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【10/17開催】「プラトーを使うことで生まれるサービスとは?」オンラインイベントレポート!(前編)

札幌の大規模ビジネスコンベンションNoMapsが学生の挑戦をサポートするために設けた学生向けセクション”NoMaps for Students”とSpreadが連携し、国土交通省が出す3D都市のプラットフォーム『プラトー』を軸にその可能性を考えるオンラインイベントを10/17(日)に開催しました。

イベントは、「XRビジネスの先駆者からみて『プラトー』ってどうみてますか?」をテーマとしたSpreadTalkと、『プラトー』を活用した新しい街づくりや新しい都市に必要なビジネスを考えるアイデアソンの二部構成。まずは前編、SpreadTalkのレポートです!

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松井 健太郎さん:株式会社バーチャルキャスト 代表取締役社長
株式会社インフィニットループ代表取締役
1977年生まれ。北海道北広島市出身。札幌市内の大学卒業後しばらくしてフリーランスのエンジニアとして活動を開始。順調に拡大を続け2007年には法人化し株式会社インフィニットループを設立、ブラウザゲームやスマホ向けゲーム開発などを手がける。2019年7月には株式会社ドワンゴとの合弁会社である株式会社バーチャルキャストを設立し代表取締役社長に就任。VRシステムのスタンダードを取るべく活動を続けている。

大久保 徳彦さん:株式会社POLAR SHORTCUT 代表取締役 CEO
北海道帯広市出身。慶應義塾大学を卒業後、新卒でソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)に入社し、プロジェクトリーダーとして多くの新商品企画や新規事業推進プロジェクトに従事。その後、動画制作のスタートアップ企業 Crevo株式会社にて、経営企画・人事・財務・新規事業開発領域をNo.2として統括。2020年4月に札幌へ拠点を移し、北海道の成長産業・ベンチャー支援をテーマとして株式会社POLAR SHORTCUTを創業。2021年4月にベンチャーキャピタルファンドを組成。

種市 慎太郎:IRENKA KOTAN 合同会社 代表社員 
IRENKA KOTAN LLC 代表。2001 年生まれ。学生時代より若者の挑戦の場をつくる団体を立ち上げ運営し、札幌を中心に活動を展開。2020年4月により良い社会設計の方法を自身で探究/実践するための組織として、「緩やかで確実な社会変革の手法を探る研究共同体 IRENKA KOTAN LLC」を創業し代表社員に就任。自社のプロジェクトとしてコミュニティ・シンクタンク「C.R.A.B」や探究メディア「SENSE:D」を立ち上げ運営するほか、札幌市の高校生向け起業教育事業「START U-18」のプロデューサーや北海道のテックコミュニティ「未完project」のプロデューサー・社会教育事業「ミカタバ大学」の事務局長など様々なプロジェクトの企画運営を担当。NoMapsで学生担当として大学連携をコーディネート。

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https://twitter.com/spread_hs/status/1449555803782873092?s=21

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https://youtu.be/WqZ2DvqcECY

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『プラトー』って何?

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種市:そもそも『プラトー』がどんなものなのか軽く説明しますと、都市のデータを集めて公開している国土交通省が提供しているサービスです。道路から、建物の窓の数から、全てが3Dでバーチャル上に再現されていて、現在全国56都市のオープンデータ化が完了しています。情報の集約化や調査、センサーの配置などスマートシティに向けた実証実験のための基盤として使われています。現在は避難訓練や水害時のシミュレーション、防災や災害リスク情報の3D可視化に活用されているようです。『プラトー』は生きているサービスというよりも、データの塊で、そのデータの塊を使った面白い事業を考えるのに、先程の「掛け算」が必要になるということですね。今回のアイデアソンで考えていけたらと思います。

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『プラトー』を使ったサービスを考える。

種市:ここからは『プラトー』を活用したサービス事業を実際に考えてみようと思います。先程の活用例だと防災に関する実証実験があったと思うのですが、行政ではなく我々の手に届く範囲で『プラトー』を活かせる使い方としてはどんなものがあると思いますか?

松井:まず最初に『プラトー』を見たときにイベントができそうだなと思いました。去年もバーチャル雪まつりをやっている団体がありましたよね。コロナでオフラインのイベントが難しくなっているので、地域のイベントをメタバース(コンピューター空間の中にもうひとつ住む世界を作って暮らそうという概念)で開催することには実際に活用していけるんじゃないですかね。

種市:地域の祭りをメタバースで開催するのはオープンデータだからこそできることですよね。大久保さんはスタートアップの投資をされていますが、事業として持続可能で収益化可能な『プラトー』の使い方はどんなものがあると思いますか?

大久保:ビジネス化やマネタイズがしやすいのは、やはり先ほどの防災やシュミレーション利用などの法人用途になると思います。でもアイデアとしては面白みに欠けるので、今日のアイデアソンでは松井社長がおっしゃっていたような自由な発想で自分が好きなものと『プラトー』を組み合わせてほしいと思いますね。

アイデアを実装・起業するのに必要なものとは

種市:起業したい方に向けてスタートアップの話をしていこうと思います。いいアイデアが出たときに、そのアイデアを実装や起業まで繋げるにはどうしたらいいのでしょうか?

松井:難しいですよね。結局は情熱を持ってやるしかないとは思いますけど、そのためにはやはり好きなものや自分が欲しいものであることが重要だと思っています。アイデアとして優れていることも大事ですが、それ以上に自分が続けていけるアイデアが大事なのかなと。

種市:起業するとなるといろいろな人たちに使ってもらえるように一般化が必要になると思うのですが、アイデアに第三者視点を取り入れるいい方法はありますか?

大久保:自分が好きなものから始めるのはとても大切で、なぜかというとコアファンを作ることがファーストステップだからです。5人くらいのコアファンが使ってくれるサービスを作った上で用途を拡大して、よりいろんな人に使ってもらえるようにしていくのが僕はいいと思っています。起業のアイデアでいちばんありがちな失敗が「自分がよくわかっていないけれど、こういうものを使う人がいるだろう」という推測で始めて、実際はそういうターゲットやペルソナが存在せず、誰もそのサービスを欲しがっていないケースだと思います。

種市:松井さんがバーチャルキャストを作られた時は、一人が「配信して使いたいです!」というところから、どうやってアイデアを広げていったのでしょうか?

松井:難しいところなのですが、自分の力だけでできることとできないことがありますよね。やはり今の時流に合わせていくことも大事だと思います。バーチャルキャストは完成してから見向きもされない不遇の時期が一年くらいあったのですが、「ねこます」さんというVTuberが現れてVTuberブームが起きたことで一気に盛り上がったんです。なので、いいものを作れば売れるというのは大きな間違いですよね。

種市:その時流ってどうやって掴んだらいいんですかね?

大久保:たとえば2000年くらいにセカンドライフっていうVRみたいなものが一瞬だけ流行って、最終的に全く使われずになくなったんです。なぜ当時流行らなかったかというと、通信インフラが追いつかなかったという側面も大きいんですね。いまは4Gが使えたりPCのスペックが上がったりしたのでVRが盛り上がっている部分もあると思います。松井社長の話でいうと、バーチャルキャストが使えるインフラは整っていて、あとは最後に起爆剤が必要だったところにVTuberのトレンドが来たという感じだと思います。

種市:『プラトー』は完成しているサービスですが、そういうものだと時流に乗せやすいんでしょうか?国とか大きい組織が動いてきているタイミングですし。

大久保:そうですね。それこそ自治体でも『プラトー』を活用したい気持ちがある状態なので、もしここで面白いアイデアを出して実装できるレベルまで整えられたら札幌市さんから話が来るかもしれませんし、それはまさに時流に乗ってるってことですよね。

今後の北海道においてVR・ARビジネスで起業するなら

種市:VRビジネスで起業しようとしたときに、北海道だとどんなトレンドがあると思いますか?それとも実は特別北海道でやらなくてもいいことなのでしょうか?

松井:いまはリモートでなんでもできるじゃないですか。なので北海道だとできないなんてことはなくなってきましたよね。そこに北海道ならではの要素をいれていけると強みが出ると思います。環境がいいところで働いたほうがいいので、その点で北海道はいいところだと思います。

種市:北海道というと観光と農業の2大要素があると思います。今までのVRはエンタメのイメージがあるのですが、観光や農業のようにリアル空間と密接に結びついたバーチャル空間にはどんな可能性があるでしょうか?

松井:特に観光には将来性を感じます。でも今はまだ厳しいですよね。旅行会社各社が同じことを考えていてVR旅行のサービスがいくつか出ていますけど、体験としてはイマイチじゃないですか。カメラの進化が必要だったり『プラトー』みたいなデータが不足していたりするのかもしれないですが、時間が経てばどんどんリアルになっていくとは思います。いちばん大きなハードルはハードウェアだと思いますね。

大久保:もしスタートアップが取り組むのであれば、価値の置き所を工夫することで変えられることもあるのかなと思っています。観光だとリアルなことを五感で感じることがいちばんの提供価値なので、それをいきなりVRで代替するのは難しいと思うのですが、その手前にあるオープンキャンパスとかをウェブ上で再現するサービスは可能性がありそうだなと思ってますね 。

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『プラトー』の説明からアイデアの扱い方まで、起業への示唆に富んだ話を踏まえてアイデアソンを実施しました。その発表をレポートした後編に続きます!

文・佐藤遥

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