりした回答ですね。ここで、「やっぱり、生成AIって使えない。」とあきらめてはなりません。

例えば「労働法や高齢者雇用促進法に基づくプログラムの設計が必要。」についてもう少し詳しく具体的に教えて下さい。

という形で質問をさらに投げかけ続けます。
そうすると以下のようにより具体的な回答が返ってきます。

Chat-GPTより引用

正直、内容的には大したことを言っているわけではないのですが、業界の全体像をざっくりとらえるには有用であることは間違いありません。

とくにビジネスアイデアを考える際にはそれなりに威力を発揮しますし、ペルソナ作成などは、時短効果が大きいです。

資料を作成するときに、結構時間がかかってしまうのは、とっかかりの部分です。ゼロから作成するのは苦しいですが、まず粗々でよいのでたたき台があれば考えやすいでしょう。

そのたたき台作成のために生成AIは大いに役立ちます。しかし、中には生成AIのアウトプットをそのまま使ってしまう人がいます。これでは薄っぺらいアウトプットにしかなりません。

生成AIのアウトプットは仮説中の仮説であると認識し、そのうえで事実をつかむべく、インタビューや現地調査などを進めましょう。

Chat-GPTなどの生成AIに頼りすぎるのは弊害も生まれそうですが、使い込んでいくとかなり生産性が上がります。使わない手はないでしょう。


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