あのころの小さな私

 幼少期の体験は、思い出すのも嫌で誰かに話すことなどしてこなかったけれど思いきって吐き出してみようと思う。

あれは小学校に入学してしばらくたった頃。
身体の小さかった私は、休み時間に校庭で遊ぶクラスメイトになかなか馴染めずに日々を過ごしていた。
 ある日、思いきってみんなが遊んでいる滑り台のところへ行き、元気の良さそうなクラスメイトに声をかけ仲間に入れてと言ってみたところ 彼女は首をかしげながら「このすべりだいはあ、もうこれ以上のっちゃだめなんだよ」と訳のわからないことを言ってきた。
「なんで、だめなの?」と私が聞くと彼女は「可愛いこしかあそんじゃだめなの」と言ってきた。
そうか、私は可愛くないのか。
その日は悲しくてすぐにでも家に帰りたかったが、我慢して教室に帰り寝ているふりをして午後の授業が始まるのと下校時間を待った。両親は共働きなので夕方は学童で過ごすことになっていたため 学童の先生に分からないようにトイレで泣いた。今思えば、生まれて初めてトイレで泣いた記念日だ。
その日から、なんとなく教室内で威張るグループが目立ち始め
態度には出さなかったが、今でいうスクールカーストが出来上がっていた。
ああ、しょうもない。

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